【初心者必見】星空の撮り方と撮影条件!星空は誰でも簡単に撮影できる!

天の川と岩石と写真撮り方
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ミラーレスや一眼レフカメラを買ったら星空撮影に挑戦したいと思いますよね。

星空のすごい写真を見ると本当に撮れるのかな?良いレンズや機材がないと撮れないんじゃないかな?と思っている人も多いのではないでしょうか。

実は星空の撮影は環境が良ければカメラについてきているキットレンズでもきれいに撮ることができるんです!

そこで、今回はカメラを始めたばかりで良いレンズや本格的な撮影機材を持っていないという方でも簡単に撮影できる方法をご紹介します。

星空撮影の条件

星空撮影を成功させるためには、星空をきれいに見ることができる環境でなければ撮影が難しくなってしまいます。

撮影を成功させるための撮影条件のポイントを紹介します。

新月か新月の前後1週間以内

キレイな三日月

月は非常に明るいため、月が出ていると星が見えづらくなってしまい撮影もきれいにできなくなってしまいます。

できれば新月の日が一番いいですが、新月当日の撮影が難しい場合には新月の前後1週間を目安に撮影を行いましょう。

満月の日でもチャンスあり

当り前ですが太陽は朝に日が昇って夜には日が沈んでいます。しかし、月は必ずしも夜に昇って朝に沈むわけではなく、夜でも太陽と同じく地球の反対側にある場合もあります。

満月でも地球の反対側にあるときには暗さを確保できるのできれいに撮影できるチャンスです。

昼間でも月が見えることがあると思いますが地球の反対側では太陽も月も見えない状態になっています。

月がどこにあるかはこちらのサイトで確認することができます。

月の位置計算
日本の各観測地点での指定日の月の位置を計算し、高度をグラフ表示します。

天気が良い日の高原や峠

海外の高原からのぞむ夕焼けの写真

天気ばかりは運の要素が強くなってしまいますが、天気予報などをしっかり確認して天気が良い日を狙って撮影に向かいましょう。

標高の高い高原や峠などは空気が澄んでおり、よりキレイに撮影することができます。

空気中に水分が多かったりチリが多いと全体的にモヤのかかったようなぼやけてしまう写真になってしまうのでなるべく空気が澄んでいる日に撮影するのがオススメです。

街灯などの光が少ない場所

田舎の田園風景

街灯などの光源が近くにあっても夏の大三角形やオリオン座などの強い光の星は写すことができますが、街灯などがあると写真全体が白っぽくなってしまい、あまり明るくない夜空の星々はキレイに星空を写すことができなくなってしまいます。

深夜の住宅街くらいの明るさなら少しは星空を写すことができますが、都心部のお店が立ち並んでるような明るさでは弱い光はほとんど写せなくなってしまいます。

他の光がなければないほど、キレイに星空を撮影することができます。天の川を写したいようなときには周囲数十kmは強い光がないような場所での撮影する必要があります。

撮影に必要なもの

星空の撮影は基本的に長時間露出撮影になるので手持ち撮影での撮影は難しいのでカメラを固定するためのアクセサリーが必要になります。

基本撮影に必要なものは多くありませんが、もっているとさらに難しい撮影もできるようになるのであると便利なアイテムも一緒に紹介していきます。

三脚

星空の撮影はシャッタースピードが数秒から数分と非常に遅くなるのでカメラを固定する三脚は必須になります。

三脚を使うことで手ブレをなくすだけでなく、構図を変えずに撮影することができるので比較明合成やタイムラプス撮影も楽しむことができるようになります。持ってないという方は星空以外の撮影でも活躍するので準備しましょう。

オススメの三脚や選び方はこちらで紹介しています。
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レリーズ(リモコン)

レリーズを使うことでシャッターを押すときの手ブレを抑えて撮影することができます。また、比較明合成やタイムラプスを楽しむときには長時間に何枚も撮影することになるので「タイマーレリーズ」がオススメです。

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レンズフード

レンズフードを使うことで、街灯などの光がレンズに入ってしまうのを抑えることができます。
ノイズなどを減らす効果もあるので普段からも装着して撮影するようにしましょう。

近くに街灯などの光の影響がなければレンズフードは必須ではありませんが近くに明るいものがあるときにはレンズフードを使ってなるべく星だけの光を取り込めるようにしましょう。

