一眼レフのような写真が撮れる高性能カメラ搭載のスマホを紹介!スマホの2眼3眼のメリットとは?

Leicaとコラボした2眼レンズ搭載のスマホスマートフォン
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近年スマホのカメラはガラケー時代からは考えられないほど性能もどんどんすごくなってきていて一眼レフで撮った写真と間違えるほどになってきています。

スマホに搭載されているカメラはレンズ交換ができなかったり、カメラの眼ともいえるイメージセンサーが小さかったりと様々な制限がある中で、欠点を軽減するために複数のカメラがついているものも出てきました。

そこで、カメラ多いとどのようなメリットがあるのか、どのような写真が撮れるようになるのかなどを紹介していきます。

複眼カメラとは?

カメラと言えばもちろんレンズが1つですが、近年のスマホではカメラが2つや3つ、多いものでは5つのカメラがついている機種も出てきています。

そのような複数のカメラがついているタイプのものを「複眼カメラ」と呼びます。

たくさんカメラがついていることで1つのカメラでは撮影の難しかった被写体や条件でもキレイに撮影ができるようになってきました。

カメラが増えることで見た目的には「気持ち悪い」「ダサい」などの意見も出てきていますが機能、性能は各段に良くなってきています。

今までのスマホカメラの制限と欠点

スマートフォンは最近では大きくなっているものも増えていますが、基本的には薄くてコンパクトで必要があります。そのため、カメラで一番重要な光を電気信号に変えるイメージセンサーのサイズが大きくできず暗い場所での撮影が苦手になります。

また、遠くを写すためには望遠レンズのように焦点距離を長くする必要がありますが、非常に薄いスマホでは焦点距離を長くすることができないので遠くにあるものを写すときには画質の悪くなる電子ズームがメインになっていました。

このような欠点を補うために複数のカメラをつけるようになりましたが、様々なメリットがあるので紹介していきます。
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複眼カメラの性能とメリット

スマホで夕焼けと海を撮影している写真

それでは複眼カメラに使われているカメラの性能の違いや、どのようなメリットがあるのか紹介していきます。

焦点距離・画角の幅が広くなる

焦点距離が長ければ長いほど、望遠になるので遠くにあるものを大きく写すことができ、逆に短いほど広い範囲を写せる広角レンズになります。

写せる範囲(画角)は焦点距離とイメージセンサーサイズで決まりますが、例えばiPhone8では焦点距離約4mm、画角70°と広角レンズが採用されいています。

・人間の視野は約120°
・意識的に焦点が合っているのは約50°

1つしかないカメラに望遠レンズを採用してしまうと広角で撮りたいときに対応できなくなってしまうため基本的にスマートフォンでは広角レンズが採用されています。

後程紹介しますが、多くのスマホは高倍率の光学ズームには対応していないのでズームで撮影するのも限界があります。

そこで、複数のカメラを持っているスマホであれば望遠で撮りたいときには望遠レンズのカメラ、広角で撮りたいときには広角レンズのカメラを使い分けることで画質を下げることなく様々な画角で撮影を楽し無ことができるようになります。

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絞り・被写界深度の違いによるボケ表現

スマホで自撮りしている女性

ボケやすさは「絞り」「被写体との距離」「イメージセンサーサイズ(焦点距離)」の3つの要素で決まります。

絞りが絞られる(F値が大きい)ほど、焦点距離が短くセンサーサイズが小さいほどボケにくくなるので、スマホのカメラは非常にボケにくいという特長があります。

そこで片方のレンズでしっかりとピントを合わせた写真を撮って、もう片方ではピントを合わせずボケさせた写真を撮ります。

2つのカメラで同時に撮影した2枚の写真を合成させることで一眼レフのような背景のボケた写真をつくりだすことができます。

ただし、合成になるので細かい部分は意図せずボケてしまったり、手前をボケさせる前ボケがうまく表現できなかったりなど、まだまだ一部の撮り方では一眼レフと差がある部分です。

ボケを楽しむ撮影を本格的に撮りたいときにはまだまだ一眼レフやミラーレスでの撮影がおすすめです。

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合成技術による高画質・高画素を実現

イメージセンサーのサイズが小さいスマホのカメラでは画素数が限られたり、暗い場所での撮影ではノイズが多くなり画質が悪くなってしまいます。

複数のカメラがついているスマホでは最新の合成技術で焦点距離や絞りの異なるカメラで撮影された写真を合成させることでより高画素、高画質な撮影を実現できるようになってきています。

スマホカメラで暗い場所で画質を落とさず撮影するためには絞り値の低いレンズを使用する必要がありますが、絞り値が低くなるとボケやすくなるため、鮮明さが失われてしまいます。

