望遠レンズの魅力とは?種類と効果とオススメ6選!望遠レンズを楽しもう

強大な望遠レンズを抱えた男性レンズ・アクセサリ
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初めてカメラを買った時に標準レンズと望遠レンズがセットになっているダブルレンズキットで買った人も多いのではないでしょうか。

ぼくも初めて買った時は55-200mmの望遠レンズもついてくるセットを買いました!

今回は、望遠レンズを使ってない人や持ってない人に改めて望遠レンズの効果や魅力を紹介していきます。

また、望遠レンズを持っていない人や、持っていても最初に買った望遠レンズでは満足できなくなった人に向けてオススメのレンズを紹介していきます。

望遠レンズとは?

望遠レンズは標準のレンズに比べて焦点距離が長く、遠くにあるものを大きく写すことができるレンズです。

標準レンズや広角レンズには現れない(目立たない)望遠レンズならでは効果もあります。その効果を取り入れることで被写体を目立たせたり、ユニークな写真を撮ったりすることができます。

焦点距離が長いため、大きく重くなり携帯性が悪くなることが多いです。また、一般的に望遠になればなるほど光を取り込める量が減るのでF値が大きくなることが多いです。

望遠レンズの種類

望遠レンズは焦点距離の長いもの全般のことを言いますがもう少し細かく見てみるとさらに分類分けされています。

利便性や特徴を紹介していきます。

望遠ズームレンズ

望遠レンズの中でも焦点距離を変えられるタイプのものです。変えられる焦点距離の幅が広いものでは60mm〜600mmまで変えられるものもあります。

焦点距離が400mmや500mmを超えるようなものはかなり大型になるので持ち運びも難しくなり、カメラの固定に必要な三脚も耐荷重性の優れたものを使う必要があります。

画角の調整ができるので撮りやすい反面、大きく重たいレンズが多く絞り値も大きく暗いレンズが多いです。

望遠単焦点レンズ

望遠レンズの中でも焦点距離が固定になっているレンズのことです。固定になっている分、F値を小さくできるので明るいレンズが多くなります。

ただし、焦点距離が400mmを超える超望遠レンズでF値がF2.8やF4.0と明るいレンズは100万円を超えるような高価なものがほとんどです。

中には200万円近くするビックリなレンズもあります。

望遠マクロレンズ

望遠マクロレンズはマクロ撮影できる望遠レンズです。マクロ撮影できる焦点距離が限られているものがほとんどで、単焦点レンズになるか、ズーム側でスイッチを切り替えることでマクロ撮影できるようにするレンズになります。

最大撮影倍率か1/2倍など小さいものでも大きく写すことができますが、望遠撮影もマクロ撮影もぶれやすい撮影なので望遠マクロ撮影は非常にぶれやすいです。

シャッタースピードを確保できない時には三脚とレリーズを使ってブレさせないようにしましょう。

ミラーレンズ

ミラーレンズは他の望遠レンズとは全く構造の違うレンズでコンパクトでありながら焦点距離を長くすることができるレンズです。

最短撮影距離が短く色収差と言われる画質の劣化が少ないというメリットがありますが、絞りがなく固定になってしまうことやボケがリング状になるので不自然な仕上がりになるなどのデメリットとあります。

