冬に見られる美しい自然現象20選!人生で一度は見たい絶景を写真付きで紹介

巨大なアイスモンスター被写体を知ろう
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冬に見られる不思議な自然現象には様々なものがありますが、今回は日本でも見られる珍しい現象を中心に20個、複数の写真付きで紹介していきます。

写真が複数あるものはスライドショーになっているので切り替えてみていただければと思います。

フロストフラワー

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フロストフラワーとは、湖面に張った氷の上に空気中の水蒸気が付着して氷の結晶となる自然現象です。 水面から立ち上った湯気が空気中で急激に冷やされ、氷上に落ちることで大きな霜の結晶になります。
外気の冷え込みに合わせて手のひらサイズの氷の結晶になり、湖面に広がる無数の白い花が咲いたような景色を楽しむことができます。
こちらのフロストフラワーを見るにはたくさんの条件が揃う必要があります。
  • 気温マイナス15℃以下であること
  • 無風であること
  • 湖に氷が貼っている必要がある
  • 氷上に雪が積もっていないこと
急激に水蒸気を冷やされないといけず、風が強いと舞ってしまいうまく発生しません。また、当然湖に氷が張っている必要があり、その氷上に雪が積もっていないことも重要なポイントです。
これらすべての条件に加えて気温の上がる日中には見ることができないため、綺麗な景色を見るためには早朝である必要があるため、この景色を見ることはかなり難しいです。
これらの条件を満たしやすく観察ポイントとして有名なのが北海道の阿寒湖です。太平洋側気候のため放射冷却でとても冷え込みが強いうえに、カルデラに位置しているおかげで周囲の山にさえぎられ風も吹きづらく、フロストフラワーが発生するには絶好のポイントです。

植物から生まれるフロストフラワー

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茎からにじみ出る水分が凍結し様々な形をつくるフロストフラワーもあります。
気温が氷点下以下になると植物の茎を流れる水が氷ると膨張して茎が縦に裂けてしまい、その割れ目から植物の中の水分が毛細管現象でゆっくりと滲みだしていきます。
この滲み出した水分が凍り、前にある氷をさらに外側に押し出します。これを繰り返すことで様々な不思議な形ができあがります。
花のような見た目になることもありますが、時にはリボンだったり動物の毛のようになることもあるため、「アイスリボン」「フロストフェイス」など様々な別名もついています。
火にあたってしまうとすぐに溶けてしまうので、朝一や日陰でないとあまり見ることができない不思議な現象です。
ちなみに、冬に土が盛り上がる「霜柱」もこれと同じような理由でつくられています。

ダイヤモンドダスト(細氷)

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ダイヤモンドダストは細氷(さいひょう)とも呼ばれ、氷点下まで下がった気温により空気中の水分が凍結し氷の粒が降る自然現象です。
大気中に無数に舞う0.1mmほどの氷の粒が太陽や月などの光に反射してキラキラと光り、神秘的な光景を作り出します。あまりの美しさに「天使の囁き」と呼ばれることもあります。
ダイヤモンドダストを見られる条件には以下のようなことがあります。
  • 気温マイナス10度以下
  • 無風であること(1㎞先も肉眼で見えるほど空気が澄んでいること)
  • 湿度が高いこと
  • 天気が良いこと
気温が低いことはもちろん、風が吹かず空気が澄み切っている必要があり、さらに湿度が低いと発生しないため観察することが難しいとされています。発生したところに遭遇したとしても短時間で小さくなってしまうこともあるため、写真に収めることはかなり難しいです。
ダイヤモンドダストは氷の結晶が均一で一定方向を向いていることも多く、太陽や月の光に反射して虹色に光ったりする不思議な現象を起こすことも少なくありません。これらの不思議な現象については以下の記事で詳しく紹介しています。
https://camerapocket.com/sun_light/

