ミニチュア効果を楽しもう!ジオラマ風の写真が撮れる「ティルトシフト撮影」と編集アプリを紹介

オープンテラスで休憩している人々撮り方
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皆さんはミニチュア効果をご存知ですか?

一眼レフやミラーレスでは設定やレンズを変えることで色々なユニークな写真を撮ることができますが、ミニチュア効果もそのユニークな写真の一つです。

最近ではアプリや編集ソフトの登場で誰でも簡単に撮影できるようになったので皆さんも是非一度挑戦してみてください!

ということで、今回はミニチュア効果の特長と撮り方や編集方法について紹介していきます。

ミニチュア効果独特のボケも撮影できる特殊レンズ「ティルトシフトレンズ」についても紹介します。

ミニチュア効果とは?

ミニチュア効果は実際の風景を小さなミニチュアの模型を撮ったように見せてジオラマ風の写真にする効果のことです。

すごく精密で本物そっくりなのにものすごく小さいジオラマですが、小さい被写体を撮ろうとするともちろん普通の景色を撮った写真とは大きく印象が変わります。

ミニチュア効果で撮影すると自然や建物、人などの被写体にかかわらず全部がジオラマを撮ったような写真になるので非常におもしろい撮影方法です。

ミニチュア効果の特長

オープンテラスのミニチュア効果写真

まずは、ミニチュア効果の特長やどのような写真だとジオラマ風になるのかなど紹介していきます。

ジオラマは普段撮る風景とは違って近づいて撮ることになるので大きな違いが出てきます。

特長は細かく見るとたくさんありますが、今回はその中でも特に影響の大きい3つの特長を紹介していきます。

写真の周辺(上下)がボケる

ジオラマの撮影は非常に近くから撮るので被写界深度が浅くなるのでボケやすくなります。

遠くにある風景写真はボケがそこまで強く出ないのでボケが強く出る写真はジオラマで撮ったかのような印象の写真になります。

ボケる範囲はカメラからの距離によって変わるので普通の風景写真では横方向に直線でピントが合うので基本的には上下方向にボケが現れます。

彩度が鮮やか

全体を写す風景写真では遠くにある被写体を写すため水蒸気やチリ、光の反射の仕方などで色が少しくすんでしまうことがあります。

ジオラマの撮影ではそのようなことは起きないため鮮やかな色味のまま写真に表現することができます。

そのため、ミニチュア効果を狙う時は特に緑色などを鮮やかに撮ることで効果的に表現することができます。

高い位置から見下ろすような視点

小さいものを撮る時には高い位置から見下ろすような構図になることが多いと思います。

ミニチュア効果を狙う時にはビルや丘などの高い位置から撮影することでジオラマ風を印象付けることができます。

ミニチュア効果の撮り方

編集なしでミニチュア効果を楽しむためにはティルトシフトレンズを使う必要があります。

非常に高価なレンズでなかなか使う機会は少ないと思いますが、どのようなレンズなのか紹介していきます。

ティルトシフトレンズとは?

