不気味だけど神秘的!珍しい雲18種類と基本の雲10種類を写真付きで紹介

レンズ雲が何重にも重なっていて山の上を覆っており上部がケルビン・ヘルムホルツ不安定性雲となっている雲の写真被写体を知ろう
この記事は約15分で読めます。

大気の状態によって様々な形状をみせる自然の神秘である雲。

晴れ、くもり、雨、雪などの天候は気になる人も多いと思いますが普段はあまり雲を意識的に見ることは少ないのではないでしょうか。

目を向けて見るとおもしろい形、怖い形、不思議な形などなど様々な表情を見せてくれますし、風景を撮るときには雲の有無や形によっても大きく印象が変わります。

そこで今回は雲に興味を持ってもらえるよう基本の10種類と珍しい雲18種類と人工物によって生み出される珍しい雲をご紹介していきます!

基本の10種類

雲は全部で10種類に分けられています。

同じ種類でも様々な呼び方があったり、珍しい雲には別の名前が付いていたり、見え方(雲の形)に対して名前が付いてたりするので、もっとたくさんの種類があると思ってしまいますよね。

10種類の雲は「上層雲」「中層雲」「下層雲」の3つに分けられていて、そこからさらに細かく分けられています。
表に分類と雲の種類と簡単な特徴をまとめました。
分類
名前
高度
上層雲
巻雲
5,000〜16,000m
巻積雲
5,000〜15,000m
巻層雲
5,000〜15,000m
中層雲
高積雲
2,000〜6,000m
高層雲
2,000~7,000m、場合によっては13,000mにもなる
乱層雲
2,000〜5,000m程度、場合によっては地表付近〜10,000m
下層雲
層積雲
500〜2,000m
積雲
500〜2,000m~10,000m
層雲
地表付近〜2,000m
積乱雲
地上付近〜16,000m

それでは基本の10種類について細かく紹介していきます。

巻雲(けんうん)

青空に広がる層雲の写真
別名:すじぐも、はねぐも、しらすぐも

巻雲は高さ5000〜16000mと非常に高いところに現れます。

ハケで掃いたような雲で馬の尻尾や羽のような形をしていることが多いです。天使の羽と例えられることも良くあります。

巻雲が空一面に広がると上空の水蒸気が多くなっていることを示すようで雨の日が近いと言われています。ただし、乱れたように広がっている場合には晴れになる可能性が高いとされています。

「繊維状をした離ればなれの雲で、一般には白色で羽毛状、かぎ状、直線状の形になることが多い。また、絹のようになる。」
引用:気象観測の手引き

巻積雲(けんせきうん)

太陽に照らされている巻積雲
別名:うろこぐも、いわしぐも、さばぐも

巻積雲はうろこ雲でおなじみの小さい雲の群れのような形をしていて、高さ5000〜15000mに現れる上層雲の1つです。

秋頃によく見られるため、うろこ雲、いわし雲、さば雲のどれも俳句の秋の季語になっています。また、鱗、鰯、鯖といった魚にちなんだ別名が付けられているのは、島国であり魚に古くから馴染みがある日本ならではです。

良いことが起こる前触れとも言われている「彩雲」がよく見られる雲でもあります。彩雲など珍しい自然現象は以下で詳しく紹介しています!

数年に一度しか見られない!?太陽光が生み出す超珍しい神秘的な自然現象15選
太陽と自然が生み出す神秘的で美しい自然現象がたくさんあります。 比較的出会いやすいものから数年に1度くらいしか現れないような珍しい現象など15種類を写真付きで紹介していきます。 どれも写真に収めたい感動する現象ばかりです! 光環(光冠) 光...
巻雲の後に巻積雲が現れると雨の日がどんどん近づいてきていることを示しているんだとか。
「小さい白色の片が群れをなし、うろこ状またはさざ波状の形をなした雲で、陰影はなく一般に白色に見える場合が多い。大部分の雲片の見かけの幅は1度以下である。」
引用:気象観測の手引き

巻層雲(けんそううん)

