手ぶれ補正の効果と補正方式をご紹介!暗い場所でもISO感度を上げずに撮影しよう!

一眼レフカメラのCGのような絵画のような写真カメラ
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薄暗い室内や夜中の撮影ではシャッタースピードが遅くなってしまい手ブレしやすくなってしまいますよね。

自由に設定を変えられる一眼レフやミラーレスだからこそ、あえてシャッタースピードを遅くして撮影する場面もたくさんあると思います。

過信は禁物ですが手ぶれ補正を使えば気軽にシャッタースピードを遅くした撮影ができるようになります。

今回は、手ぶれ補正の種類と効果をご紹介していきます。

手ぶれ補正とは?

手ぶれ補正は名前の通り、デジタルカメラやビデオカメラの手ブレによる写真、映像の乱れを軽減させる機能のことです。

使った場合でも画質を劣化させることがほとんどないため手持ち撮影の場合には積極的に使いたい機能の一つです。

ただし、三脚などに固定して撮影する場合には手ぶれ補正をONにしていると誤動作して乱れる場合があるので注意しましょう。また、被写体ブレには効果がありません。
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手ぶれ補正の効果

手ぶれ補正を使うとどのくらい効果があるのかご紹介していきます。

カメラやレンズの性能、持ち方によっても効果は変わってきますが使わないよりも圧倒的に手ぶれに強くなります。

手ブレしないシャッタースピードの条件

手ぶれ補正の効果を伝える前に普通に撮影したときに手ぶれしてしまう条件を紹介していきます。

手ぶれはシャッタースピードと焦点距離によって決まります。

手ブレの起きないシャッタースピードは1/35mm換算の焦点距離より速くする必要があると言われています。

表に手ぶれしない目安となるシャッタースピードをまとめました。
APS-Cの焦点距離
フルサイズの焦点距離
シャッタースピード
20mm
30mm
1/30
40mm
60mm
1/60
65mm
100mm
1/100
200mm
300mm
1/300
※APS-C:イメージセンサーのサイズで、フルサイズの2/3程度の大きさです
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手ぶれ補正を使ったときの条件

手ぶれ補正機能を使うことで一般的にシャッタースピードにして2〜3段分の効果があると言われています。

シャッタースピードの1段は倍/半分を表しています。例えば、1/100秒から1段速くすると1/50秒、2段速くすると1/25秒になります。
手ぶれ補正を使ったときの手ブレしない目安のシャッタースピードをまとめました。
APS-Cの焦点距離
フルサイズの焦点距離
シャッタースピード
(2段補正)
シャッタースピード
(3段補正)
シャッタースピード
(5段補正)
20mm
30mm
1/8
1/4
1
40mm
60mm
1/15
1/8
1/2
65mm
100mm
1/30
1/15
1/4
200mm
300mm
1/80
1/40
1/10
オリンパスのE-M5 Mark Ⅱ は5軸手ぶれ補正により5段階もの手ブレ補正を可能にしています。

レンズや機種によっても異なりますが、手ぶれ補正機能を使うことによって望遠レンズや絞った状態、暗い場所での撮影も手持ちで気軽に楽しめるようになります。

手ぶれ補正の種類

各メーカーより様々な方式で手ぶれ補正が行われています。

手ぶれ補正にはいくつか種類があり、各カメラ、レンズメーカーはあらゆる工夫をして、より手ブレ補正の効果を高めています。

光学式と電子式

手ぶれ補正には大きく分けて光学式と電子式の2種類があります。

それぞれどのように補正しているか、どのような特長があるか説明していきます。

光学式手ぶれ補正

光学式は、レンズやイメージセンサーを手ブレに合わせて移動させることで手ブレを打ち消す方式のことです。

主に静止画を撮影するデジタルカメラに採用されていて電子式に比べて画質の劣化が少ないメリットがある方式です。いくつか種類があるのでそれぞれについてさらに詳しくは後述しています。

基本的にほとんどの一眼レフやミラーレスでは光学式が採用されています。

電子式手ぶれ補正

電子式はデジタル式とも呼ばれ、撮影時に自動で編集(レタッチ)して手ブレを小さく軽減しているように見せる方法です。

レタッチでの補正となるため光学式に比べてノイズが強く出たりと画質の劣化が大きくなりやすいというデメリットがあります。

一眼レフやミラーレスの中には光学式と電子式を組み合わせてより強力な手ぶれ補正を行なっている機種も出ています。

ちなみにビデオカメラの手ぶれ補正は電子式が採用されていて、一つ前の写真と比較して補正をかけています。

光学式の手ぶれ補正の種類

一眼レフやミラーレスといったデジタルカメラでよく使われる光学式手ぶれ補正の種類を紹介します。

レンズシフト方式

レンズシフト方式は名前の通りレンズが動くことによって手ブレを抑える方式です。

レンズの内部にジャイロ機構(動いた方向と逆方向に動いて乱れないようにする機構)が入っていて上下、左右へのぶれを補正することができます。

レンズごとに形や特性は異なりますがそれぞれのレンズに最適な補正をかけることができるので強力な補正効果が期待できます。

ただし、レンズが重く大きくなってしまうこと、回転方向の補正ができないという欠点があります。

手ぶれ補正機能の付いているレンズのほとんどはこの方式が使われていて、ON/OFFスイッチがついています。

イメージセンサーシフト方式

イメージセンサー方式はジャイロ機構を使ってカメラ内部のイメージセンサーを手ぶれに合わせて移動させることで手ぶれを抑える方式です。

レンズシフト機能のないレンズでも手ブレ補正をかけることができるので比較的安いレンズでもシャッタースピードを遅くして画質の良い写真を撮ることができます。

イメージセンサーを動かすことができるのでレンズシフトではできなかった回転方向も加えた上下、左右の手ブレ補正に対応することができます。さらに、イメージセンサーを回転させることで水平を保ったり微妙に振動させて埃を取り除いたりする機能のついているカメラもあります。

ただし、それぞれのレンズごとに合わせた最適な補正がベストなので、イメージセンサーだけの補正では不十分で補正しきれないこともあります。また、使用できるレンズの焦点距離を限定している場合もあります。

ペンタックスやオリンパス、ニコンなど各メーカーの一部の機種に搭載されています。

レンズユニットスイング方式

現在ではあまり採用されていませんが、レンズからイメージセンサーまで全体をブレにくくする方式です。手ぶれに対して補正をするというよりはそもそもブレにくくするという方式です。

シンプルに設計できるためノイズ等の増加とは一切関係ありませんが、大型化や消費電力増加等の問題から現在ではあまり使われなくなってきています。

レンズシフト・イメージセンサーシフト併用式

オリンパスのE-M5 Mark Ⅱのように極一部のカメラではレンズとイメージセンサーの両方で手ぶれを補正することができます。非常に強力な手ぶれ補正で5段分のシャッタースピードを遅くできるとうたっています。

一部のレンズと組み合わせることで世界初最大6段分にも対応できるようです。

まとめ

カメラやレンズを買うときはどのような手ぶれ補正なのか予め確認しておくと後悔しないレンズ選びができると思います。

特にレンズは手ぶれ補正機能がついていないものもあるため気をつけましょう。

シャッタースピードが遅くなる撮影が多い方はうまく活用して手ブレのない写真を撮りましょう!

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