画質が良いかを画素数で判断する方は多いと思いますが、実は画素数が多いからと言って画質の良い、と必ずしもそうなるわけではありません。
広告などで「○○万画素!!」と言った宣伝のされ方が多いので画素数が多いほどすごい!というイメージを持っている方も多いと思います。
実際にはプロが使うような高価なハイエンドモデルのカメラのほうが安価なエントリーモデルよりも画素数が少ない場合もよくあります。
今回はなぜ画素数が多いからと言って全てが高画質にならないのかイメージ図を用いながら解説していきます。
画質とは?
解像度
解像度とは画像における画素の密度を表します。密度が高ければ高いほどきれいな写真になります。
上のイメージ図のように解像度が高いほどきれいに映ります。
階調
使用できる色の数で色の変化や濃淡、明るさの変化がどのように表現できるかどうかを表しています。
画像ファイルによく使われるJPEGファイルは256階調に対応しています。256階調は光の3原色の赤、青、緑それぞれに256色使えることを表していて、組み合わせとしては256の3乗で1677万色使えることを表しています。
RAWデータでは16384階調に対応しているものもあるのでその場合、約4兆3980億色ものデータを持つことができます。
コントラスト
コントラスト(明暗の差)が大きいほどクッキリとメリハリのある写真になり、差が小さいほどぼんやりとした写真になります。
ダイナミックレンジ
カメラはヒトの目よりダイナミックレンジが狭いので明るい場所を撮ると暗い場所が真っ暗になり、逆に暗い場所を撮ると明るい場所が真っ白になってしまうことがあります。
ノイズ
画像に点や線が映り込んだり、色が変わったりザラザラしたりしていないか。
画質を決める要素は画素数だけではなく、一般的にイメージセンサーで光を受け取る量が増えるほど画質が良くなります。
イメージセンサー(撮像素子)とは?
信号の読み出し方によってCMOSとCCDの2種類に分かれます。
画素(ピクセル)とは?
画素数が増えると色の変化や明るさの変化の細かい部分まで表現することができるので滑らかな写真になります。
画素数
階調があって色の情報をたくさん持つことができても、例えば画素数が35と少ないと滑らかに表現することができなくなります。
ピクセルとドット
画像の幅と高さを言う際は、画素ではなく例のようにピクセルを使うのが一般的です。(例:320×240ピクセル)
例えば、320×240ピクセルの画像を100%のサイズで印刷した場合、320×240ドットの画像になります。これを200%のサイズで印刷した場合は640×480ドットの画像になります。
画素数が多い=画質が良い、とはならない理由
ここから本題である画素数が増えるとどうなるかと言うことを解説していきます。
ここで、もう一つ画質を決める上で重要な要素があります。それがイメージセンサーが取り込む光の量です。
この受け取る光の量が少ないと電気信号に変換したときにノイズが発生したりと画質が悪くなってしまいます。逆に言えばたくさんの光を取り込むことができれば画質の良い写真が撮れることになります。
ここで重要なのは1画素の前面全てが受光部にはなれないということです。
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仕切り:画素同士の区切りや回路の絶縁に必要
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回路:光を電気信号に変えた後、その電気信号をカメラ本体に送るために必要
1画素の構造を少し細かく見てみるとイメージになりますがこのように受光できない部分があります。
画素数が増えることで仕切りも増えますので結果的に受光できない部分が増えてしまいます。
更にこの回路ですが技術的にある大きさよりも小さくすることが難しいため、画素数が多くなってくるほど回路の割合が多くなってしまいます。
画質を重視するならイメージセンサーのサイズで確認しよう
画質が画素数だけで決まらないなら何を見ればいいの?ということですが答えは簡単。イメージセンサーの大きさです。
しかし、イメージセンサーが大きくなると価格が上がり、カメラ本体のサイズも大きくなってしまいます。
イメージセンサーのサイズと画素数のバランスが大事なように、本体のサイズ、価格と画質とのバランスも自分に合ったものを選ぶことが大事です。
まとめ
画素数が増えると技術的には受光量が減ってきてしまいます。そのため画素数が多いことと画質が良いことは必ずしも一致しません。
画質の良い写真を撮りたいという方は画素数だけで判断するのではなく、イメージセンサーのサイズも確認してみましょう。
この記事を読む前は勘違いしていた、という方は是非イメージセンサーのサイズも確認してみましょう!
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