そこで暗い場所では絞り値の低いカメラを使って、明るい場所では絞り値が高く暗いカメラを使うことでより鮮明できれいな写真に仕上げることができます。

一眼レフやミラーレスについているレンズは絞り値を変えることができますが、今までのスマホカメラに採用されているレンズは絞り値を変更できません。

そのため、2つ以上のカメラを使うことで状況に合わせた写真撮影と合成技術を組み合わせてさらにきれいな写真が撮れるようになってきています。

さらに進化するスマホカメラ

デュアルレンズを採用したiPhone

近年のカメラの進化はカメラの数が増えるだけではありません。

さらにきれいな写真が撮れるように様々な工夫がされているので少し紹介していきます。

高倍率光学ズーム

写真を拡大して撮影する方法は「光学ズーム」「電子ズーム」の2つがあります。

光学ズームはレンズの位置を変えて焦点距離を変える方法で画質の劣化がほとんどなくズームできます。

対して、電子ズームは撮影された写真を拡大するのと同じように拡大するほど画質が劣化してしまいます。

スマホカメラの多くは電子ズームが採用されていため望遠の撮影が不得意でした。最近では光学ズームが採用されているものも増えてきていますが倍率2~3倍など、あまり高倍率ではありません。

しかし、最近ではプリズムを使用することで高倍率光学ズームを実現する「ペリスコープ(潜望遠)」機構が登場しました。

ペリスコープを使うことで5~10倍にも対応できるようになるようです。

他にも、高画素で撮影して切り取ることで画質をあまり落とさずに望遠できる機能なども登場しています。

手ブレ補正

最近のスマホでは手ブレ補正機能がついている機種も出てきておりシャッタースピードが遅くなる薄暗い場所での撮影でもきれいに撮れるようになってきています。

手ブレ補正には「光学式」「電子式」の2種類があります。

詳しくはこちらの記事で紹介してきますが、光学式手ブレ補正は光学ズームと同じようにレンズの位置を手ブレに合わせて動かすことで打ち消すことができるので画質の劣化もほとんどありません。

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薄暗い場所でもきれいに撮影を行いたいときには光学式手ブレ補正がついているスマホを選ぶのがおすすめです。

高性能カメラ搭載のスマホ

ここまでの説明で2眼(デュアルレンズ)や3眼(トリプルレンズ)を採用しているスマホが増えてきている理由が何となくでもわかってもらえたと思います。

それでは、具体的に2019年7月現在、発売しているスマホの中でも高性能カメラを搭載しているカメラをいくつか紹介していきます。

iPhone Xs/Xs Max

言わずと知れたスマートフォンの最新機種iPhone XS/XS Maxは非常に優れたカメラを搭載しています。

スマートHDRでは逆光のような暗い場所と明るい場所どちらも繊細に表現することができます。また、F値1.4~16相当で被写界深度を変え背景のボケ具合を変えながら撮影することもできます。

iPhone Xからさらに進化した精巧なボケエフェクトでポートレート撮影もより自由に表現することができるようになっています。

手ブレ補正にも対応しており暗い場所での撮影もキレイに写し込みます。

機種
iPhone XS
iPhone XS Max
画素数
1200万画素
1200万画素
広角レンズ
26mm(80°)、F1.8
26mm(80°)、F1.8
望遠レンズ
57mm(45°)、F2.4
57mm(45°)、F2.4
光学ズーム
2倍
2倍
電子ズーム
最大10倍
最大10倍
手ブレ補正
デュアル光学式
デュアル光学式
さらに性能アップしたiPhone15が登場してます!!

Huawei P30 Pro

Huaweiはいち早くデュアルレンズを採用しており、スマホカメラの高性能化に早くから取り組んでいます。

高性能カメラを搭載したP20 Pro, P30Proでは一眼レフ界の老舗超高級メーカーの「Leica」とコラボレーションしており、最大4000万画素と一眼レフ並みの画素数を実現しています。

P30 Proでは超広角、広角、望遠のトリプルレンズを採用しており、暗い場所や明暗の差が激しい逆光などのコントラストの強い場所でもスマホとは思えないほど写真に仕上げます。

P20 Proからさらに進化したセンサーでボケ具合などもさらに繊細に表現することができるようになりました。

機種P30 ProP20 Pro
広角レンズ2000万画素、16mm、F2.24000万画素、27mm、F1.8
広角レンズ4000万画素、27mm、F1.62000万画素、27mm、F1.6
望遠レンズ
800万画素、125mm、F3.4800万画素、80mm、F2.4
光学ズーム
5倍
3倍
電子ズーム
最大10倍
最大10倍
手ブレ補正
光学式、AI式
デュアル光学式
さらに性能アップしたHuawei P50 Pro登場してます!!

まとめ

SNSの普及もあって近年のスマートフォンのカメラ性能はとてつもないスピードで進化していっています。

今後もさらに進化していくと思いますので個人的には寂しいですが一眼レフやミラーレス、コンデジも一部はスマホカメラに置き換わっていくことになると思います。

もちろん、スマホではまだまだ撮れない魅力的な被写体や撮影方法もありますが、普段使いのカメラはスマホで十分!となってくると思います。

普段の撮影はスマホで十分と思っている方もカメラの性能が優れているカメラを選んで、写真撮影の楽しさを改めて味わってみてはいかがでしょうか!

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