iPhone 16シリーズで追加された新機能とは?iPhone 12以降どのような進化を遂げてきたのか解説

スマートフォン
この記事は約16分で読めます。
iPhoneシリーズでは新機種が出るたびに新しい機能がどんどん追加されているため、旧機種から乗り換えるときに最新機種にすべきか迷うこともあると思います。
そこで、iPhone 16シリーズで追加された機能だけでなく、進化を遂げてきたiPhone 13/14/15シリーズで追加された機能も紹介していきたいと思います。
スタンダードモデルを中心に比較しているため、2世代前のProシリーズにのみある機能は1世代前のスタンダード機種の新機能として紹介していきます。
iPhone 16シリーズ同士の比較は以下の記事で詳しく行っています。

iPhone 16シリーズから追加された主な新機能

2024年9月20日に発売されたiPhone 16ですが、旧機種の機能や性能を踏襲しつつ新しい機能が追加され、より便利により様々なことが出来るようになったので、主な追加機能について紹介していきます。
iPhone 16シリーズはiPhone 16eも追加され全5機種になりましたが、2025年2月28日に発売されたiPhone 16eは廉価版のため、紹介する機能の中には対応していないものもあります。iPhone 16eで対応していない機能は項目の横に「※」をしておきます。

アクションボタンの追加

アクションボタン
旧機種では画面の左側面には着信/消音スイッチが付いていて、画面を開くことなくマナーモードのON/OFFを切り替えることができました。iPhone 16から標準搭載されたアクションボタンは着信/消音スイッチに代わる機能となっていて、着信/消音以外の機能も設定することができるのでより自由度が高くなりました。
設定できる機能には以下があります。(iOS1.8の場合)
旧機種と同様に消音のON/OFFもできますし、普段消音のON/OFFを使わない人は別のアクションを素早く実行できるので非常に便利です。
長押しで動作するので間違って起動・実行してしまうというリスクも減らせますし、ショートカット機能を使うことで様々な動作を実行することもできます。
ちなみに、iPhone 15には搭載されていませんが、iPhone 15 Pro/Pro Maxには搭載されています。
機種 アクションボタン
iPhone 16シリーズ
iPhone 15 Pro/Pro Max
iPhone 15 ×
iPhone 14 Pro/Max以前 ×

Apple Intelligenceに対応

Apple Intelligenceは、2025年4月から配信のiOS 18.4でついに日本語に対応したAppleが提供する最新AI技術です。
Microsoftが提供するCopilot、Googleが提供するGeminiと同じようなAIプラットフォームで似た機能を持っていて、様々なことができます。
主な機能としては、Siriの機能やサポート能力の強化、メール内容の要約や振り分け、写真の検索機能強化やスライドショーの自動生成、Webサイトの要約、画像生成、作文、音声データの文字起こしなどなど様々な使い方が可能になります。
Apple Intelligenceの優れた点として、ChatGPTとの連携が優れているということが挙げられます。ChatGPT用のアカウントも持たなくてもSiriから利用することが可能となっています。
また、iPhone標準装備のアプリと連携することができるため、連携作業の煩雑さなどがまったくなく使いたいと思ったときにすぐ使えるという点もいいポイントです。
こちらの機能はiPhone 15 Pro/Pro Maxにも対応することになります。
機種 Apple Intelligence
iPhone 16シリーズ
iPhone 15 Pro/Pro Max
5iPhone 15 ×
iPhone 14 Pro/Max以前 ×

ビジュアルインテリジェンスに対応

ビジュアルインテリジェンスはカメラとAI機能を組み合わせて、周囲の場所やものを素早く知ることができたり、テキストの翻訳や要約、読み上げなどを行うことができる機能です。
Googleアプリで無料で誰でも使うことができるGoogleレンズと同じような機能がiPhoneにも標準搭載されるような形になります。
できることは大きくは変わりませんが、カメラに写したお店の情報を出してくれる、写した外国語をリアルタイムで翻訳してくれる、写した動物や植物の情報を提示してくれるなど知りたい情報を素早く得ることができます。
Googleレンズで十分という人もいるかもしれませんが、iPhone標準搭載となることでよりアクセスしやすくなり、ChatGPTとの連携も図れるようになります。
機種 ビジュアルインテリジェンス
iPhone 16シリーズ
iPhone 15 Pro/Pro Max ×
5iPhone 15 ×
iPhone 14 Pro/Max以前 ×