ジュエリーアイス

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ジュエリーアイスとは十勝川を覆いつくす氷が太平洋に流れ出し、河口の大津海岸に打ち上げられる氷の塊で透明度が高く太陽の光を受け美しく輝くためこの名がついています。川の水だからこその透明度と、波で角が削られた宝石のような丸い形、太陽に当たると宝石のように輝き美しいことからジュエリーアイスと呼ばれています。
大きな氷の塊が層になってできる流氷とにていますが、白い流氷と比べ、塩分を含んでいないため透明である点が流氷とジュエリーアイスの違いです。
1月中旬~2月下旬頃までの豊頃町大津(北海道)にある十勝川河口付近の砂浜で見ることができます。日本ではここ以外では見ることができない珍しい自然現象ですが似たような氷はいくつかの場所で確認されています。
ジュエリーアイスに似た綺麗な氷が確認された場所:
  • 釧路市大楽毛の海岸の阿寒川河口付近
  • 日高管内の様似郡様似町で太平洋に注ぐ海辺川河口近くにある親子岩ふれ愛ビーチ
  • 根室管内の標津郡標津町を流れる標津川河口付近のオホーツク海岸

流氷(りゅうひょう)

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流氷は海に浮かんで漂流している氷のことで、大きさは1kmを超えることもあります。日本近海ではオホーツク海で見ることができますが、実は北海道は流氷がみられる世界で最も緯度が低い(赤道に近い)地域なんです。
北海道沿岸から流氷が初めて確認できる「流氷初日」は例年1月中旬~1月下旬頃で、その後1月下旬~2月上旬にかけて接岸します(それ以降も遠目で見ることはできます)。風向きによっては釧路市まで接岸することもあります。
その後春が近づいてくると見られる流氷の範囲が少なくなり5割程度になると船も通ることができるようになります。
クリオネ

クリオネ

流氷には海の栄養源である植物プランクトンが付いているので、それを求めてクリオネをはじめ様々な生き物が集まってくるのでオホーツク海の漁業を豊かにします。

また、流氷に乗ってアザラシやキタキツネなどの生き物もシベリアから北海道にやってくるので、流氷の上を散策したり、流氷の下をスキューバダイビングも行われています。
ちなみに、どこかに流れ着いて、漂流しなくなった氷のことは「定着氷」と言い流氷とは分けられています。

蓮葉氷(はすはごおり)

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見ずに浮かんでいる氷の中でも薄くて脆い氷同士がぶつかり合うと縁が厚くなって、水に浮かぶ蓮の葉のような氷になります。これを蓮葉氷と呼びます。
海だけでなく川、湖などでも見られます。地域にもよりますが、日本では寒さが厳しくなってくる1月や2月頃時期によく見ることが出来ます。

氷柱(つらら)

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滴る水が外気に冷やされて凍結し、徐々に成長した美しい自然現象です。ちょうど鍾乳洞の鍾乳石がつくられるのに似ています。
寒冷地では気温の上昇や太陽光によって屋根の雪が溶けて、屋根から流れ落ちるときにまた凍結するので屋根の端でよく見ることができます。
埼玉県秩父では水を散水することで人工的に氷柱を育ててライトアップもしています。
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滝が凍り付いてしまうほど氷柱の規模が大きくなると、次に紹介する氷瀑になります。

氷瀑(ひょうばく)

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別名アイスフォール(icefall)とも呼ばれる滝が凍り付いてできた大きな氷柱のことです。

日本でも寒冷地では氷瀑を見ることができライトアップされるなど観光地としても有名になっています。日本でみられる主な氷瀑観光スポットは以下のような場所があります。

  •  層雲峡【北海道・上川町】
  • 奥入瀬渓流【青森県・十和田市】
  • 七滝【岩手県・八幡平市】
  • 玉簾の滝【山形県・酒田市】
  • 達沢不動滝(福島県・猪苗代町)
  • 袋田の滝【茨城県・大子町】
  • 払沢の滝【東京都・檜原村】
  • 善五郎の滝・三本滝【長野県・松本市】
  • 平湯大滝【岐阜県・高山市】
  • 湧水広場の氷瀑【愛知県・豊田市】
  • 古閑の滝【熊本県・阿蘇市】

氷筍(ひょうじゅん)