暈が出ている巻層雲の写真
別名:うすぐも

巻層雲は白いベールで空が覆われたような薄い雲で高さ5000〜15000mに現れます。

薄すぎて雲があるのか気付かないようなこともありますが、徐々に空全体に広がってくると温暖前線の前面が来ているため、天気が下り坂になります。

巻層雲と太陽が組み合わさることで「暈(ハロー)」「幻日」「環天頂アーク」などの様々な神秘的な珍しい現象が見られることがあるので、巻層雲が出ているときは空を見上げてみるといいことがあるかもしれません。

太陽光で生まれる珍しい自然現象はこちらで詳しく紹介しています。

数年に一度しか見られない!?太陽光が生み出す超珍しい神秘的な自然現象15選
太陽と自然が生み出す神秘的で美しい自然現象がたくさんあります。 比較的出会いやすいものから数年に1度くらいしか現れないような珍しい現象など15種類を写真付きで紹介していきます。 どれも写真に収めたい感動する現象ばかりです! 光環(光冠) 光...

「薄い白っぽいベールのような雲で陰影がなく、全天を覆うことが多く、通常、日のかさ、月のかさ現象を生ずる。」
引用:気象観測の手引き

高積雲(こうせきうん)

青空にぽつぽつと浮かぶ高積雲の写真
別名:ひつじぐも、まだらぐも、むらぐも

高積雲は巻積雲(うろこ雲)と同じように小さい雲が何個も集まってる雲で高さ2000〜7000mにできる中層雲の1つです。

うろこ雲よりも1つ1つの雲が大きいく見える(高さが低い)ので羊に例えられている可愛らしい雲です。

この雲も彩雲がよく見られる雲なのですが、縦に伸びたような不思議な形になったときなどに地震雲と言われ、何か不吉なことが起きる前兆とされることも多いです。

良いことの前兆とされる彩雲と地震雲とされる雲が同時に見られたらどっちになるんでしょうか?
「小さな塊が群れをなし、斑状または数本の並んだ帯状の雲で、一般に白色または灰色で普通は陰がある。雲片は部分的に毛状をしていることもある。規則的に並んだ雲片の見かけの幅は、1度から5度までの間にあるのが普通である。」
引用:気象観測の手引き

高層雲(こうそううん)

山と海と高層雲が広がっている外国で撮られた写真
別名:おぼろぐも

高層雲は空を明るめのグレー色に染める雲で高さ2000〜7000m、最大で13000mほどに発生する中層雲の1つです。

高層雲を通して太陽を見るとふんわりとした明るさで時には太陽の丸い輪郭がくっきりと見えることもあります。そんな様子からおぼろ雲とも呼ばれています。

高層雲が広がると天気は曇りになりますが、たまに小雨を降らせることもあります。

巻層雲との違いは自分の影ができるかできないかでだいたい判断できます。

「灰色の層状の雲で、全天を覆うことが多く、厚い巻層雲に似ているが日のかさや月のかさを生じない。この雲の薄い部分ではちょうど、すりガラスを通してみるようにぼんやりと太陽の存在がわかる。」
引用:気象観測の手引き

乱層雲(らんそううん)

草原の上空に広がっている乱層雲の写真
別名:あまぐも、ゆきぐも

雨雲でおなじみの乱層雲は名前の通り雨や雪を降らせる代表的な雲です。

中層雲に分類されていますが現れる高さは様々で地上数百m〜上空10000m程まで幅広く分布します。

空が乱層雲に覆われると昼でも薄暗くどんよりとした雰囲気に包まれます。

梅雨のシトシトと降り続ける雨もこの乱層雲が上空に居座り続けるのが原因です。
「ほとんど一様でムラの少ない暗灰色の層状の雲で、全天を覆い、雨または雪を降らせることが多い。この雲のいずれの部分も太陽を隠してしまうほど厚い。低いちぎれ雲がこの雲の下に発生することが多い。」
引用:気象観測の手引き

層積雲(そうせきうん)

畑の畝のような形になっている層積雲の写真
別名:うねぐも、まだらぐも、くもりぐも、むらぐも

層積雲は高さ2000mほどに現れる下層雲の1つで天気を「くもり」にするもっとも一般的な雲です。

別名に「うね雲」とあるように畑のうねのように波打った形になったりと、風や太陽光の影響で様々な形になります。

夕方や朝方に雲の隙間から太陽光が漏れ出て光が地上に降り注いでいるように見える「天使のはしご(薄明光線)」も層積雲でよく見ることができます。

光芒(天使のはしご・薄明光線)については以下で軽く紹介しています!