A18チップの搭載

CPUの性能は年々向上しているため、iPhone 16になってからA18という最新のCPUが採用されています。
CPUの性能はベンチマークソフトによって数値化することができ、数値が大きいほど高性能と評価することができます。
GeekbenchというベンチマークソフトでiPhoneの性能を評価した結果は以下のような数値となっていて、新しくなるほど処理能力が高いという結果になっています。
機種 CUPコア スコア
iPhone 16 Pro/Pro Max A18 Pro 約8500
iPhone 16/16 Plus A18 約8200
iPhone 15 Pro/Pro Max A17 Pro 約7150
5iPhone 15/15 Plus A16 約6300
iPhone 14 Pro/Max A16 約6700

※カメラコントロールの追加

カメラコントロールはiPhoneの右側の下部についているカメラ機能をより便利に素早く操作するためのボタンです。
カメラコントロールを押すとカメラモードに素早く移行することができます。カメラ起動中に短く押すと写真を撮影し、長押しすることでビデオ撮影ができるので、アクションボタンにカメラモードを設定する必要がなくなります。
また、横向きでの撮影ではデジカメで撮るのと同じように右手の人差し指で撮影が可能になります。
さらに半押しでAF/AEロックが可能になったり、2回クリックしてからスライドさせることで露出(明るさ)やズーム倍率、ボケ具合など様々な項目をスムーズに変更することができます。
機種 アクションボタン
iPhone 16 Pro/Pro Max
iPhone 16/16 Plus
iPhone 16e ×
iPhone 15 Pro/Max以前 ×

※MagSafeの充電性能向上

MagSafe
MagSafeはiPhone 12シリーズから搭載された磁気技術で、背面内蔵されたマグネットで充電器やスタンド、ハンドクリップなどを簡単に取り付けることが可能になります。
iPhone 16eを除く、iPhone 16シリーズは30W以上の充電アダプタを使うことで最大25Wのワイヤレス充電に対応しています。そのため、バッテリー性能は年々上がっていますが、それでも約30分で最大50%の充電をが可能になっています。
iPhone 15以前は最大でも15W(20W以上の充電アダプタ使用)となっているため充電性能としては劣ります。また、iPhone 16eはMagSafeがなく充電能力も旧機種と比べても低くなっています。
機種 MagSafe 最大電力
iPhone 16 Pro/Pro Max 25W
iPhone 16/16 Plus 25W
iPhone 16e × 7.5W
iPhone 12~15 Pro/Max以前 15W
MagSafeの急速充電対応は純正品を推奨します。粗悪品だと発熱異常や充電速度の問題が起こる可能性があります。純正品の購入はAmaozonが安くておすすめです。
Amazon.co.jp: Apple MagSafe充電器(1 m) ​​​​​​​ : 家電&カメラ
Amazon.co.jp: Apple MagSafe充電器(1 m) ​​​​​​​ : 家電&カメラ
急速充電を行うためには電源も急速充電に対応した商品を使う必要があるので注意しましょう。

※マクロ撮影に対応

写真はAQUOS R9 proで撮影した超広角マクロ

iPhone 16eを除くiPhone 16シリーズでは超広角レンズで被写体を至近距離から撮影することができるマクロ撮影に対応しています。マクロ撮影では小さいものをより大きく写すことができるため、花や水滴などを一味違った素敵な写真に収めることができます。
マクロ撮影についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
機種 マクロ撮影
iPhone 16 Pro/Pro Max
iPhone 16/16 Plus
iPhone 16e ×
iPhone 13~15のProシリーズ
上記以外 ×

※画面の明るさの範囲向上

iPhone 16eを除くiPhone 16シリーズでは、暗い場所で眩しくなり過ぎないようにくらい明るさに抑えることもできるようになっています。
目にはあまりよくありませんが、暗い場所でも操作することがある場合には最小輝度が小さくすることで周りの人に迷惑をかけにくくなります。
逆に明るい場所でも見やすいように最大(ピーク)輝度が上がっているため、様々な場所で見やすくなっています。
機種 最小輝度 最大輝度*
iPhone 16 Pro/Pro Max 1 2000
iPhone 16/16 Plus 1 2000
iPhone 16e 1200
iPhone 14 Pro/15/15 Pro 2000
iPhone 14以前 1200