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氷筍は洞窟で発生する逆さの(地面から延びる)氷柱です。天井から滴った水滴が地面や氷にぶつかった瞬間に凍るのでタケノコ(筍)のように成長することから氷筍という名前が付いています。
-3℃程度ででき始めるため比較的発生条件が簡単なため、毎年のように楽しむことが出来ます。水が天井から滴っている場所それぞれに発生するため、洞窟内には数百~数千もの数の氷筍が発生することもあり、鍾乳洞と同じかそれ以上の幻想的な景色を楽しむことが出来ます。

霧氷(むひょう)

アイスモンスター
霧氷は零度以下の環境で植物などに氷が張り付く着氷現象の一つで成長の仕方(見た目)から樹氷、粗氷、樹霜の3つに分けられています。
平地よりも山地でのほうが条件が揃いやすいので、冬山ではよく見ることができる美しい自然現象です。
特に樹氷は蔵王のスノーモンスターが一躍有名になったため観光スポットとしても人気です。

樹氷(じゅひょう)

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樹木や枝などに水滴や水蒸気がくっついて凍結する現象の中で、凍結した氷が白くて脆いものです。
条件が整うとどんどん成長していくので、大きくなると樹木全体を覆うくらい大きくなります。全身を覆われた樹木は「スノーモンスター」「アイスモンスター」とも呼ばれ、たくさん並んでいる姿は非常に迫力があり壮大な景色を見せてくれます。

よく見られる条件

  • 気温:-5℃以下
  • 風:弱い
※風が強いと風上側が成長します

粗氷(そひょう)

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植物や樹木などに水滴や水蒸気が触れて凍結したものの中で、樹氷とは異なり半透明のものをいいます。(樹氷は真っ白)
樹氷よりも硬いですが、手で触るとすぐに崩れるほどには脆さで、気泡がたくさん含まれるので透明にはならずに半透明になります。
ちなみに、霧氷とはまた別の雨氷はキレイな透明な見た目をしています。

よく見られる条件

  • 気温:-10~-2℃程度(-10~−4 ℃以下がベスト、-10℃未満だとできにくい)
  • 風速が毎秒20メートル以上

樹霜(じゅそう)

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空気中の水蒸気が樹木などにくっついて凍結した氷の中で、木の枝のような形や針のような形をしているものを樹霜と言います。
その他にも板の形や柱の形、丸い形なども中にはあり、氷の結晶の不思議な形を楽しむことができます。
樹氷と見分けがつきにくいこともありますが、大抵は濃い霧が出ていたら「樹氷」、濃い霧が出ていなかったら「樹霜」と考えるようです。

雨氷(うひょう)

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霧氷は霧(水滴)や水蒸気が樹木などに付着して凍結することを表していることに対して、雨氷は0℃以下でも凍っていない過冷却状態の雨が樹木や地面にぶつかることで凍結する現象です。霧氷では白や半透明となりますが、雨氷の場合は透明な氷となるので、近くで見ると不思議で素敵な景色を楽しむことができます。
雨氷は固く手で触ったくらいでは崩れず、重みがあるので枝が折れ曲がってしまうこともあります。また、雨氷により美しい景観がつくられているときには、地面も凍っているため転倒などの事故が起きやすい状況となっているので注意しましょう。

見られる条件が非常に限られているため、雨や雪、霧氷よりも珍しい自然現象です。もしも見られたらラッキーなので転倒に注意してしっかりと写真に納めるようにしましょう!

見られる条件

  • 気温:-数℃~0℃
  • 逆転層が発生している
雨氷の発生条件

雨氷の発生条件
Photograph by Pekachu

過冷却とは?

霧や雲をつくる水滴の大きさは3~数百μm程度の大きさですが、この程度の大きさでは-20℃程度まで、雨粒は大きさ数百μm~数mmで、このサイズでは-4℃程度まで凍らずに液体のまま存在することができるとされています。

氷霧(こおりぎり・ひょうむ)