光芒を使って一風変わったおしゃれな写真を撮ろう!絞りと光芒の関係とは?
光源から光の線が何本も出ている写真を見たことがある人も多いと思います。 これを取り入れることによって普段目で見ることができない一風変わった写真に仕上げることができます。 今回はこの光の線の出し方とオススメの被写体を紹介していきます。 光芒と...

「大きなかたまりが群れをなし、層状または斑状、ロール状となっている雲で白色または灰色に見えることが多い。規則的に並んだ雲片は見かけ上5度以上の幅を持っている。」
引用:気象観測の手引き

積雲(せきうん)

青空にぷかぷかと浮かぶ積雲と草原広がる田舎の写真

遠くの海の上に広がる巨大で美しい乱層雲の写真

別名:わたぐも

積雲はもっとも一般的な雲で雲を想像するとまっさきにこの形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

高さ500〜2,000m程度に現れることが多く、もこもことした形をしています。

風などの影響で姿形をよく変えながら流れていきますが雲の底は平らであることが多いのも特徴の1つです。

動物の形に見えることもよくあるので見ていて楽しい雲です。わた雲がちぎれて小さくなると彩雲が見られることもよくあります。

中にはさらに成長して2,000mを超えて高さ10kmほどになる雲もありますが、雷を伴わないなどの特徴があります。

「垂直に発達した離ればなれの厚い雲で、その上面はドームの形に隆起しているが、底はほとんど水平である。この雲に光が射す場合は明暗の対照が強い。積雲はちぎれた形の雲片になっていることがある。」
引用:気象観測の手引き

層雲(そううん)

山のふもとに発生している層雲の写真
別名:霧雲(きりぐも)

層雲は雲の中でも一番低い位置に現れる雲で山間部に霧を発生させるため霧雲とも言われています。

地上付近から2000mほどの高さに現れますが条件が整うと山間部一面に雲の海が広がる「雲海」と呼ばれる神秘的な自然現象も見ることができます。

雲海については以下で詳しく紹介しています!

雲海の出る3つの条件と撮影ポイント!日本の絶景を全力で楽しもう!
オーロラやダイヤモンドダストなど稀にしか見ることができない自然現象の1つに「雲海」があります。 出会える条件も難しく運の要素も強いですが一生に一度は見たい絶景の1つです! 今回は山間に現れる雲の海「雲海」の発生条件と撮影ポイントをご紹介しま...

「灰色の一様な層の雲で霧に似ている。不規則にちぎれている場合もある。この雲を通して太陽が見えるときにはその輪郭がはっきりとわかる。」
引用:気象観測の手引き

積乱雲(せきらんうん)

壮大な積乱雲
別名:入道雲(にゅうどうぐも)、雷雲(かみなりぐも)

夏の風物詩でもある積乱雲は地上付近から上空16000mほどの高さにもなる巨大な雲で、しばしば大雨や雷、雹(ひょう)を降らせたりと注意が必要な雲です。

日本ではよく夏に見ることができるため日中の太陽と青空、自然豊かな景色に入道雲といった懐かしい風景を思い起こさせてくれる雲でもあります。

積乱雲が遠くに見えるときには圧倒される美しさがありますよね。
ちなみに、積乱雲は夏だけに発生しているわけではなく1年中発生しています。特に新潟県では11月~1月にかけて雷が増えて冬には大量の雪を降らせますが、これは陸側の冷たい空気が海側の暖かく湿った空気を押し上げて積乱雲をつくるためです。