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明るいレンズ

F値の小さい明るいレンズを使うことで光を取り込む量が増えるのでISO感度を下げたり、シャッタースピードを速くして撮影することができるようになります。

F値の低いレンズではシャッタースピードが数十秒~数分とかなり長いシャッタースピードになってしまい、星空が光跡となってしまうことがあります。

より良い星空の撮影をしたいときに持っていると撮影の幅が広がります。普段の撮影でもボケをキレイに表現できるレンズなので持っていて損はないアイテムです。

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赤道儀

赤道儀は、地球の回転に合わせてカメラを回転させることによって長時間露出の撮影でも星を軌跡にせず撮影することができる道具です。

星空は1時間に約15°動いてしまうので焦点距離が長く(望遠)、シャッタースピードが長いほど光跡になってしまいます。

外乱が非常に少ない状態でシャッタースピードを長く撮影することで普段の撮影では撮れないような素敵な写真を撮ることができるようになります。

予備バッテリー

長時間にわたり撮影を行う場合、予備バッテリーを準備しておけば安心して撮影に臨むことができます。

ちなみに、冬の寒い時期のほうが電池の消耗が激しくなるので長時間の撮影になるときは3つ4つと複数個用意しておくようにしましょう。

ヘッドライト

本格的に暗いところに入っていき撮影を行うときには、安全のためにライトが必需品になります。

カメラの設定や設置の際に、両手が自由になるヘッドライトがオススメです。白いライトは目への刺激が強く、他の方の撮影の邪魔になってしまうことがあるので赤色のライトにしましょう。

夜露(結露)防止ヒーター

星空の撮影中に気温が下がることで夜露が発生し、レンズに付着してしまうことがあります。

そうなると写真がぼやけてしまい全体的にぼやけてピントが合っていないような悲しい写真になることがあります。そこで夜露防止ヒーターを使うことで夜露を防ぐことができます。

ヒーターの電池は数時間程度なので、長時間の撮影にはなる場合には電池がどの程度もつかしっかり確認するようにしましょう。

方位磁石

北極星は常に北にあるので方位磁石があればすぐに場所を確認することができます。

最近は腕時計やスマホにも方位磁石の機能が入っているの個別で持つ必要もないですがいざというときのためにも持っておくと安心です。

星空の撮り方

それでは星空の撮影方法を紹介していきます。

カメラを固定

カメラにレンズフードとレリーズを取り付けて三脚に固定したら構図を決めます。

三脚がしっかりと固定されていることを確認してください。

設定を変える

カメラの設定はマニュアル(M)モードにして、絞りは最大に開放しましょう。レンズ付きの一眼を買った人は大体F2.8もしくはF3.5程度だと思います。

ISO感度はなるべく小さく100、200を目安に高くても800程度で調整して、シャッタースピードは20秒程度を目安に15秒~長くても1分以内で変更しましょう。

焦点距離35mm換算で30mm程度の広角レンズでも1分を超えてくると星が光跡となって細長くなってしまいます。

基本的な設定は以下のような設定で撮影してみてください。これで明るい場合にはISO感度を下げて、暗い場合にはシャッタースピードを長くするかISO感度を上げましょう。

絞り(F値):最大開放(初期のレンズならF2.8やF3.5程度、可能ならF1.8以下)
ISO感度:200
シャッタースピード:20秒

ワンポイント!

ISO感度を上げると簡単に星空を撮影することができます。しかし、ISO感度を上げると画質がかなり落ちてしまいます。

シャッタースピードを長くしすぎると星が線になってしまうため明るいレンズを使って撮影するのが一番です。

ピントを合わせる

辞書のフォーカスにフォーカスした写真

星空撮影で一番難しいのがピント合わせです。星は非常に暗いため、オートフォーカスではピントを合わせることはできません。

さらに、絞りを開放させての撮影になるため、被写界深度が浅く(ピントが合う範囲が狭く) なります。

素早くピントを合わせる方法やテクニックを紹介していきます。

ピントリングの位置

レンズにはピントリングに無限遠が記載されているものがあります。∞に合わせることで無限遠になるはずですが、実際には温度などによってレンズが多少歪むため∞に合わせたとしても星にピントが合わないことがあります。

