トワイライト現象とは?ロケット打ち上げ時に見られる美しく神秘的な景色がすごすぎる

被写体を知ろう
Photograph by Jesse Watson
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トワイライト現象とは?

トワイライト現象は「UFO現象」と呼ばれることもある世にも美しい現象で、これはトワイライト[twilight](日没後や日の出前に太陽が水平線下にあり薄明るい時間帯)時にロケットが打ち上げられることで見られる美しい景色のことを指します。
2017年12月22日の日没後にカルフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から打ち上げられたSpaceXのFalcon 9が、打ち上げられた時間も相まってものすごく美しい景色を生み出しました。
その時の映像がこちら。ただでさえ綺麗な黄昏時を不思議で美しい模様を描き出しました。
こちらの映像は5台ものカメラで撮影された写真をつなぎ合わせたタイムラプス映像となっており、40秒にまとまっています。
Falcon 9は第1段ブースターで上空まで上がり、その後第二段ロケットに点火して宇宙空間に向かいましたが、途中で役目を終えた第1段ブースターが切り離されて目標落下地点に向かうための様子も鮮明に映し出されています。

トワイライト現象がみられる条件

Photograph by Andrew Annex

この現象はロケットが打ちあがる度に見られるものではなく、気象状況や時間帯の条件が揃わないとここまで美しい光景を目にすることはできません。
Falcon 9が打ち上げられた当時、上空の空気は非常に冷たく乾燥しておりロケットから放出される排ガス中に含まれる水が凍って氷の粒になったことで美しい軌跡が描き出されることになりました。
さらに打ち上げられた時間帯が日没後のトワイライトであったことから上空高くに生み出された氷の粒が太陽光に照らされて青く光ることで長時間軌跡が残ることになりました。
飛行機雲のように一直線にならずぶわっと広がった理由として、氷の粒が飛行機が飛ぶ高さよりもさらに遥か上空にあり気圧が低かったために広範囲に拡散したものと考えられています。

トワイライトに見られる珍しい現象

トワイライト現象のように人工的に生み出される美しい景色もありますが、その他にも地球が生み出す美しい景色は他にも色々とあります。
本サイトでは様々な自然現象を紹介してきましたが、今回のその一部を少しだけ紹介しておきます。

夜光雲

Photograph by Martin Koitmäe

夜光雲は、高度約75~85kmの中間圏に発生する神秘的な現象で通常の雲よりもはるかに高い位置に存在する珍しい雲です。主に夏の夜の特に高緯度地域で観測されることが多く、太陽が地平線の下に沈んだ後でも上空の微細な氷の粒が太陽光を反射し、幻想的な青白い輝きを放ちます。
本記事で紹介したトワイライト現象もロケットが生み出した氷の粒が太陽光に映し出されているため、夜光雲に分類することができます。
夜光雲の形成には、水蒸気の供給と極寒の気温(約-130℃以下)が重要な要因となっていてロケットの排気ガスや火山活動、さらには隕石の微粒子が水蒸気の凝結核となることで遥か上空に雲が発生すると考えられています。
また、近年、夜光雲の頻度が増えているとの報告があり、これは地球の気候変動や二酸化炭素等の増加と関連している可能性があると考えられています。その神秘的な美しさと科学的な興味から、夜光雲は気象学者や天文愛好家の間で注目されています。

グリーンフラッシュ

望遠レンズで撮られたグリーンフラッシュの写真

グリーンフラッシュ(緑閃光)は、日の出や日の入りの瞬間に太陽の上縁が緑色に輝く珍しい大気光学現象です。主に空気の層による光の屈折と分散によって生じ、特に大気が安定していて視界が良いときに観測されやすくなります。海上や高所など、地平線がはっきりと見える場所が観測に適しています。
この現象は、太陽光のうち波長の短い青や緑の光が大気中で散乱し、最終的に緑色のみが残って目に届くことで発生します。瞬間的にしか見えないため、タイミングが重要ですが、運が良ければ美しく輝く緑閃光を目にすることができます。

ビーナスベルト

ピンク色に輝くヴィーナスベルトち地球影の写真
ビーナスベルトは、日の出前や日の入り後に地平線の反対側に見える美しい薄紅色の帯状の光のことを指します。この現象は大気中の散乱光によって生じ、地球の影の上部に淡いピンクや紫色の光が広がることで特徴づけられます。
この帯の色は、太陽光が低い角度から大気を通過する際に、青い光が散乱して赤みがかった色が残ることで生じます。特に大気の状態が安定しているときに鮮やかに見えるため、山頂や広い地平線が見える場所で観察するとより美しい光景が楽しめます。

まとめ

トワイライト現象は、日没後や日の出前の薄明るい時間帯にロケットが打ち上げられることで発生する幻想的な光景です。2017年12月22日、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられたSpaceXのFalcon 9は、そのタイミングの良さから非常に美しい光の軌跡を描きました。ロケットの排ガス中の水分が上空の冷たい空気で凍り、氷の粒となることで光が散乱し、長く輝く軌跡を生み出したのです。

この現象は、打ち上げ時の気象条件や時間帯によって左右されます。特に高高度での低気圧環境では氷の粒が広範囲に拡散し、不思議な光の模様を形成します。飛行機雲とは異なり、拡散した美しい光景が生まれるのが特徴です。トワイライト現象は、条件がそろったときにのみ見られる貴重な光学現象として様々な人を魅了します。

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