蜃気楼が発生する仕組みは?蜃気楼3種類と代表的な現象を紹介!逃げ水や陽炎とは?

会場に浮かぶ大型の船と蜃気楼被写体を知ろう
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海の上に普段は見えない島が浮かんで見えたり、夏場のアスファルトが鏡のように写ったりと蜃気楼も意外と身近にある自然現象の一つです。

蜃気楼は光の屈折で起きる現象なので、似たような自然現象の陽炎についても紹介していきます。

望遠レンズを使って撮ると鮮明に蜃気楼や逃げ水を写すことができるのでぜひ試してみてください!

蜃気楼とは?

蜃気楼は、光が暖かい空気(密度が小さい)と冷たい空気(密度が大きい)を通るときに屈折することで実際のものが逆さに写ったり島が浮いたりして見える現象です。

これから紹介するアスファルトが鏡のようになる「逃げ水」も蜃気楼の一種です。

ちなみに、蜃気楼の由来は蜃(大ハマグリ)が気を吐いて楼閣を描くと思われていたことから「蜃気楼」と呼ばれるようになったそうです。

蜃気楼の種類

蜃気楼は暖かい空気と冷たい空気がどのようにあるかによって見え方が大きく3つに分かれます。

蜃気楼の種類3つを紹介していきます。

上位蜃気楼

上位蜃気楼が発生する仕組み

上位蜃気楼は実物の上側に現れる蜃気楼で、海水表面の空気が冷たくその上部が暖かい空気になると現れます。

上側に現れるので普段は水平線で隠れてみることができない大陸なども突然現れているように見えます。

上位蜃気楼は下位蜃気楼よりも珍しいのでニュースなどで取り上げられることが多いのも特徴です。
ヨーロッパでは「ファタ・モルガーナ」とも呼ばれています。

上に現れる氷山

南極で撮影された氷山の上位蜃気楼

mirage | Atmospheric phenomenon, Haunted places, Fata morgana

この写真は南極観測船から撮影された氷山の上位蜃気楼です。

水平線に並んでいる氷山の上にくっきりと逆さになった氷山が浮かんでいるのが見えます。

四角い太陽

上位蜃気楼で現れる四角い太陽

別海町観光協会HP

四角い太陽も上位蜃気楼の1つです。北海道別海町などで観測することができます。

見られる条件は氷点下20度以下の早朝、太陽が昇った直後に見られます。

16世紀に北極海を探検していたウィレム・バレンツなどによってノヴァヤゼムリャで発見されたので「ノヴァヤゼムリャ現象」とも言われます。

下位蜃気楼

下位蜃気楼が発生する仕組み

下位蜃気楼は、実物の下側に現れる蜃気楼で海水や地面表面の空気の温度が高くて、上部の空気が冷たいと現れる蜃気楼です。

もっとも身近にある蜃気楼で夏場のアスファルトが鏡のようになる逃げ水も下位蜃気楼の1つです。

逃げ水、地鏡

夏のアスファルトに現れた逃げ水

逃げ水は「地鏡」とも呼ばれている下位蜃気楼の1つです。

空や車などが道路に反射しているように逆向きに写っている景色を見ている方も多いと思います。

アスファルトが夏の太陽で熱せられて表面の空気を温めることで発生します。夏場のアスファルトでは後程紹介する陽炎も一緒によく見ることができます。

浮島現象

海面に浮かんでいるように見える浮島現象

浮島現象は海水と島の境界線が切れて島が浮いて見える現象です。

島の上に広がる空が海面に現れるので境界面が切れているように見えます。

島は実物の島なので何もないところに急に現れる現象ではありません。

だるま太陽

水平線に浮かぶだるま太陽の写真

ダルマのような形になるだるま太陽も下位蜃気楼の1つです。

四角い太陽とは逆の方向の下向きに蜃気楼が現れるのでこのような、だるまやΩ形になります。

海水表面の方が暖かく上部の空気の方が冷たいときに起きるので、冬場に見られることが多いです。

鏡映蜃気楼(側方蜃気楼)

側方蜃気楼が発生する仕組み

鏡映(側方)蜃気楼は、実物の横方向に現れる蜃気楼です。

縦方向ではなく、横方向に暖かい空気と冷たい空気が分かれているので、非常に珍しく観測されたことも少ない蜃気楼です。

日本では八代海や有明海などで見られるといわれる「不知火」も鏡映蜃気楼と考えられています。

陽炎とは?

ジェット機の排熱で現れた陽炎

陽炎は一部の温度が変わり密度が変わっていることで蜃気楼と同じように光が屈折することで景色がもやもやと揺らめく現象です。

ろうそくの火の上や、夏場のアスファルトや金属、エンジンの廃棄熱によっても陽炎が現れるので、見たことがある人も多いと思います。

温度の違いによってもやがかかる現象自体を「シュリーレン現象」といいます。この現象は水の中でも起こります。

水中では温度の変化だけでなく、アルコールと水を混ぜることでも密度が違うことから同じような現象が起きます。

まとめ

蜃気楼や陽炎など意外と身近にある自然現象を紹介しました。逃げ水は見たことある方も多いと思いますが、浮島や上位蜃気楼を見たことある人は少ないと思います。

蜃気楼や陽炎は望遠レンズを使うことで鮮明に写すことができるのでぜひ挑戦してみてください。

気軽に超望遠撮影ができるミラーレンズもおすすめです。ぜひ挑戦してみてください!

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