状態を見ながらマニュアルフォーカスできちんと合わせましょう。

ライブビューを使ってピントを合わせる

①見えている星の中で一番明るい星をライブビューでとらえます。
②ライブビューに写っている一番明るい星を拡大します。
③ピントリングを回して星が一番小さくなったところでピントリングを固定します。
④ISO感度を上げて撮影してみてピントが合っているかを確認してあっていればOKです。

事前に合わせる

明るいうちに遠くにピントを合わせておく方法もあります。この場合は事前に遠くにあるものにオートフォーカスでピントを合わせておきます。

しかし、上にも書いたように温度などによってピントの位置が変わることがあるため、しっかりとピントが合っているか確認するようにしましょう。

根気よく合わせる

ライブビューが使えないときなどは、ピントが合うまで試し撮りをする方法もあります。

この場合、ISO感度を最大にしてシャッタースピードをできるだけ速くすることで効率よくピントを合わせることができます。

ピントが合ったことを確認したら、ISO感度は下げて撮影を行いましょう。

失敗を減らすための設定

初めてで誰しもうまく撮影できるわけではありません。ぼくも何回も失敗しています。。

どれだけ慣れても失敗しまうこともあると思いますが失敗してしまったときはショックですよね。ちょっとしたミスで台無しにならないような方法を紹介していきます。

RAWで撮ろう

星の写真はホワイトバランスや明るさによって大きく印象が変わります。そのため、撮影後に編集する場合、画質の劣化がないRAWで撮ることで失敗を減らして良い写真はよりよくすることができます。

星空は現像の仕方、編集の仕方によって大きく印象が変わるのでぜひRAWで撮りましょう。

外乱の影響を考えよう

雪の降る外でライトに照らされたカップル

星の撮影では、車の通りや風、他の撮影者などによる影響でせっかくの写真が悪くなってしまう可能性があります。

他の外乱が入る可能性が少ない場所を選んで楽しく撮影しましょう。

星空撮影の基本構図とヒント

星空撮影で星空を写すことを紹介してきましたが、さらにワンポイント意識してさらに他の人の写真と差をつけていきましょう。

星空のみ写す

対角線構図の天の川の写真

星だけの撮影で天の川を写す場合、対角線構図を意識することでよりダイナミックに表現することができます。

天の川をメインで写したい場合など風景全体の情景は写さずに宇宙空間をメインに見せる方法です。

三分割構図を意識して撮る

街並みと星空の写真

山などを星と一緒に写すときは三分割構図を意識することで写真全体をバランスよくすることができます。また、山などと比較できるためより星空の壮大さを表現できます。

三分割構図などの基本構図については以下の記事で紹介しています。ただし、基本構図が全てではないので様々な構図で撮影してみましょう。
【写真25枚】基本構図10種類を紹介!構図を意識してステキな写真を撮ろう!
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縦構図で表現する

縦構図で撮った天の川の写真

天の川が縦に伸びているように見えるときには縦構図にすることでよりインパクトのある写真に仕上げることができます。

縦構図の場合でも基本構図を意識することでまとまりのある写真に仕上げることができます。

見上げる形で

サボテンと天の川を下から見上げた写真

電柱やカーブミラーのような日常にあるものをあえて見上げる形で写すのもおもしろいです。

このとき広角レンズを使うことでパースペクティブ効果が出てくるためより大きく距離感のある写真に仕上げることができます。

ソフトフィルターを使ってみよう

ソフトフィルターを使って撮った星空の写真

ソフトフィルターを使って撮影することで明るい星は大きく、暗い写真は小さくと目で見たときのイメージに近い写真に仕上げることができます。

星空にソフトフィルター?と思っている方もぜひ挑戦してみてください。

まとめ

星空の撮影は条件さえ合えば高い機材がなくても撮影することができます。スマホで撮影が難しいため、一眼やミラーレスを持っていても難しいというイメージを持っている方はぜひイメージを払拭してもらえたらと思います。

ポイントはISO感度をなるべく上げずにシャッタースピードを遅くすることです。ただし、遅すぎると星の光が光跡になってしまうので狙っていないときには注意しましょう。

キャンプやお出かけのときなど星空がきれいにみられる場所には是非挑戦してみてください!

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