そんなブラックホールの撮影がついに成功し、2019年4月10日その存在を確認することができたと発表されました。
ブラックホールは皆さんも知っていると思いますが、今回はブラックホールがどんなものなのか簡単に紹介していきます。
ブラックホールとは?
ブラックホールはとてつもなく重く、重力が信じられないくらい強くて光さえも脱出できない想像を絶する天体です。
地球から宇宙に飛び出すためには秒速11.2km(時速40,300km)も必要で新幹線(時速300km)の135倍もの速度が必要なんです。
ちなみに地球を直径約1.8mmとビー玉と同じくらいの大きさにギュッと小さくするとブラックホールになります。(実際になることはありませんが・・・)
最大級・最少級のブラックホール
天体は年々新しいものが発見されているため最大、最少はすぐに更新されてしまうかもしれません。
調べた当時の最大と最少のブラックホールを紹介します。
最大級のブラックホール
「OJ 287」と名前の付いた銀河の中心にあるブラックホールは重さなんと太陽の180億倍もあるブラックホールです。
これは端から端まで移動するのに光の速さで100時間もかかる距離です。(太陽から地球は約8分)
最小級のブラックホール
銀河系「さいだん座」にある最少級のブラックホールは質量が太陽の3.8倍、大きさは約24kmしかない珍しく小さいブラックホールです。
ブラックホールの撮影は難しい?
光の色や反射についてはこちらでわかりやすく紹介しています。
真っ暗な部屋では何も見えないのと同じようにブラックホールは光を吸い込んでしまい反射することがないので真っ黒で何も写すことができません。
宇宙空間も真っ暗なのでブラックホールを写すことは墨汁の中の黒ゴマを探して撮るくらい難しいです。
それではどのようにブラックホールを撮ったのか見ていきましょう。
撮影されたブラックホール
今回撮影されたのは、おとめ座にある楕円形の銀河「M87」の中心にある超巨大なブラックホールです。
地球からこのブラックホールまでの距離は約5500万光年(光の速さで5500万年)と非常に遠くにあるので、地球から見た大きさは月に置いたゴルフボール同じくらいなんだとか。
ブラックホールの撮影方法とは?
上でも言った通りブラックホールは光も飲み込んでしまうくらい重力が強く真っ黒になってしまうので写真に写ることはありません。
光は基本的にまっすぐ進みますが、ブラックホールくらい重力が強いと光の進む方向が曲がってしまいます。
地球規模の望遠鏡「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」とは?
ブラックホールの撮影には世界各国にある8つの望遠鏡をつなげて、地球の自転(回転)を利用することで仮想 地球サイズの望遠鏡として撮影できる技術が使われています。
EHTは人間の視力の300万倍もあり、撮影された写真のRAWデータはなんと数PB(1PB(ペタバイト)=1000TB(テラバイト))もあります。
望遠鏡 |
国・地域
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アルマ望遠鏡
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チリ・アタカマ砂漠
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APEX
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チリ・アタカマ砂漠
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IRAM 30m望遠鏡
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スペイン・ピコベレラ
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ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡
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ハワイ・マウナケア
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大型ミリ波望遠鏡
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メキシコ・シエラネグラ
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サブミリ波干渉計
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ハワイ・マウナケア
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サブミリ波望遠鏡
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アリゾナ・グラハム山
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南極点望遠鏡
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南極点基地 |
まとめ
技術の進歩と世界各国の科学者のたゆまぬ努力によって約100年前にアインシュタインが発表した一般相対性理論(ざっくりいうとブラックホールなどがあるという理論)が実際に観測することができました。
2016年には重力波の観測にも成功しており徐々にですが宇宙の姿が見えてきています。
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