焦点距離による分類

望遠レンズの中でも焦点距離によっていくつか分類が分けられています。

分類される焦点距離は決まっているわけではないので各メーカーなどの情報を参考にしています。

望遠になればなるほど下で紹介する効果が顕著に現れ、普段は見られない景色を楽しむことができます。反面、重たく大きくなってしまい携帯性が悪くなるので注意が必要です。

中望遠レンズ

焦点距離80mm~135mm程度の望遠レンズ。

望遠レンズの効果もあまり強くありませんが、程よいボケ味に画角と距離感が保てることから人物を写すのに適しているためポートレートレンズとも呼ばれることもあります。

望遠レンズ

焦点距離135mm~400mm程度の望遠レンズ。

キットレンズについてくる一般的な焦点距離で安価なものも多くある焦点距離です。

望遠レンズの効果も顕著に現れるため、標準レンズとは違った印象で撮影できます。大きさも比較的コンパクトにまとまっており、持ち運びにも苦労しないサイズ感です。

超望遠レンズ

焦点距離400mm以上の望遠レンズ。

望遠レンズの効果が非常に強く現れるレンズで、主に飛行機や電車、船、月などの撮影に使われることが多いです。

望遠レンズの効果

望遠レンズを使うことで独特の効果が写真に現れるようになります。

この効果を知っておくことでユニークな写真が撮れたり見せ方の幅を広げることができます。

遠い被写体も大きく写せる

望遠レンズは遠くにあるものを大きく写すことができるのでフィールドで動いているスポーツ選手や遠くを飛んでいる飛行機、遥か遠くに浮かんでいる月などを目で見るよりも鮮明に写すことができます。

また、手前にあるものが大きく不鮮明になってボケるので金網やフェンス越しの撮影でも邪魔されずにキレイに撮ることができます。

切り取り効果

画角が狭くなることによって他の情報が少なくなり、メインの被写体をより目立たせることができるようになります。

ちょうどトリミングなどで被写体以外を切り取って目立たせたように目立たせることができるテクニックです。

ポートレートなどメインで撮りたい被写体をより強調させるときに使います。

ボケやすい

望遠レンズは焦点距離が長いため標準的なレンズよりも被写界深度が浅くなり、ボケが強くなります。

このボケやすくなる効果を活かしてポートレート撮影ではあえて遠くから望遠レンズを使うこともあります。

切り取り効果と合わせて被写体を目立たせるだけでなく優しく柔らかい雰囲気を持たせてつつ際立たせることができます。

圧縮効果

引用:産経新聞

圧縮効果とは、遠くにあるお互いが離れている者同士の距離が短く見える現象です。

これは望遠レンズで起きるものではなく、肉眼でも起きる現象なのですが、遠くにあればあるほど圧縮効果が起きるので望遠レンズの方が圧縮効果を確認しやすくなります。

ブレやすい

狭い範囲を撮影することになるため、少しのブレでも大きくなってしまいます。

目安としては手ぶれ補正機能を使わずにシャッタースピードを「35mm換算で焦点距離分の1秒」より速くすることで抑えられると言われています。

例えば、35mmフルサイズのカメラで400mmのレンズを使うとシャッタースピードを1/400よりも速くすれば手ぶれしにくくなります。

望遠レンズの中に強力な手ぶれ補正機能がついているものもあるため、遅くてもしっかり撮れるものもあります。

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機材が大きく画角の調整が難しくなるため、三脚などでカメラを固定した方がきれいに安定して写すことができます。

望遠レンズを使いたい場面

望遠レンズだからこそ撮りたいステキな被写体がたくさんあります。

ここで紹介するものが全部ではありませんがいくつか参考にご紹介していきます。

野鳥

野鳥を撮るなら望遠レンズが必須です。人気の高いカワセミやセグロセキレイ、オオタカなども望遠レンズがなければ大きく写せず野鳥の魅力を表現できなくなってしまいます。

超望遠レンズで撮影することで毛先の一本一本を高解像度で撮影できるので美しさや自然の神秘を存分に写し出すことができます。

木々で休んでいる野鳥たちには絞りを開放することで望遠レンズの効果と合わせて際立たせることもできます。

思い通りの写真を撮るのは難しいですが、望遠レンズを持っていたら一回は挑戦してみたい写真ですね!

ポートレート

望遠レンズは標準レンズに比べてボケやすくなるので被写体を優しくソフトな雰囲気に仕上げることができます。また、切り取り効果で写り込む情報が少なくなるのでより被写体を強調し自然できれいな写真に仕上げることができます。

また、運動会やスポーツなどで撮影にも望遠レンズは欠かせません。望遠レンズはF値が大きいレンズも多いのでシャッタースピードを確保するために屋外の明るい場所での撮影でもISO感度を上げて撮影する必要があることもあります。

絞り値が小さく明るいレンズは価格も高く、携帯性も悪くなってしまいますが、キレイなボケ味と鮮やかで鮮明な解像度を実現できるので他のレンズとは一線を画す仕上がりとなります。

