カメラのレンズに焦点距離という言葉がよく出てきますが、カメラを始めたばかりでは何のことかよくわからないという方も多いと思います。
画角と焦点距離とイメージセンサーの関係
画角

画角は、写真に写る範囲のことで視野角とも言います。
人間の視野と同じく写る範囲を角度で表していて角度が大きければ大きいほど写る範囲が広く(広角に)なり、小さいほど写る範囲が狭く(望遠に)なります。
焦点距離

焦点距離は、ピントを合わせたときのレンズとイメージセンサー(撮像素子)の距離のことです。(レンズは複数のレンズが入っているため実際には主点と呼ばれる位置までの距離が焦点距離になります。)
焦点距離とレンズ
明確な基準はありませんが、焦点距離が20mm等の短いレンズを広角レンズ、200mmや300mm等の長いレンズを望遠レンズ、中間の焦点距離レンズを標準レンズと言います。
焦点距離と被写体の大きさ
具体的には焦点距離が2倍になったときは距離を2倍に、焦点距離が3倍になったときは距離を3倍にする必要があります。
例えば、焦点距離20mmで被写体から1m離れて撮ったときと、焦点距離100mmで被写体から5m離れて撮ったときの被写体の大きさは同じくらいになります。
イメージセンサーと画角

焦点距離が同じ場合、イメージセンサーが大きくなればなるほど画角が大きく(広角に)なり、イメージセンサーが小さいほど画角が小さく(望遠に)なります。

焦点距離と画角の一覧
焦点距離(mm) | 12 | 14 | 20 | 24 | 28 | 35 | 50 | 85 | 100 | 135 | 180 | 200 | 300 |
対角線画角(°) | 122.0 | 114.2 | 94.5 | 84.1 | 75.4 | 63.4 | 46.8 | 28.6 | 24.4 | 18.2 | 13.7 | 12.36 | 8.25 |
人間の視野は焦点距離だと12mm程度ですが、実際に意識してはっきり見えるのは焦点距離だと50mm相当になります。
35mm換算と実焦点距離とは?
焦点距離と画角についてわかったところで次に35mm換算について説明していきます。
35mm換算とは?


35mm換算は、35mmフルサイズと異なるセンサーサイズで、35mmフルサイズの場合と同じ画角になる焦点距離を求めることです。
フィルムや昔の一眼レフのイメージセンサーはすべて35mmサイズだったため、焦点距離によって画角が決まっていました。
しかし、現在はイメージセンサーのサイズが多様になってきていて、35mmフルサイズより小さいセンサーもたくさんあります。(中判サイズという大きいサイズもあります)
35mm換算の計算方法
各メーカーが発表している倍率を焦点距離にかけることで求められます。
センサーサイズが35mmフルサイズだった場合、焦点距離80mmのレンズを使用するとほぼ同じ画角になります。
実焦点距離
実焦点距離は、35mm換算した焦点距離に対して実際の焦点距離を表します。
焦点距離とイメージセンサーで画角が変わる理由
焦点距離とイメージセンサーのサイズによってなぜ画角が変わってくるか説明していきます。
焦点距離と画角の関係


上のイメージ図のように焦点距離が短い場合には上下左右のより広い範囲の光を取り込むことができるので画角が広くなります。逆に焦点距離が長い場合には画角が狭くなります。
イメージセンサーと画角の関係


上のイメージ図のように焦点距離が同じレンズでもイメージセンサーが小さくなると画角が狭くなり、大きくなると画角が広くなります。
望遠で撮影したいときにはイメージセンサーが小さいカメラの方が大きいカメラよりも望遠レンズが小さくてすむというメリットがあります。
イメージセンサーと焦点距離と画角まとめ


※センサーサイズや焦点距離は機種により異なります。
このようにスマホやコンパクトデジタルカメラではイメージセンサーが小さい分、焦点距離を短くしているため画角が広くなっています。
焦点距離が変わると被写界深度にも影響があります。ぼかし撮影や被写界深度については以下の記事で解説しています。

まとめ
画角は焦点距離が短くイメージセンサーが大きいほど広角になり、焦点距離が長くイメージセンサーが小さいほど望遠になります。
35mm換算を使うことでイメージセンサーのサイズが違う場合でも同じ基準で焦点距離を考えることができるようになります。
構図を考える際にも画角は重要な要素になるのでしっかり押さえておきましょう。
カメラの基本設定・機能







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