日食を撮ろう!撮影のポイントと必要なものは?日本で見られる時期も紹介

皆既日食のイメージ図撮り方
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日食は太陽が月に隠れて起きる感動的な自然現象で、何回か経験したことがある人も多いと思います。

つい最近の2019年1月6日に部分日食が起きましたが、実は2019年12月にも日本で日食を見ることができます。

実は世界的にみると比較的チャンスの多い現象ですが、日本で見ることができる機会も限られてしまいます。

せっかくのチャンスがあれば撮影したいですよね!今回は日食を撮るためのアイテムやポイントを紹介していきます。

日食とは?

日食は「太陽ー月ー地球」の順番で一直線並んだ時に太陽が月と重なって太陽が欠けたり隠れたりする自然現象のことです。日蝕とも言います。

月が太陽と同じ方向にある「新月」のときに現れます。

日食の種類

月との重なり方、地上からの見え方、タイミングによって6種類の名前がついています。

皆既日食

皆既日食

太陽が月に完全に覆われて真っ暗になる現象で、昼間でも星が見えるくらい暗くなる神秘的な景色が広がります。

地球から見た月の大きさのほうが太陽よりも大きい時に現れます。

普段は太陽光が眩しすぎて見ることができないコロナや太陽表面から出る紅炎も観測することができるので天文学的にも非常に役立っているそうです。

金環日食

金環日食

重なった月の周りから太陽の光が出てリング状になる現象です。

地球から見た太陽と月の大きさはほとんど同じですが、地球は太陽の周りを楕円形に回り、月は地球の周りを楕円形に回っているのでタイミングによって太陽のほうが月よりも大きく見えることがあります。

このときには太陽の形がリング状となる金環日食が現れます。

金環皆既日食

稀にですが太陽と月の大きさがほとんど一緒になることがあります。

そんな時には地球上の見る場所によって皆既日食にも、金環日食にも見えることがあります。

月と太陽の見かけの大きさが同じときを金環皆既日食と言います。

部分日食

部分日食

太陽の一部が月と重なりますが完全には重ならない現象です。

重なる面積にもよりますが、少ししか重ならないときにはあまり明るさの違いが感じられず知らなければ気付かないことも多いです。

日出帯食

部分日食のように太陽の一部が月でかけている状態で昇る太陽のことです。

日入帯食(日没帯食)

太陽の一部が月によってかけた状態で沈む太陽のことです。

日食の継続時間は?

部分日食は数十分以上続くこともありますが、皆既日食は通常数十秒から1,2分程度です。

ただ、月や太陽の位置によっては最長で7分30秒も続く日があるようです。

残念ながら21世紀を生きる私たちはその長い日食は見られず22世紀後半などに現れるようです。。。

発生する頻度は?

皆既日食や金環日食の発生する日時はほぼ正確に予報することができ、地球上のどこかしらで起こる頻度はほぼ177日ごとに発生します。

そのため、1年に最低でも2回発生し、多い時には3回発生する年もあるようです。

日食が起きる太陽と月と地球の位置と同じ場所に戻る日数は354日ですが反対側の位置でも日食起きるので177日ごとに見ることができます。

ただし、金環日食が起きた177日後は皆既日食、そのまた177日後は金環日食と交互に現れます。少しずつずれていくようなので長い期間で見ると変わるようです。

いつ見れるの?

日食は世界中(地球上)でみると177日、約半年に1回程度は起きています。

ただし、見られる場所が海の上や無人島など自分のいるところでは見られないということも少なくありません。

そこで、日本で見られる日をまとめました。

種類日付場所
部分日食2019年1月6日(日)日本全国
部分日食2019年12月26日(木)日本全国
部分日食2020年6月21日(日)日本全国
金環日食2030年6月1日(土)北海道付近
部分日食2032年11月3日(水)日本全国
皆既日食2035年9月2日(日)茨城県と富山県を結ぶ一帯

金環日食と皆既日食が日本で起こるのは2030年と2035年とだいぶ先になってしまいますが、部分日食であれば2019年12月26日にチャンスが到来します。

その時までに撮影したり観察したりできる機材をしっかり用意しておきたいですね。

日食撮影に必要なアイテム

望遠レンズを持った女性の後ろ姿

太陽は非常にまぶしく遠くにあるので撮影には準備が必要です。

残念ながらスマホなどのカメラではキレイに撮影できないので必要なものを紹介していきます。

デジタルカメラとレンズ

カメラはシャッタースピードを自由に変えることができて、望遠レンズがつけられるなど望遠撮影に対応したカメラを使いましょう。

通常のシャッターではシャッタースピード1/4000などが最速になりますが、電子シャッター搭載のカメラでは1/10000秒を超える超高速シャッターにも対応できるのでおすすめです。