電車

望遠レンズでは圧縮効果を簡単に楽しむことができるので電車の先頭から最後尾まで車体全体を写すことができます。

標準レンズや広角レンズは圧縮効果の反対であるパースペクティブ効果によって先頭車両は大きくなり、離れるほど小さくなるので全体を写すことが難しくなります。

圧縮効果でコンパクトに電車を収めることで周りの風景も取り入れながら様々な構図で撮影することができます。

飛行機

離陸直後の飛行機や飛んでいる飛行機などは撮影者との距離が何kmも離れているので望遠レンズでの撮影が最適です。

青空に浮かぶ飛行機も夕焼けを逆光にシルエットを見せる飛行機も非常に印象的な写真を撮ることができるようになります。

超望遠レンズで月を撮影することで月の表面までしっかりと写すこともできます。

焦点距離200mm程度でも撮影することができますが、400mm以上の望遠レンズを使うことで全く違った印象になります。

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おすすめの望遠レンズ

それでは望遠レンズを持っていない人やキットレンズの望遠レンズに満足できていない方にオススメの望遠レンズを紹介していきます。

やっぱり性能を重視するとどうしても金額が上がってしまいますがその中でもコストパフォーマンスの高いものを厳選しました!

初めての方にもおすすめのコスパの良い望遠レンズ

まだ望遠レンズを持っていない方や焦点距離200mm程度よりもさらに望遠を試してみたい!という方におすすめのレンズです。

安いものでは1万円程度で挑戦できるのもあるので望遠レンズの楽しさを味わってみてください。

【SIGMA】70-300mm F4-5.6 DG MACRO

焦点距離70-300mmのレンズで価格も1万円ちょっとと初めてでも比較的手を出しやすいレンズです。

マクロレンズにも対応しておりスイッチの切り替えで200-300mmの焦点距離の間では最大撮影倍率1/2倍に対応しており望遠だけでなくマクロ撮影も楽しむことができます。

300mmに対応している望遠レンズですがコンパクトにまとまっており携帯性にも優れています。

手ぶれ補正機能がついていないので高倍率撮影ではカメラを固定するかシャッタースピードを確保しましょう。

焦点距離70-300mm
絞り羽根枚数9枚
最小/最大絞りF22
最短撮影距離150cm(マクロ時95cm)
最大撮影倍率1:4.1(マクロ時1:2)
フィルターサイズ⌀58mm
最大径×長さ⌀76.6mm×122mm
質量550g

【TAMRON】SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD

こちらのレンズは初めての購入でも機能・性能に優れていて後悔しない買い物をしたい!という方におすすめのレンズです。

このレンズの最大の魅力は手ブレしやすくなる焦点距離300mmでもシャッタースピードを確保できるようにタムロン独自の超強力な手ブレ補正機能がついていることです。

シャッタースピードにして4段分の手ブレ補正に対応しています。例えば、手補正を使うと1/25にしても補正していない1/400と同等のぶれ具合に抑えることができます。

そのほかにも、特殊コーティングによる防汚やフレアやゴーストといったノイズ対策も行われています。マクロ撮影には対応していないので注意しましょう。

焦点距離70-300mm
絞り羽根9枚 (円形絞り)
最小/最大絞りF32 – 45 / F4 – 5.6
最短撮影距離1.5m
最大撮影倍率1:4 (f=300mm時: 最短撮影距離1.5m)
フィルター径φ62mm
最大径 × 長さφ82.2mm × 145.2mm (キヤノン用)142.7mm (ニコン用)
質量765g
手ブレ補正効果4段(CIPA規格準拠)

レンズ交換が面倒な方におすすめの高倍率レンズ

標準(広角)から望遠まで1つのレンズで楽しみたいという方におすすめのレンズを紹介していきます。

大きめになってしまいますが画角の調整が幅広く使えるので利便性に優れたレンズです。

【SIGMA】18-300 F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM

焦点距離16-300mmと16.6倍の超高倍率ズームレンズになっていて広角から望遠まで1つのでレンズで撮影を楽しむことができます。

手ブレ補正機能にも対応しており最大で約3.5段分の手ブレ補正を実現できています。例えば、補正機能を使うと1/35にしても機能を使っていない1/400と同等のぶれ具合に抑えられます。