ティルトシフトレンズは、カメラの位置を変えずにレンズを傾けたりずらしたりすることができる特殊なレンズです。

「ティルト(チルト)」は傾けること、「シフト」はレンズ位置をずらすことです。カメラ(イメージセンサー)の位置を変えずに撮影することを「アオリ撮影」とも言います。

CanonやNikonでも取り扱っていますが非常に高価で使用用途も限られる特別なレンズです。

主に商材用の料理を撮ったり、今回紹介しているミニチュア効果を楽しんだりするときなどに使います。

ティルトの効果

ティルトシフトレンズのティルト効果

レンズを傾けることでピントの合う位置を変えることができます。

傾ける方向を変えることで奥行きのある被写体でも全体にピントを合わせたり平面に近い被写体でも一部分だけにピントを合わせたりすることができます。

傾け方を変えることでピントの合う範囲から離れれば離れるほどボケが強くなるので普段の撮影では撮れないボケのある写真を楽しむことができます。

シフトの効果

ティルトシフトレンズのシフト効果

レンズの位置を上下左右にずらすことでカメラの角度(向き)と位置を変えずに写す場所を変えることができます。

例えばレンズを上方向にずらすとカメラ本体を高い場所に持って行って撮影した写真と同じような写真になります。

鏡に向かってシフト撮影するとカメラは鏡に映らなくなるので不思議な写真を撮ることができます。

各メーカーのティルトシフトレンズ

ティルトシフトレンズは傾けたりずらしたりすることができる機構になっているので、オートフォーカスなどの一部の機能には対応していません。

マニュアルフォーカスで撮影することになるので風景などの動いていない被写体を撮るようにしましょう。

Canon

キヤノンからもティルトシフトレンズが出ていて広角レンズから中望遠レンズまで様々なラインアップが揃っています。

角度を調整して思い通りの被写界深度を楽しむことができます。

Nikon

ニコンからもティルトシフトレンズが出ていて公式レンズで思い通りの被写界深度での撮影を楽しむことができます。

最大撮影倍率1/2などマクロ撮影にも対応しているレンズもあり、1つのレンズで様々な撮影を楽しむことができます。

編集でミニチュア効果を楽しもう

ミニチュア効果でジオラマ風の写真をつくる方法を紹介していきます。

カメラのエフェクトモードを活用する

カメラの撮影モードの一つに撮った写真に様々な効果(フィルタ)を付け加えることができる「エフェクトモード」があります。

絵画風やトイカメラ風など色々な効果がありますが、その中にミニチュア効果が使える機種も多いです。

このモードを使えば撮影した写真に自動でミニチュア効果の特長である「周囲(上下)のボケ」「彩度が上がる」が強調される編集が行われます。

誰でも簡単に楽しむことができるのでおすすめですが、ミニチュア効果の効いた写真しか保存できないので注意しましょう。
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カメラの編集機能を使う

エフェクトモードで「ミニチュア効果」が使えるカメラでは普通に撮った写真をカメラ内蔵の編集機能でミニチュア効果を適用することができます。

エフェクトモードで撮影するよりも細かく設定できるので手間をかけても良い、という方はカメラの内蔵の編集機能を使うのもおすすめです。

アプリを使って簡単に楽しむ

アプリには有料でミニチュア効果を楽しめるものもたくさん出ていますが、どれも使い勝手があまり良くなくバグなども多く見受けられます。

そこでミニチュア効果も簡単に楽しめる最高にオススメのアプリ「Snapseed」を紹介していきます。

Snapseed

Snapseed

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レンズぼかしで上下をぼかす

snapseedでボケを編集している画像

Snapseedで編集したい写真を読み込みます。

「ツール」のなかにある「レンズぼかし」を選びます。

選んだ直後は円形のぼかしになっているので「◎」を押して「=」に変えて上下方向にぼかせる設定に変更します。

ピッチでぼかす範囲、スワイプでぼかしの強さを変えればミニチュア効果特有のぼかしを表現することができます。

彩度を上げよう

snapseedで彩度を上げる方法

「ツール」ないの「画像調整」を選びます。

「≡」を押して彩度を選んで調整することができます。

ぼかしと彩度の調整と簡単2ステップでミニチュア効果を楽しむことができます。

高い位置から見下ろすような写真では特にジオラマ風を演出することができますが、それ以外の写真でも奥得な雰囲気を出すことができます。

ミニチュア効果を使いたい撮影場面

ミニチュア効果を使ってよりジオラマ風に楽しめる被写体をいくつか紹介していきます。

都心

都心のミニチュア効果写真

高層ビルが立ち並ぶような都心やマンションが立ち並ぶような都会の風景をミニチュア効果で撮影すると普段見ている風景とは全く違ったおもしろい写真に仕上がります。

車や人も模型が置かれているような印象になるので特に意識しなくても大丈夫です。

見た景色をそのままを細かく表現することができます。

街並み

海外の街並みをミニチュア効果で撮った写真

高層ビルが立ち並ぶ都心を撮るのも面白いですがその国、土地特有の街並みや昔懐かしい景色をミニチュア効果で写すのもおすすめです。

ジオラマでも人気の高い昭和の景色が残っている地域でミニチュア効果を楽しむことでジオラマ風を強調することができます。

港町

港町をミニチュア効果で撮影した写真

港町では山や丘から見下ろすことができる場所も多いので鮮やかな青色と一緒に素敵な一枚に収めることができます。

田舎ののんびりとした風景を普通に撮るだけなく、一風変わった写真にまとめるのも面白いのでおすすめです。

まとめ

ミニチュア効果は「見下ろすように」「色鮮やかで」「周辺(上下)にボケがある」ジオラマ風の写真です。

デジタルカメラになってティルトシフトレンズを使わなくても編集やカメラの機能で簡単に楽しむことができます。

ティルトシフトレンズはミニチュア効果を楽しむ以外にも表現の幅が広がる不思議でおもしろいレンズなのでぜひ試してみてください。

カメラ・レンズ・アクセサリの基本

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