ボケをキレイに魅せる3つのポイント!ボケに合った被写体は?被写界深度が変わる理由

被写界深度とボケのアイキャッチ撮り方
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撮影に慣れてくるとボケをキレイに表現したり、逆にボケさせたくなかったりするときが出てくると思います。

今回は、ボケさせた写真を撮るための3つのポイントと、ボケさせない写真を撮るための3つのポイントをご紹介します。

今回紹介するポイントを押さえておくことでさらに思い通りの写真を撮ることができるようになり、撮れる写真の幅がさらに広がります。

ボケやすさは被写界深度という言葉で表現されるのでこちらも知っておきましょう。

被写界深度が変わる理由についても紹介しているので興味のある方は是非見てください!

被写界深度とは?

被写界深度の浅い写真と深い写真の比較

被写界深度は、ピントが合う範囲のことです。

ピントが合っている範囲が狭くてボケやすいことを「被写界深度が浅い」と言い、逆にピントが合う範囲が手前から奥までと広いことを「被写界深度が深い」と表現します。

被写界深度が浅い写真をボケ、被写界深度が深い写真をパンフォーカス(ディープフォーカス)と言います。

パンフォーカスという言葉はなかなか馴染みがないと思いますが意外と使う場面が多いです。

ぼかし撮影3つのポイント

ピンクの花に寄ってきたハチと丸ボケの効いた暖かい写真

ボケを表現するための3つの方法を紹介していきます。

①絞りを開放する

絞りを開放すればするほど被写界深度が浅くなるためボケやすくなります。

一般的に単焦点レンズ(ズームができないレンズ)はF値が1.4や1.8などの明るいレンズが多いのでボケを表現しやすいです。

望遠レンズはF値が大きいものが多く、F値が小さいものは非常に値段が高くなります。
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②焦点距離が長いレンズを使用する

望遠レンズのように焦点距離が長いレンズを使うと被写界深度が浅くなりボケやすくなります。
イメージセンサーが大きいカメラは同じ画角でも焦点距離が長くなります。

例えば、イメージセンサーサイズが大きい35mmフルサイズで焦点距離80mmで撮った写真とイメージセンサーサイズが少し小さいAPS-Cで焦点距離50mmで撮った写真は同じ範囲を写した写真になります。