輝度の単位:ニト(明るさを表す単位の一つ)
*:部分的な明るさも含める

※背面カメラの縦配置による3D撮影の対応

apple vision pro
2024年6月28日にApple社から日本でも発売されたゴーグル型デバイス「Apple Vision Pro」では、あたかも日常の空間に映像がが溶け込んでいるかのような、まさに映画やドラマのような経験ができると言われています。
このApple Vision Proでは奥行き感のある3D立体映像(空間映像)の撮影と動画再生を楽しむことができます。
iPhone 16eを除くiPhone 16シリーズからは2つのカメラの位置が対角線ではなく上下になったため、Apple Vision Proで楽しむことができる3D空間映像を撮影することができるようになりました。
機種 空間映像撮影
iPhone 16 Pro/Pro Max
iPhone 16/16 Plus
iPhone 16e ×
iPhone 15 Pro/Max以前 ×

※Wi-Fi 7をサポート

iPhone 16eを除くiPhone 16シリーズでは、2024年に規格がリリースされたばかりのWi-Fi 7に対応しているため、従来よりも通信速度が速くなり安定性も良い環境で通信できるようになりました。(ただしルーターまたはアクセスポイントもWi-Fi 7に対応している必要があります。)
Wi-Fi 6(6E)と比べて理論値では最大で約3.7倍もの速さになると言われています。その他にもマルチリンク対応や、最大帯域幅が2倍になる、干渉波の影響を最小限に抑えるなど様々な改善がされています。
まだまだ浸透するには時間がかかりますが、家で快適な通信ライフを行う上では重要な要素の一つかもしれません。
機種 Wi-Fi 7
iPhone 16 Pro/Pro Max
iPhone 16/16 Plus
iPhone 16e ×
iPhone 15 Pro/Max以前 ×

iPhone 15シリーズから追加された主な新機能

2023年9月22日に発売されたiPhone 15でも従来の機種と比べると大きな進化を遂げています。
便利になった機能を中心に主な変更点について紹介していきます。

充電端子がUSB-Cに変更

iPhoneの充電端子は長いことiPhone専用のLightningが採用されてきており、2012年9月21日に発売されたiPhone 5からiPhone 14までと10年以上の歴史があります。
iPhone 15ではその歴史に終止符を打ち、ついにUSB type-Cが充電端子に採用されました。
USBの端子形状にはtype-A、B、microB、Cなど様々ですが、近年その利便性から多くの電子機器にtype-Cが採用されているため、充電器の使いまわしができるようになりました。
機種 充電端子
iPhone 16シリーズ USB type-C
iPhone 15シリーズ USB type-C
iPhone 14シリーズ以前 Lightning

ダイナミックアイランド機能の追加

ダイナミックアイランド(dynamic island)は、iPhoneのインカメラが付いている画面上部のパンチホールに設けられた表示機能です。
音楽の再生状況やボイスメモの録音状況、地図アプリの案内、着信状況など対応したアプリの動作状況をシンプルに表示することが出来ます。
また、同時に2つのアプリを表示させることができる他、表示されている部分をタッチすることで素早くアクセス・操作することが可能となる便利な機能です。
機種 dynamic island
iPhone 16 Pro/Pro Max
iPhone 16/16 Plus
iPhone 16e ×
iPhone 15シリーズ
iPhone 14 Pro/Pro Max
iPhone 14以前 ×

カメラ性能の向上

iPhone 15シリーズからカメラ性能が大きく向上しています。
メインカメラの性能は以下のように変わっています。iPhone 14 ProはiPhone 15シリーズと同等の性能ですが、スタンダードな機種と比べると性能が大きく向上しています。
機種 画素数 光学ズーム
iPhone 16シリーズ 4800万画素 2倍対応
iPhone 15シリーズ 4800万画素 2倍対応
iPhone 14 Pro/Pro Max 4800万画素 2倍対応
iPhone 7~14 1200万画素 1倍

4800万画素の撮影に対応

メインカメラの画素数が4800万画素(48MP[メガピクセル])に対応しました。
従来の機種の1200万画素のカメラと比べて4倍になったため、より細かく綺麗な写真、映像を残すことが出来るようになっています。
画素数が上がると細かい表現ができるようになりますが、画質の良いキレイな写真が撮れるかはイメージセンサーのサイズが非常に重要です。以下の記事でスマホのイメージセンサーについて詳しく解説しています。