最大撮影倍率1/3となっているためマクロレンズのような使い方で小さいものを大きく写すことができます。

高倍率でありながらコンパクト、軽量にまとまっており携帯性にも非常に優れています。

また、レンズ構成が複雑になりやすい高倍率レンズですが、画質劣化を抑える特殊レンズを入れることで画質もきれいに鮮明に写しだすことができます。

ただし、フルサイズのセンサーサイズには対応しておらず、APS-Cのみの対応になります。

焦点距離16-300mm
絞り羽根枚数7枚 (円形絞り)
最小絞りF22
最短撮影距離39cm
最大撮影倍率1:3
フィルターサイズφ72㎜
最大径 × 長さφ79mm × 101.5mm
質量585g
手ブレ補正効果3.5段

【TAMRON】18-400 F3.5-6.3 DI2 VC HLD

焦点距離18-400mmという22.2倍もの超高倍率ズームレンズで、広角側から超望遠まで対応しているレンズです。

手ブレ補正機能も2.5段とついているためズームした撮影でも手持ち撮影をサポートしてくれます。

最大撮影倍率も1/2.9とマクロ撮影のような使い方も楽しむことができます。

400mmということで700g程度と多少重量はありますが他の焦点距離400mmのレンズと比べて通常時はコンパクトにまとめることができ、かさばることなく持ち運ぶことができます。

ただし、フルサイズのセンサーサイズには対応しておらず、APS-Cのみの対応になります。

焦点距離が28-300mmになってしまいますが、機能・性能が同じようなフルサイズ対応のレンズもおまけで紹介しています。

焦点距離18-400mm
最小/最大絞りF22-40/F3.5-6.3
最短撮影距離*0.45m
最大撮影倍率1:2.9
フィルター径Φ72mm
最大径×長さΦ79mm×123.9mm (キヤノン用)121.4mm (ニコン用)
質量710g (キヤノン用)、705g (ニコン用)
絞り羽根7枚 (円形)
手ブレ補正効果2.5段 (CIPA規格準拠)
【TAMRON】焦点距離28-300mmフルサイズ対応高倍率レンズ

本格撮影に挑戦したい方におすすめの明るい望遠レンズ

非常に高額になりますが明るい望遠レンズにどのようなものがあるか紹介していきます。

【SIGMA】85mm F1.4 DG HSM

85mmという望遠レンズでありながらF値1.4と非常に明るいレンズです。

ポートレートレンズと言われる焦点距離で絶妙なボケ味と超高画質で繊細に表現することができます。このレンズでもポートレートを撮影したら以前のレンズにはもう戻れない完成度です。

35mmフルサイズにも対応しており満足度の高いレンズの1つです。

焦点距離85mm
絞り羽根枚数9枚 (円形絞り)
最小絞りF16
最短撮影距離85cm
最大撮影倍率1:8.5
フィルターサイズφ86㎜
最大径 × 長さΦ94.7mm × 126.2mm
質量1,130g

【SIGMA】120-300mm F2.8 DG OS HSM

通常の望遠レンズは望遠にすると最大開放絞り値が大きくなり暗くなってしまいますが、このレンズは焦点距離を変えても常にF2.8を実現することができる超高性能レンズです。

300mmという望遠レンズでありながらF2.8を実現しており、よく「サンニッパ」と呼ばれるレンズの1つです。

スポーツや野鳥撮影などを超本格的に行うことができ、非常に高価ではありますが満足度の高いレンズに仕上がっています。

焦点距離120-300mm
絞り羽根枚数9枚 (円形絞り)
最小絞りF22
最短撮影距離150cm – 250cm
最大撮影倍率1:8.1
フィルターサイズφ105㎜
最大径 × 長さφ121.4mm × 291mm
質量3,390g

まとめ

望遠レンズは、野鳥やスポーツ選手を撮る場合には是非使いたいレンズです。

また、焦点距離が非常に長くなると肉眼では見ることができない画角で撮影することができ、撮影の幅も広がります。1つは必ず持っておきたいレンズですね。

皆さんも是非使ってみましょう!

カメラ・レンズ・アクセサリの基本

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