「垂直に著しく発達している塊状の雲で、その雲頂は塔の形をして立ち上がっている。少なくとも雲頂の一部は輪郭がほつれるかまたは毛状の構造をしていて普通平たくなっていることが多い。この雲の底は非常に暗く、その下にちぎれた低い雲を伴い、普通電雷、強いしゅう雨、雹及び突風を伴うことが多い。」
引用:気象観測の手引き

珍しい雲18種類

雲は基本の10種類に分類されますがそこからできる珍しい雲をいくつかご紹介していきます。

日本ではあまり見られないものもありますが、こんな雲に出会えたら絶対に撮りたくなります!
もちろん日本でも見られる雲もあるのでぜひ条件のそろうときは撮影に挑戦してみましょう。

かなとこ雲

上空から撮影された巨大なかなとこ雲

かなとこ雲は、積乱雲の中でも上が平らで広がっている形をした雲で非常に強い勢力となっているときに見ることができます。

下から吹き上げる上昇気流で積乱雲がさらに大きくなろうとするときにある一定の高さ以上になれず横に広がり始めるためこのような形になります。

爆弾などによるキノコ雲と勘違いをされてたくさんの通報や問い合わせが発生したこともあるんだそうです。

スーパーセル

不気味な光を放っている超巨大積乱雲であるスーパーセルの写真

スーパーセルは大量の雹(ひょう)や時速150kmの風、数千数万の落雷、非常に激しい集中豪雨、強力な竜巻などを発生させる超巨大積乱雲です。

雲の形状や大きさから不気味な印象を強く与える雲です。

世界で最も発生する場所はアメリカ合衆国のグレートプレーンズ地域ですが2017年8月22日には日本の愛知県でも発生して大きな被害が出ました。

その時発生した落雷は6900回にもなったそうです。

スーパーセルの上空では珍しい雷が発生するかもしれない現象なので要チェックです。雷についてはこちらで詳しく紹介しています!

この世の終わり!?赤い雷や宇宙に向かう雷など珍しい雷8種類を写真付きで紹介
世界的に雷が発生することが多い地域は、アフリカ大陸、北・南アメリカ大陸、東南アジア地域の3地域です。 日本では毎年夏になるとカミナリがたくさん発生してたびたび停電などの被害がでますよね。 雷に種類なんてあるの?と思う人も多いと思いますが、真...

レンズ雲

上空に見えるいくつものレンズ雲の写真

山や山脈の上、もしくは近くに現れる凸レンズに似た不思議な形の雲です。

上空の風が強い日によく見ることができます。

複数のレンズ雲現れたり、場合によっては何枚かが重なることもあるおもしろい雲です。

笠雲(傘雲)

山の上に薄くかかっている笠雲の写真

レンズ雲が山の上にできたときには笠雲(傘雲)と呼ばれることもあります。

日本でも富士山などに大きい笠雲が現れることが稀にあり、笠雲を楽しむことができます。

吊るし雲

街の上空に広がる不気味な吊るし雲の写真
山の上から少し離れたところに現れるレンズ雲のことです。

「山岳波」と呼ばれる山に流れる特別な風によって山の近くにもレンズ雲が現れるようになります。

この山岳波は航空関係にはなかなか危険な風の流れのようで吊るし雲が現れてる時は注意しないといけないんだそうです。

頭巾雲、ベール雲

夕焼けに照らされて不気味でありながら美しい頭巾雲の写真
頭巾雲は雲の上に頭巾をかぶったような形の雲でレンズ雲に似たような形をしている雲です。

積雲や積乱雲の上に現れることがあります。

頭巾雲がさらに大きくなるとベール雲とも呼ばれるようになります。

乳房雲

ぼこぼこと不思議な形が一面に広がっている乳房雲の写真

乳房雲は様々な雲に現れますが特に積乱雲で見ることができる雲で大気の状態が不安定で乱流が起きてるときに見る事ができます。

こぶの様な形をしていますがこの雲が見えるときは大雨や雷、雹、竜巻などが起きる可能性があり注意が必要な雲でもあります。

穴あき雲

穴あき雲の写真

穴あき雲は名前の通り雲の中にぽっかりと穴が空いている雲です。

水は0℃以下になると氷になることは皆さんご存知だと思いますが、ゆっくりと均一に冷やされると0℃以下になっても凍らないことがあります。(過冷却水と同じ原理です)