光学ズーム倍率の向上

iPhone 14では光学ズームが1倍まででしたが、iPhone 15からは2倍に対応したため、遠くにあるものを拡大して撮影しても画質の劣化が抑えられるようになりました。
Proシリーズではメインカメラとは別に望遠レンズが付いているため、3倍や5倍など高倍率光学ズームも搭載されています。

iPhone 14シリーズから追加された主な新機能

iPhone 15/16の進化を見ると大きな変更点はあまりありませんが、iPhone 14以降から新機能として追加された主な機能を紹介していきます。

衝突事故検出

衝突事故検出
iPhone 14シリーズ以降のiPhoneに搭載されている機能で、乗用車が絡むような激しい衝突事故を検知するシステムです。
事故が検知されると警告音と共に画面に警告が表示され、スライドするだけで緊急電話ができる画面に自動で遷移します。その後、検知してから20秒間反応がない(キャンセルできない)状態が続くと、自動的に緊急通報サービスにつないでくれます。
あらかじめ設定で自動通報をOFFにすることもできますが、万が一があった場合にはiPhoneが命を救ってくれるかもしれません。

撮影関係の機能向上

iPhone 14シリーズではカメラ自体の性能ではなく、機能面で新しい機能が追加されているため簡単に紹介していきます。

Photonic Engine

Deep Fusionという複数の画像を合成して高品質の写真をつくる技術は以前からありましたが、iPhone 14から新たにPhotonic Engineという機能が追加されました。
Deep Fusionの合成は処理後(圧縮後)の画像を合成していましたが、これを生データ(RAW)に近いデータを用いて合成することでさらに高品質な写真に仕上げることができるようになっています。
特に薄暗い屋内での撮影や夜に外で撮影する場面などで有効とされています。

ビデオ撮影のアクションモード

撮影しながら動いても手ぶれを抑えた映像にすることができるアクションモードが追加されています。

iPhone 13シリーズから追加された主な新機能

iPhone 13もiPhone 15/16の進化を見ると大きな変更点はあまりありませんが、撮影関係で新機能が追加されているため主な機能を紹介していきます。

手振れ補正方式の変更

iPhone 12では光学式手ぶれ補正という方式となっていて、レンズを動かしたりすることで補正していました。
iPhone 12 Pro Max含めて、iPhone 13からはイメージセンサーを動かして補正するセンサーシフト方式に変更されているためより高精度な手ぶれ補正が可能となりました。

フォトグラフスタイルの追加

撮影前にあらかじめフォトグラフスタイルを設定しておくことで、色調や明るさを自分好みの写真に仕上げることが出来るようになります。
標準のカメラだと単調で鮮やかさやコントラストが物足りないと感じる人もフォトグラフスタイルを使うことで写真撮影におもしろみを足すことができるようになります。
写真の色味に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

シネマティックモードも追加

スマホのカメラはボケを表現することが非常に苦手なため、AIによる補正でボケを追加する必要があります。その機能を映像にも取り入れることで映画のように背景をボケさせた映像を撮ることができるようになりました。
補正をかけてボケさせているため、iPhone 13時点では細部の粗が目立ちましたが、iPhone 16になりより精密で違和感の少ない映像を撮影できるようになっています。
スマホのカメラでボケを表現できない理由は以下の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

iPhone 12から最新のiPhone 16シリーズまでを比較し、1世代前と比べたときにどのような機能が追加されているかを紹介しました。
iPhone 15とiPhone 16では日常生活でも影響の大きい充電方式が変わるなど様々な機能が追加・変更されています。
一方でiPhone 12~14を比べると大きなiPhone 15/16と比べると普段使う上での大きな変更はあまりありません。また、iPhone 16eは廉価版ということもiPhone 15/16にある機能が削られているなど差別化が図られています。
このことから、個人的にはiPhone 16かiPhone 16 Proがおすすめで、もしiPhone 16eにしようか旧機種にしようか迷っている場合、バッテリー性能を重視するならiPhone 16e、価格を重視するならiPhone 12や13でも問題ないと思います。

コメント