望遠レンズ

レンズはできるだけ望遠のレンズがおすすめで、できれば焦点距離500mm以上の超望遠レンズがおすすめです。

皆既日食の瞬間に太陽の周辺にあるコロナやプロミネンス(紅炎)を撮影することもできます。

皆既日食の終わる瞬間に見られるダイヤモンドリングもくっきりと写すことができます。

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標準レンズ

太陽の満ち欠けを写したいときには標準レンズか広角レンズを使いましょう。

比較明合成を行うことで特別な一枚にすることができます。

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高濃度NDフィルター

皆既日食の瞬間を切り取るときには高濃度は不要ですが、金環日食や部分日食の撮影では必須となります。

太陽を撮影するときはカメラに入る光を1万〜10万分の1にまで少なくしなければ露出オーバーでうまく撮影することができません。

ND10000〜ND100000のNDフィルターを使いましょう。

ND400を2枚重ねてND16000として使ってもOKでがフレアやゴーストといったノイズが発生する可能性が高くなるのでできる限り1枚で撮りましょう。

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三脚

広角レンズで比較明合成を行うときでも超望遠撮影で撮影するときでも三脚は必ず使って手ブレを防止しましょう。

特に望遠レンズは手ブレしやすいので三脚は必ず使うようにしましょう。

超望遠レンズは大型で中には数kgにもなるくらい重いので三脚も耐荷重があるものを選びましょう。

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レリーズ

三脚を使ってもシャッターを押すときの手ブレを防止しなければ意味がなくなってしまいます。

タイマー機能は必要ないので安いものでも大丈夫ですがレリーズは必ず使って撮影するようにしましょう。

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赤道儀

地球は自転しているのでカメラを太陽に合わせても時間が経つにつれて少しずつずれていってしまいます。

赤道儀は地球の自転に合わせてカメラ本体をゆっくり回転させて構図を一定にしながら撮影できるアクセサリです。

超望遠レンズでは時間経過ですぐに写真から太陽が外れてしまうので必ず使うようにしましょう。

また、皆既日食の変化を確実に写真に収めたいときには赤道儀を使いましょう。

日食撮影のポイント

日食撮影用のカメラ
刻一刻と明るさの変わる日食の撮影ポイントをまとめました。

マニュアルモードで撮影しよう

日食撮影の設定表

オートモードでは適切な明るさに調節できないので基本的にはマニュアルモードで撮影しましょう。

絞りやシャッタースピード、使用するNDフィルターの濃度のおおよその目安をまとめました。

ISO感度は画質確保のためにも100としましょう。

マニュアルフォーカスでピントを合わせよう

オートフォーカスではうまくピントが合わないことがあるのでマニュアルフォーカスでピントを合わせましょう。

ダイヤモンドリングなどの撮影では連射を活用しよう

ダイヤモンドリング

ダイヤモンドリングなどのシャッターチャンスは数秒のほんの一瞬しかありません。

そんなときには連射モードを使ってベストな写真が撮れるようにしましょう。

RAWや性能の低いSDカードを使っている場合は書き込み速度の問題で連射枚数が限られる可能性があるので注意しましょう。

最大書き込み速度180MB/sと他のSDカードの約2倍のこちらのSDカードがおすすめです

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日食撮影の注意点

日食撮影や観察時の注意点をまとめました。

太陽を直接見ないようにしよう

日食を見る人達

太陽を直接見ると目に非常に良くないです。過去に30分ほど直視して失明というニュースも見たことがあります。。。

ピント合わせなどをするときも一眼レフの光学ファインダーで覗き込むことはせずに、ライブビューモードにして太陽を見るようにしましょう。

観察するときは必ず太陽を見るためのサングラスを使用するようにしましょう!

長時間撮影には注意しよう

時期にもよりますが直射日光が当たる中で長時間撮影しているとカメラの温度が上がってしまいます。

画質の低下や最悪の場合には故障してしまうことがあります。

長時間の撮影になる場合にはカメラ本体に太陽が当たらないようにタオルをかけるなどの工夫しましょう。

まとめ

2019年12月26日には日本全国で部分日食が起きるので是非撮影に挑戦してみましょう。

普段はあまり感じない宇宙の壮大さや自然の美しさを感じられる機会になります。

ただし、太陽光を直接見るのは危険なので絶対にやめましょう。

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