普段から月を意識的にみている人はあまり多くないと思いますが、満月や三日月などふとした瞬間に月を見る機会はあると思います。
月が関係する自然現象には、月食や日食など様々な自然現象がありますが、そこまで有名ではない少し地味な自然現象である地球照について、ご紹介していきます。
地球照(ちきゅうしょう)とは?
太陽の光を受けて明るくなった地球の光が月の暗くなっている部分を照らしているので、本来真っ暗な部分を見ることができるようになっているのです。
街中ではあまり感じませんが、キャンプなど真っ暗な場所では満月もとっても明るく感じるものですが、地球と月の明るさを比べてみましょう。
地球は月の70倍明るい!?
月は岩だけなので光が反射しにくく、7%程度ですが、地球は雲や雪など真っ白で光を反射しやすいので約37%です。
アルベドの差だけでも地球は月の約5倍の明るさです。さらに、表面積が地球は月よりも約13.5倍あるので満地球は満月の約70倍もの明るさがあるので、地球照も起きるくらいの明るさがあるんです。
星 | アルベド | 表面積 |
地球 | 7% | 3800万km2 |
月 | 37% | 5億1010万km2 |
地球照はいつ見られる?
地球照は比較的観測しやすい現象ですが、いつ頃見やすいのか時期や条件などを紹介していきます。
新月の前後3日頃
地球照はぼんやりとした淡い光なので、太陽光が月に当たっている部分が少ない新月の前後3日間の三日月になるタイミングで特に見やすくなります。
ただし、新月のタイミングでも太陽が隠れて星空も確認できるくらい暗くなる「皆既日食」のときだけは月全面の地球照を見ることができます。
季節は冬が一番狙い目
また、冬は月が地平線に対して高い位置に出やすくなるため、山やビルなどに遮られずによく見ることができます。
地球照は肉眼でも見える?
新月の前後3日を過ぎても見られないことはないですが、太陽光の当たる月の面積が増えてしまうだけでなく、地球からの照り返しも弱くなってしまうため徐々に見づらくなってしまいます。
地球照の撮り方
スマートフォンでも撮影できないことはありませんが、標準カメラだけでは非常に厳しいので、高倍率のスマホ用望遠レンズを使うのがおすすめです。
月を撮影するときよりも明るめに
月の撮影方法はこちらで紹介していますが、これは太陽光が当たっている部分をきれいに写すための方法なので地球照を写すときはさらに明るく撮る必要があります。
太陽光の当たっている部分は確実に白とびしてしまうため、明るい部分と暗い部分の両方をしっかりと写すことはできません。
両方を適切な明るさで撮りたい場合にはHDRなど、合成する必要がありますが、それでは満月を撮るのとあまり差がないのであまり意味がなくなってしまいます。
高倍率レンズで撮ろう
月以外の光をレンズに入れずに撮影できるので、淡い光の地球照でもくっきりと写すことができます。
また、コントラストも弱めることができるので高倍率の望遠レンズを使うのがおすすめです。
半月のときのポイント
ただ、一眼レフやミラーレスであれば望遠レンズを使って、明るく撮ることで輪郭等を確認することができます。
望遠レンズもシャッタースピードを上げずに明るく撮影できる機材も必要になるので、スマホ等での撮影は難しいので注意しましょう。
まとめ
地球照は、新月の前後3日程度が特に見やすくなるので、新月のタイミングをしっかりと事前に確認するようにしましょう。
1年中みることができますが、冬が特に見やすいので観察や撮影は暖かい格好で見ましょう。
地球照を撮るときは月を撮影するときよりも明るめの設定で撮るようにしましょう。
月に関する現象は、地球照以外にも皆既月食やブルームーンなどがあります。珍しい現象もこちら↓で紹介しているのでぜひ確認してみてください!
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