そんな状態で飛行機などが通って衝撃が与えられると一気に凍って地面に落下していって穴あき雲ができます。

日本ではあまり見られませんがアメリカやロシアなどではよく見ることができる一般的な現象です。

漏斗雲

竜巻とともに発生する漏斗のような形の漏斗雲の写真

竜巻に伴って発生する雲で細長い形をしている珍しい雲です。

竜巻が発生すると必ず起きるわけではなくある程度力が弱くないと漏斗雲が発生しないようで写真に撮られることも滅多にない珍しい雲です。

アーチ雲

海外の草原で撮影されたアーチ雲の写真

分厚い積乱雲などの雲の底の部分に見ることができる雲で、非常に大きく街が飲み込まれてしまうような印象を与える不気味な雲です。

ロール雲、棚雲とも呼ばれることもあります。

大雨や突風、雷などの荒れた天候になることが多く、スーパーセルと一緒に見られることもあります。

2018年の夏に新潟で観測されましたが日本でも極稀に見ることができます。

真珠母雲

真珠のように輝いている真珠母雲の写真

真珠母雲は冬の北極や南極といった高緯度地域で見ることができる色鮮やかな雲です。

色彩が真珠母貝(アコヤガイ)の内側に似ていることからこの名前がついています。

オゾン層のある高さ20〜30kmと非常に高い位置にある雲で、オゾン層の破壊に深く関係しているとのことで研究対象にもなっています。

虹のように光の屈折で色が変わっているわけではなく、空気中の成分が異なるために色がついているようです。

夜光雲

遠くの上空に光り輝く夜光雲の写真

夜光雲は高さ80,000m(80km)付近と非常に高い位置に現れる雲で日が昇る前か沈んだ後でも太陽に照らされて夜でも光って見える雲のことです。

夏の南半球か北半球の高緯度地域でよく見ることができる現象で日本では2015年6月21日に初めて北海道で観測されました。

また、西日本では打ち上げられたロケットによってできた雲がオーロラのような美しい夜光雲となって観測されたこともあります。

波状雲

青い空に広がっている波状雲の写真

波状雲は名前の通り波打ったように見える雲で様々な種類の雲で現れる比較的出会いやすい雲です。

水面に波が立つのとおなじように空気が波打って流れると現れてきます。

特徴的な形で地震雲として紹介されてしまうこともありますが地震との関係は証明されていないようです。

形によっては波状雲の中でも名前をつけて区別しているものもあります。

アスペラトゥス波状雲

不気味なアスペラトゥス波状雲の写真
波状雲の1種で2009年に認定されたばかりの新しい雲です。

アスペラトゥスには「荒々しい、荒れ狂った」と言った意味があるように大気が非常に不安定なときに見られると考えられています。

しかし、真の原因については解明されていないなんとも不思議で魅力的な雲です。

ケルビン・ヘルムホルツ不安定性雲

郊外で撮影されたケルビン・ヘルムホルツ不安定性雲の写真
この雲も波状雲の1種です。
流体力学の「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性」という層の不安定さを表す言葉から名付けられています。