明け方の霧氷

Photograph by Dburhoe

氷霧は液体の水でできている霧とは異なり、氷でできている霧のことです。普通に見られそうと思うかもしれませんが、発生する気温が非常に低いので日本では滅多に見られない不思議な現象です。
霧をつくる水滴は非常に小さいため-20℃程度でも凍らずに空気中を漂っています。その水滴が植物などにあたって初めて凍るので、そこで樹氷などがつくられます。
一方で-20℃よりもさらに気温が低くなると、何かにぶつからなくても空気中で凍結し氷になるので、ここで初めて氷霧を見ることができるようになります。
氷の粒となっているのでもしも太陽が出ていると霧とは異なり、太陽光が反射して輝いて見えるので、幻想的な世界を楽しむことができます。
ちなみに、ダイヤモンドダストは氷が降る現象(降水)のため「雪」に分類されますが、氷霧は降るのではなく浮遊している状態なので「霧」に分類されます。

見やすい条件

・気温:-20℃以下など非常に気温が低い場合

雪まくり

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雪まくりは風などにより斜面にある雪がまくられてロール状に丸まる、自然が生み出す雪だるまです。中心が空洞になったり、大きさが60cmを超えたり、横幅が1mを超えるものなど様々な形をつくります。
雪まくりができる条件が揃うことはあまりないため。見られたらラッキーな珍しい自然現象です。

見られる条件

  • 雪の下に乾いた氷の層があって雪が張り付かない
  • 転がりやすい斜面
  • 風が雪をめくる程度に強く、吹き飛ばさない程度に弱い

氷紋(ひょうもん)

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氷紋は水面の張った氷の上に積もった雪が氷の隙間から染み出た水によって溶けて描かれる模様です。
渦巻き状や放射状、同心円状など様々な模様を描きます。湖や池、ダムなど比較的水面が穏やかな場所でよく見ることができますが、毎年必ず見られるというものでもなく、数年に1度しか見られないこともあります。

シュカブラ(雪紋、風紋、風雪紋)

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シュカブラは風によって積もった雪が削られてできる紋様で雪紋(せつもん)、風紋(ふうもん)、風雪紋(ふうせつもん)などとも呼ばれます。風が強く吹く雪山で見ることができ、同じ模様は二度と見ることができない自然がつくる芸術です。
風が強すぎると紋様ができることなく雪を吹き飛ばしてしまうので、山頂付近ではあまり見ることが出来ないとされています。また、急斜面でもできにくいため傾斜の緩やかな風が程よく強い場所で見ることが出来ます。

アイスバブル

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凍った湖でみられる現象で、湖底から湧き出るガスが湖の中に閉じ込められることで現れます。このガスは火山ガスや枯葉などが未生物などによって分解することで発生するガスです。
アイスバブルを見るには湖の透明度が高く、湖底からガスが出てきて、さらに湖が完全凍結する必要があります。さらに降雪量が多いと隠れてしまうので見ることが出来る機会はあまり多くない幻想的な自然現象です。
日本では北海道の糠平湖でよく見られますが、その他にも阿寒湖や摩周湖などでも見ることが出来ます。

オーロラ

アイスモンスターとオーロラ
日本では滅多に見ることができないオーロラも冬に楽しむことができる自然現象の一つです。実は土星や火星などにも発生している不思議なオーロラは人生で見たい絶景の一つですね。
オーロラの見られる場所や時間帯、オーロラの種類などについては以下の記事で詳しく紹介しています。
https://camerapocket.com/aurora/

御神渡り

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御神渡りは湖全体が凍結した時に一部の氷がせり上がり筋ができる現象です。せり上がった氷の高さは30cm~180cmにもなります。
氷がせり上がるときには湖から重低音が響き渡る不思議で魅力的な現象で、亀裂の入り方から1年間の天候や農作物の豊作・凶作が占われる神事にもなっています。
長野県の諏訪湖が有名で、1980年代が 7回,1990年代が 2回,2000年代は2003,2004,2006,2008年の 4回発生しています。毎年みられる現象ではないので、見られたときは観光客も賑わいます。
また、長野以外では北海道の屈斜路湖や摩周湖などでも確認されていて、屈斜路湖の御神渡りは全長10kmにもなる世界最大規模とも言われています。

まとめ

冬は雪をはじめ様々な自然現象が起きますが、今回はその中でも特に見応えがあるものや、あまり見られない現象を中心に紹介しました。

滅多に見られない現象が身近に起きていた時に気付ければ思い出深い写真が撮れること間違いなし!他の珍しい現象も紹介しているのでぜひ見てみてください!

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