望遠レンズや広角レンズでは標準的な焦点距離のレンズでは現れない(現れにくい)様々な効果があります。
意外と身近な現象なので改めて知ると「確かにそうだ!」と思う人も多いと思います。
圧縮効果とは?
圧縮効果とは、自分から離れているもの同士の距離が短くみえることを言います。
上の写真は望遠レンズで撮影した写真です。圧縮効果によってこいのぼり同士が近くにあると感じますよね。
しかし、実際には10m程度の間隔で設置されているので実際に歩いていて目にする景色は下の写真のようになってます。
圧縮効果をうまく使うことで実際には離れているものの距離を短くみせたり、密度の少ないものを密集しているように見せることができます。
圧縮効果と合わせて前ボケなどを取り入れることでより華やかな写真にできることもあるので挑戦して見ましょう。
圧縮効果はカメラやレンズには関係ない?
圧縮効果は肉眼でも起きる現象でカメラやレンズによって効果が変わるわけではありません。
本当に!?と思う人もいるかもしれないので圧縮効果とレンズ、カメラの関係について紹介していきます。
圧縮効果と焦点距離(レンズ)の関係
上の写真は左が焦点距離200mmの望遠レンズ、右が焦点距離55mmの標準レンズで撮影して写真を拡大したものです。
比べてみるとわかりやすいと思いますがレンズの焦点距離が短くなると圧縮効果が確認がしにくくはなりますが、撮影者から見て同じ距離にあるものは同じように効果が現れます。
圧縮効果は、このように焦点距離によって変わるのではなく撮影した人からの距離によって決まります。
圧縮効果とイメージセンサー(カメラ)の関係
カメラの目とも言えるイメージセンサーによっても望遠になるか広角になるかが変わります。
レンズが同じならイメージセンサーが小さいほど望遠になり、イメージセンサーが大きいほど広角になるので、コンデジやセンサーサイズの小さいミラーレスカメラを使うとことで圧縮効果を確認しやすくなります。
圧縮効果を楽しむにはやっぱり望遠レンズ
イメージセンサーが小さいと画質が悪くなってしまい暗い場所での撮影が難しくなったり拡大して使用することが難しくなります。
そのため、遠くをより高画質で撮影するためにもイメージセンサーのサイズを確保しつつ望遠レンズで撮影することでより質の高い圧縮効果を楽しむことができます。
身近にある圧縮効果
圧縮効果はレンズを通して起きる現象ではないので肉眼でも確認することができる現象です。
野球中継
野球中継ではピッチャー、キャッチャー、バッターがよく見えるように外野席から望遠で撮影をしています。
この時に圧縮効果が起きるので実際には18.44mも離れているピッチャーとバッターの距離が、テレビで見るともっと近くに感じると思います。
月や太陽などの惑星
夜空を見上げると星がいくつも見えると思いますが、となりに並んでいる2つの星で星と星の間がどのくらい離れているかなんて全然わからないですよね。
飛んでる飛行機と雲や月と太陽などでも距離感がわからなくなるのに何光年も離れている星同士の距離なんてもっとわからないです。これも圧縮効果によるものなので意外と身近にあることがわかると思います。
例えが極端すぎて実感がわかないかもしれませんが圧縮効果も強くなりすぎると距離感が全くわからなくなります。
圧縮効果を利用した写真
圧縮効果を使うことで少しさびしいお花畑を華やかにしたりユニークな写真にしたりすることができます。
参考にいくつかの例を紹介していきます。
橋や坂
緩やかな坂も超望遠レンズで撮影することで登りはじめと登りおわりの距離が非常に短く見えるのでこの写真のように崖のようなとってもユニークな写真を撮ることができます。
比較的急な坂であれば離れる距離が短くても崖のような写真を楽しむことができます。
電車や機関車
実際には30m以上ある電車も圧縮効果を利用することで全体を写すことができます。
標準レンズや広角レンズでは手前の方はしっかりと写りますが、奥の方になるとどんどんすぼんでいってしまい全体を写すことが難しくなります。
お花畑
満開のお花畑の撮影ではあまり気にしなくても大丈夫ですが、季節外れだったり時期がまだ早かったりすると、満開がキレイな桜などの花でも少し寂しくなってしまいます。
そこで圧縮効果を活用することで、さびしくなる景色をより豪華に寂しさを感じさせない写真にすることができます。
望遠レンズで得られる切り取り効果も合わせてしっかりとメインの花を魅せることができます。
まとめ
特に望遠レンズで圧縮効果を楽しむことができます。
レンズやカメラの性能とは関係ありませんが遠くを写せるほうがよりキレイに圧縮効果を確認できます。
ユニークな写真を撮りたかったりちょっとさみしい景色に華を持たせたいときには、圧縮効果も気にした写真撮影に挑戦してみてください!
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