イメージセンサーとは?
イメージセンサーは受けた光を電気信号に変換するカメラの「眼」とも言える非常に重要な部品です。
センサーサイズが大きくなればなるほどセンサーが受ける光の量が増えるためより良い撮影ができるなど様々なメリットがありますが、その分金額も高くなります。
小型化を求められるスマートフォンでは高画質な写真が求められる一方でイメージセンサーを小さくしなければならないというジレンマがあるため、各社がしのぎを削ってより綺麗な撮影をするため努力を行っています。(近年はスマホの大型化も進んでいますが・・・)
スマートフォンのカメラの進化により一眼レフやミラーレス一眼は苦しい状況にある中で、スマートフォンに使用されているイメージセンサーのサイズにどのような違いがあるのか紹介していきます。
イメージセンサーのサイズ

イメージセンサーのサイズには様々な規格がありますが、スマートフォンに広く使われているサイズは1/2.3型(インチ)が主流と言われています。
しかし、最近では超広角~望遠までカバーできるように複数のカメラを備えたり、画質にこだわったりしているスマホも増えているため、1/3型~1/1.7型よりも幅広いサイズのイメージセンサーが使われるようになっています。
例えば、iPhon16 Proの広角カメラは1/1.3型(計算値)、望遠カメラは1/3.19(計算値)と小さいサイズと大きいサイズが採用されています。理由は後ほど紹介します。
その他の主要なスマホ(ハイエンドモデル多め)のセンサーサイズは以下の通りです。
センサーサイズ | ||||||
機種 | iPhone16 | iPhone16 Pro | AQUOS R9 pro | Google Pixel 9 Pro | Xperia 1 VI | Galaxy S25 Ultra |
広角 | 1/1.59型(計算値) | 1/1.3型 (計算値) | 1/0.98型 | 1/1.31型 | 1/1.35型 | 1/1.3型 |
超広角 | 1/2.55型 (計算値) | 1/2.55型 (計算値) | 1/2.5型 | 1/2.55型 | ? | 1/2.5型 |
望遠 | 1/3.19型(計算値) | 1/1.56型 | 1/2.55型 | ? | 1/3.52型 |

サイズが大きくなるにつれて面積が大きくなり、受けられる光の量が多くなるためセンサーサイズが大きいほど綺麗な写真が撮れます。しかし、価格も上がってしまうため一眼レフカメラはスマホと同じくらいか中には100万円を超える商品もあります。
面積だけを比較すると1/2.3型と35mmフルサイズで約30倍もの差があるため値段が大きく変わるのも納得できるかもしれないですね。
イメージセンサーについて詳しくは以下のページで紹介しています。
大きさが変わるとどのような違いがあるのか?

それではセンサーサイズが変わると撮れる写真にどのような違いが出てくるのか紹介していきます。
実際の写真は今回紹介する内容以外にも画像の処理方法やAIによる補正などによってパッと見の仕上がりへの影響はわかりにくい部分もありますが、基礎体力的な部分に影響すると思ってみてもらえればと思います。
暗い場所でも綺麗に撮れる

センサーサイズが大きいと受ける光の量を増やすことができるため、暗い場所をより鮮明に写すことができるようになります。
スマホの編集機能を使って明るく調整することが出来ますが、センサーサイズが小さいカメラで撮った写真ほどノイズの量が増えるため写真の仕上がりは悪くなってしまいます。

また、暗い場所での撮影では手振れでうまく撮れなかったという経験をした人も多いと思いますが、これは光をたくさん取り込むためにシャッタースピードを遅くしているためです。
センサーサイズが大きければシャッタースピードを速く(センサーが光を受ける時間を短く)することができるため手振れを抑えることができます。

画角が変わる

画角は写真に写せる範囲のことで、画角が広いと広い範囲を映すことができますが遠くのものがより小さく映るため遠くにあるように見えます。画角が狭いと一部を映すことになりますが遠くにあるものもを大きく写すことができます。
レンズによって画角が変わりますが実はレンズだけでなくイメージセンサーのサイズによっても画角は変わります。イメージセンサーが大きいほど画角が広くなり、サイズが小さくなるほど画角が狭くなります。
そのため、スマホのセンサーサイズを見ると望遠カメラのセンサーサイズを小さくしている機種が比較的多いことが分かります。
では超広角やAQUOS R9 proの望遠カメラのセンサーサイズがなぜ大きいかというと、レンズで画角を変えているためです。スマホユーザーが最もよく使う標準的な広角カメラを最も高画質で撮れるようセンサーサイズを大きくしつつ、AQUOS R9 proでは望遠レンズでも画質の良い写真が撮れるようにこだわられていることがよくわかります。

センサーサイズ | |||
機種 | iPhone16 Pro | Galaxy S25 Ultra | AQUOS R9 pro |
広角 | 1/1.3型 (計算値) | 1/1.3型 | 1/0.98型 |
超広角 | 1/2.55型 (計算値) | 1/2.5型 | 1/2.5型 |
望遠 | 1/3.19型(計算値) | 1/3.52型 |
1/1.56型 |
ぼけ具合が変わる

センサーサイズが大きくなるとピントの合う範囲が狭くなるため(被写界深度が浅くなると表現します)ぼけやすくなり、綺麗に表現することができます。
ただし、これは一眼レフやミラーレスの話しで、残念ながらスマホ搭載のカメラでぼけを表現することは難しいのが現実です。
スマホはセンサーサイズによるぼけやすさの恩恵を受けることはできないため、AIによる補正でぼけを表現するように進化しています。
画素数(解像度、メガピクセル)とセンサーサイズの関係

センサーサイズが大きいと暗い場所でも綺麗に撮れるなどのメリットがあることはわかったと思いますが、撮影された写真のきめ細かさ(どこまで拡大してもキレイなままなのか)はセンサーサイズだけでは判断することができません。
そこに特に関係するのがよく「5030万画素」や「48MP(メガピクセル)」と表現されている画素数です。
イメージセンサーのサイズとは切っても切れない関係ですが、また奥が深い要素になっているので、これはまた別の機会に詳しく紹介したいと思います。
画質を決めるうえで重要なポイント(要素)全体は以下の記事で紹介しています。

画質は画素数だけでは決まらない!?画質を決める要素とイメージセンサーの関係
画質が良いかを画素数で判断する方は多いと思いますが、実は画素数が多いからと言って画質の良い、と必ずしもそうなるわけではあ...
まとめ
イメージセンサーは受けた光を電気信号に変換するカメラの「眼」と言える重要な部品です。
センサーサイズが大きいほど値段が上がりますが、暗いところでもノイズを少なく手振れも抑えて綺麗に撮れたり、広い範囲を映すことが出来ます。
iPhone Xなど一昔前のスマホでは1/2.3型のイメージセンサーが使われることが主流でしたが、最近ではスマホでもより高画質で綺麗な写真を撮れるように1/1.7型や1型など2倍近いサイズのセンサーが採用され始めています。
使っている人が多いiPhoneシリーズもProでは非常に大きいセンサーが使用されていますが、SHARP製のAQUOS R9 proでは1/0.98型と非常に大きいセンサーが使用されているため暗いところでも抜群のカメラ性能を発揮します。
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