いくつもの打ち寄せる波を横から見たような形をしていて、大気が不安定なときに見ることができます。

モーニング・グローリー

地平線まで伸びている上空から撮影された1本のモーニング・グローリーの写真

モーニング・グローリーは巨大回転雲や巨大ロール雲とも呼ばれるロール状の大きな雲です。

長さはなんと1000kmにもなることがあるようです。

世界で一番よく見ることができるのはオーストラリア連邦北東部クイーンズランド州のバークタウンと言われています。

アメリカやヨーロッパの一部、ロシアなどでも見ることができます。日本でも佐渡市から見えたことがありますが120kmほど離れた場所だったようです。

雲海

雲海と山頂から雲海を見下ろしている男性の写真

雲海は山間部などに現れる雲の海です。

標高の高い山頂や飛行機などから条件が揃うと見ることができる雲で秋や春の明け方によく見ることができます。

日本全国で見ることができるので人生で一度は見て撮りたい非常に美しい現象です。
雲海の出る3つの条件と撮影ポイント!日本の絶景を全力で楽しもう!
オーロラやダイヤモンドダストなど稀にしか見ることができない自然現象の1つに「雲海」があります。 出会える条件も難しく運の要素も強いですが一生に一度は見たい絶景の1つです! 今回は山間に現れる雲の海「雲海」の発生条件と撮影ポイントをご紹介しま...

滝雲

山から滝のように雲が流れ落ちている滝雲の写真
滝雲は山頂を超えて山の麓に向かって雲が流れ落ちながら消えていく神秘的な現象です。

日本でも新潟の枝折峠でよく見ることができます。

見るためには3つの条件が必要で雲海よりも珍しい現象です。

①雲海が出ていること
②雲を流すくらいの風が吹いていること
③大気が安定していること

人工的な雲

ここからは人工物によって発生する雲を少し紹介します。

飛行機雲

望遠レンズで撮影された飛行機雲の写真

小さい子に人気の飛行機雲は飛行機やジェット機のエンジン排気に含まれる水分が雲となる現象です。

長時間消えずに残ることもあるもっとも一般的な人工的な雲です。

ベイパーコーン

戦闘機に発生しているベイパーコーンの写真

ベイパーコーンは湿度が高く気圧が高い場所で音速(秒速340m、マッハ1)近くになると円錐の形の雲ができる現象です。

最近の戦闘機はマッハ2(秒速680m)をゆうに超えるため条件が揃えばベイパーコーンが現れる可能性があります。

ちなみに宇宙に行くためのスペースシャトルはマッハ25(秒速8300m)にもなります。

地震雲は存在する?

結論から言うと地震雲はありません。(珍しい雲と地震の関係は証明されていません。)

最近はあまり拡散されることもなくなってきていると思いますが、今回紹介してきた珍しい雲や彩雲などの珍しい現象と地震を関連付けて「地震雲」だとし、『地震雲が出たから近いうちに大地震が来る』などのデマが拡散されたこともあります。

SNSなどで拡散されてしまうとデマだとわかるまでの時間で買い占めなどの混乱を招いてしまう可能性があるので、意図的でなかったとしても地震雲に関する発信は注意する必要があります。

まとめ

普段はあまり目に止めない雲もこのように見てみると不思議な形、不気味な雰囲気など魅力的な被写体になることに気がつくのではないでしょうか。

雲は数分しか見られないものもあるので一瞬を切り取るカメラと相性バッチリです!
ぜひ珍しい雲を探してみてください!

コメント

  1. 境笑花 より:

    ベレー帽みたいな形の雲が2段重ねで
    夕方見ました
    かなり綺麗なモコモコでした

  2. シヤマ より:

    コメントは削除してもいいですが、積雲の高度についてちゃんと調べたほうがいいですよ。
    それと積乱雲の写真も積雲です。専門外なのはわかりますが恥をかくのはあなたです。みっともない。

    • かめろうくんかめろうくん より:

      コメントありがとうございます。早速記事を修正いたしました。
      また何かお気づきの点がありましたらコメントいただければと思います。
      今後ともよろしくお願い致します。

    • シヤマを祟る より:

      何様だてめえは。
      いつか後悔することになるからな、覚えとけよ。

  3. より:

    中層雲の高積雲が、高層雲になってます!

    • かめろうくんかめろうくん より:

      コメントありがとうございます!誤字修正しました。

  4. より:

    ロール雲だと思ったら層積雲だった

  5. ccc1011 より:

    層積雲のところのくもりがくうもりになってます。

    • かめろうくんかめろうくん より:

      ご連絡ありがとうございます!修正いたしました。また何かお気づきの点がありましたらご連絡いただけますと幸いです。