ただ、フルサイズのほうが焦点距離80mmと長くなっているのでボケやすくなります。

③近くから撮る

近くから撮れば撮るほど被写界深度が浅くなってボケが強くなります。

マクロレンズやクローズアップレンズを使って接写撮影をするときれいにボケを表現することができます。

絞りの解放と合わせると被写界深度が浅くなりすぎてピントを合わせるのが難しくなるほどボケることもあるので、そんなときには三脚などで固定して撮影しましょう。

パンフォーカス撮影3つのポイント

朝焼けに照らされた湖畔に反射する青い空と雲と船

パンフォーカス撮影のポイントはボケ表現の逆になりますがしっかり押さえておきましょう。

①絞りを絞る

絞りを絞るほど被写界深度が深くなり、パンフォーカスになります。

しかし、絞りすぎると暗くなってしまうため撮影条件によってはISO感度を上げたり、シャッタースピードを遅くする必要があります。

シャッタースピードを遅くするときは三脚などでカメラを固定すると手ブレを気にせず撮影できます。

②焦点距離が短いレンズを使用する

焦点距離が短ければ短いほど被写界深度が深くなるため、広角レンズや超広角レンズを使うとパンフォーカスになります。

画角が同じでもイメージセンサーが小さいほど、焦点距離が短くなるため被写界深度が深くなります。

スマホやコンデジはイメージセンサーが小さいためボケを表現しにくくパンフォーカスになりやすいです。

③遠くから撮る

被写体から離れるほど、被写界深度が深くなりパンフォーカスになります。

ピントを合わせる位置にもよりますが遠くにある山などの風景を撮るとピントが合いやすいです。

その代り、離れて撮る分被写体が小さくなるので注意が必要です。望遠レンズを使うと焦点距離が長くなるのでボケやすくなってしまうので絞りなどを調整して撮りましょう。

ボケとパンフォーカスのオススメ被写体

ボケとパンフォーカスはそれぞれ写真の印象を大きく変えるので被写体によって使い分けて見ましょう。

もちろん、その通りに撮らないといけないことはないのでいろいろと調整して撮影してみましょう。

ボケが好まれる被写体

ボケ表現は「柔らかい・優しい」といった印象になるので下のような場面で好まれます。

夕焼けをバックにしたボケの効いたひまわり写真

花のかわいらしさや色味を引き立てることができます。

前ボケを利用して写真全体を色鮮やかに表現するのもおもしろいのでオススメです。

ポートレート

ボケの効いた美しい金髪女性のポートレート

ポートレート撮影では背景をぼかすことでメインモデルをより印象的に写すことができます。

背景となる後ろにあるものが離れているほどキレイにボケを表現することができます。

夜の光

夜のレインボーブリッジをぼかして丸ボケを効かせた海からの写真

夜の街灯や街並みの光をキレイにボケさせると光が丸ボケして幻想的な写真に仕上げることができます。

これもピントを合わせている部分と光源に距離があるほど丸ボケが大きくなり印象的になります。

ボケさせすぎると丸ボケが大きくなりすぎるので絞りなどで調整しましょう。

パンフォーカスが好まれる被写体

パンフォーカスは「硬い・冷たい」といったような印象になるので下のような場面で好まれます。

風景

夕焼けに照らされた海外の高層ビルが立ち並ぶ街並み

風景写真ではボケさせず全体にピントを合わせた写真が好まれます。

中途半端に多少ボケが入ってしまうと画質が良くないような写真になってしまうので注意しましょう。

手前と奥のどちらもメインにしたいとき

夏のひまわり畑の中に立つ麦わら帽子にワンピース姿の女性

観光地などの記念撮影などでは手前も奥もしっかり写したいときにはパンフォーカスにしましょう。

圧縮効果、遠近法を利用したいとき

ピサの斜塔と石造のパンフォーカス写真

望遠レンズの圧縮効果をしっかり見せたいときや遠近法を楽しみたいときにはボケないように撮影しましょう。

被写界深度がなんで変わるの?

絞りや焦点距離が変わるとなぜ被写界深度が変わるのかイメージ図を使って解説していきます。

絞りと被写界深度の関係

被写界深度と絞りの関係イメージ図

絞りを変更すると上のイメージのように光が交差角度が変わることで被写界深度が変わります。

交差する光が平行に近づくほど被写界深度が深くなり、垂直に近づくほど被写界深度が浅くなります。

被写体との距離と焦点距離が同じ場合、絞りを開放すると被写界深度が浅くなり、絞ると被写界深度が深くなります。

焦点距離と被写界深度の関係

被写界信徒と焦点距離の関係イメージ図

焦点距離を変えた場合のイメージ図です。

絞りと被写体との距離が同じで焦点距離が長いほど被写界深度が浅くなり短いほど被写界深度が深くなります。

イメージセンサーの大きいカメラのほうが焦点距離の長いレンズを使う機会が多くなるのでボケが強くなり安いです。

被写体との距離と被写界深度の関係

被写界深度と距離の関係イメージ図
同じ絞り、焦点距離でも被写体に近づくほどボケやすくなります。

このように被写体との距離によっても被写界深度は変わってきます。

もっと近づきたいと思ったときはマクロレンズやクローズアップレンズなどを使いましょう。

まとめ

ボケさせたいときは次の3つのポイントを意識しましょう。

①絞りを開放する
②焦点距離が長いレンズを使用する(イメージセンサーが大きいカメラを使用する)
③被写体を近くから撮る

花、女性、光と相性が良いです。

パンフォーカスにさせたいときは次の3つのポイントを意識しましょう。

①絞りを絞る
②焦点距離が短いレンズを使用する(イメージセンサーが小さいカメラを使用する)
③被写体を遠くから撮る

風景写真などと相性が良いです。

皆さんもボケ、パンフォーカスを意識して素敵な写真を撮っていきましょう!
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