カメラのセンサーCMOSとCCDの違いとは?それぞれのメリットとデメリットを紹介

一眼レフのイメージセンサーカメラ
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今回はカメラの眼であるイメージセンサーの技術について紹介していきます。

技術は日々進化しているのでひと昔前の常識が変わってきます。

知っていてもカメラ選びや写真の上達にはあまり繋がらないので豆知識やカメラの仕様でなんだろ?と思った方はぜひ確認してみてください!

イメージセンサとは?

イメージセンサーは光を電気信号に変換して写真をデータに残すカメラの眼とも言える非常に重要な部品です。

○○万画素!と画素数が多いほどすごい、と思う人も多いと思いますがこの画素がなんなのか改めて確認していきましょう。

画素はピクセルとも言いますが光を電気信号に変える部品で、この目に見えないくらい小さな部品が何万と集まってイメージセンサーができています。

イメージセンサーのサイズについてはこちらで詳しく紹介していますので参考にしてみてください。

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今回はこのイメージセンサーが電気信号に変換する方法の違いや構造の違いを簡単に紹介していきます。

CMOSイメージセンサとは?

1画素の受光部と仕切りと回路のイメージ図

CMOSイメージセンサーは1つ1つの画素に信号を増幅させる回路がついている構造になっています。

少し前まではCCDよりも安価な反面性能が劣るということから高級機種にはCCDが採用されていましたが、近年ではCMOSセンサーの技術も進んでおり、「裏面照射型CMOS」というCCDをも上回る性能も出せるようになってきました。

現在発売しているCanonやNikonの最高級プロフェッショナルモデルに使われているイメージセンサーもCOMSが使われています。

COMSのメリット

画素1つ1つに電気信号の増幅器がついているので信号読み出しの電気ノイズを低減できたり、CCD特有のノイズで写真に縦線などが入ってしまう「スミア」や「ブルーミング」も発生しません。

素子が小さいので消費電力が少なくバッテリー持ちがよくなるというメリットだけでなく、生産も簡単で大量生産できるので価格も安いという特長があります。

COMSのデメリット

暗い場所での撮影時に不安定になりやすくノイズが起きやすいというデメリットがあります。

また、信号を増幅させる回路が画素ごとに付いていますが、特性が若干異なることから特定のノイズが現れてしまいます。

この特定のノイズは対策回路を設けることである程度除去することができます。

CMOSセンサーは構造上、イメージセンサーの上から下方向に順番に信号を取り出して行くので速く動くものを撮影した時に歪んでしまう「ローリングシャッター現象」が起きてしまいます。

読み込み速度を上げれば改善することができます。

近年、特定ノイズ除去回路と読み込み速度の向上が著しくCCDを上回る性能のCMOSセンサーが出てきています。

裏面照射型CMOSセンサー(BSI-CMOS)とは?

従来のCMOSセンサーは光を受け取る素子の上に配線などが配置されていたので光を邪魔していました。

新しい技術の裏面照射型CMOSセンサーは順番を入れ替えて受光素子の下側に配線などを置いたため光をたくさん受け取ることができるようになりました。

結果としてCMOSセンサーのメリットは残しつつ約2倍の感度を実現することができるようになったため、暗い時にもより強くノイズの少ない写真を撮ることができます。

CCDイメージセンサとは?

CCDイメージセンサーは光を電気信号に変えたあとすぐにバケツリレーのように写真にするための回路に生の信号を送っていって、最終的に集まった信号から一枚の写真にするという構造になっています。

CMOSセンサーのように1つ1つに増幅器などを持っていないので高速読み出しができるなど様々なメリットがあります。

携帯電話の普及などの影響で2004年ごろからCMOSに出荷台数が抜かれており、現在のカメラではほとんど採用されていません。

CCDのメリット

CCDではほぼ同時にイメージセンサー全体の信号を読み取れるため高速で動く被写体を撮影しても「ローリングシャッター現象」と言われる独特の歪みが起きません

また、画素1つ1つに信号を増幅させる回路などを持っていないため、電気的なノイズも発生せず高感度で非常に品質の高い写真に仕上げることができます。

CCDのデメリット

製造が難しくコストがかかってしまうため、どうしても高価になってしまいます。

また、素子がCMOSと比べて大きくなるため消費電力が大きくなってしまい撮影枚数上限も少なくなります。

また、構造上強い光をセンサーが受けると部分的に白飛びしてしまう「スミア」や「ブルーミング」といったノイズが現れることがあります。

CMOSとCCDの違い

サイコロの○×

CMOSもCCDもどちらもいいところはありますが、近年では新しい技術の登場もありコスト的にも性能的にも裏面照射型CMOSセンサー(BSI-CMOS)が優れてきています。

スマホのカメラ性能向上もあり、今後さらなる技術の進化が期待できるセンサーですね。

今回ご紹介したそれぞれのメリット、デメリットを表にまとめたのでおさらいしていきましょう。

種類
CMOS
BSI-CMOS
CCD
感度
コスト
ノイズ
消費電力
歪み
※◎:非常に良い、◯:良い、△:いまいち

まとめ

現在のカメラのほとんどはCMOSセンサーを採用しているので、カメラを選ぶ時にどちらかを選ぶということも悩まなくてよくなってきています。

ただ、カメラの仕様を見ていてCMOSってなんだろ?と思った方はこんな違いがあるのということがわかれば自信を持って選べると思います。

ぜひ豆知識として持ってもらえればと思います!

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