夏の夕立後など雨上がりの空でたまに見ることができる自然現象「虹」。見ることができたときには美しい景色に思わず写真を撮ってしまいますよね。
今回は虹の撮り方と様々な種類の虹をご紹介します。虹にも条件によって普段は見ることができない珍しい虹もあるのでぜひ確認してみてください。
ちなみに、虹は日本では7色と言いますが国によっては8色だったり5色だったり2色だったりと受け取られ方が全然違います。不思議ですよね!
虹が出る条件
虹は太陽の光が空気中の水分に反射、屈折することで現れる現象です。
空気中の水滴の大きさによってくっきり見えるかぼんやり見えるかが変わります。水滴が小さいほどぼんやりしてしまい、大きいほどくっきりと7色に分かれた虹を見ることができます。
雪では太陽の光がうまく反射、屈折しないので雪の降った後などでは虹を見ることはできません。
虹を見るためにはいくつか条件を紹介していきます。
太陽が出ていること
虹は太陽の光が屈折することで出てくる現象なので太陽が出ていないときには残念ながら見ることができません。
太陽の光は様々な波長の光(青~赤まで様々な色)を持っているため7色の虹を見ることができますが白熱電球などは様々な色を持っていないため7色の虹を見ることはできません。
空気中にたくさん水分があること
滝やシャワーなどで水しぶきが飛ぶような場所では空気中に水滴がたくさんある状態になるので太陽光が当たれば虹を見ることができます。
太陽の反対側をみること
さらに細かく説明すると虹は太陽の真反対(対日点)から42°付近の角度に現れます。太陽が出ている場合でも太陽が垂直近くの高い位置にある場合は見ることができないこともあります。
太陽の位置が低いほうが虹が見られる条件としては良いので朝や夕方、太陽の位置が低くなる冬のほうが条件がよくなります。
ただし、夏は夕立などで上の2つの条件が整いやすいので季節だけでは見やすさは一概に言えません。
虹の種類
原理としては同じですがどのような珍しい虹があるのか紹介していきます。
虹
それぞれに名前がついているので今度虹を見たときには他の虹が出ていないか確認してみましょう。
主虹
虹というと基本的には「主虹」のことを言います。主虹は7色がくっきりと浮かび上がっていて、円の外側が赤色、内側が紫色になっています。
副虹
円の外側が紫色、内側が赤色の虹です。太陽との角度が51~53°の範囲で見ることができます。
アレキサンダー暗帯
主虹は内側に反射が続くため内側が明るくなり、副虹は外側に反射が続くため外側が若干明るくなります。
白虹
水滴が大きくなると色が虹の幅が広くなって色がはっきりします。それに対して水滴が非常に小さくなると色が分かれなくなり白い虹になります。これを「白虹」と呼びます。
更に小さくなると虹にならずに何も見えなくなってしまうため滅多に起きない非常にめずらしい現象です。
反射虹
太陽光が水面などに反射してもう1つの虹ができることが希にあります。この反射によってできた虹を反射虹と言います。
反射虹が浮かび上がると3本(主虹、副虹、反射虹の主虹)や4本(主虹、副虹、反射虹の主虹、反射虹の副虹)になることがあります。
過剰虹
過剰虹は紫色の先にもさらに虹が続いていて、虹がいくつか重なって見えるような虹のことです。
望遠レンズなどで見ると過剰虹かどうかをしっかり確認できるようになります。
光の干渉によって起きることから干渉虹とも呼ばれます。
月虹
満月など月の光が強い場合にはうっすらと虹が見えることもあり、これを月虹と言います。太陽光と比べて非常に光が弱いため意識しないとあまり見ることができません。
虹をキレイに写すには?
虹の撮影はスマホなどでも簡単に撮影できるのでオートでも簡単に写すことができます。
ここではさらに虹を印象的に写すためのポイントを紹介していきます。
ピクチャーコントロール/スタイルを変えよう
水滴の大きさや太陽光の強さなど条件によっては虹があまり鮮やかでない場合があります。
コントラストが強くなることでさらに虹の光も強調されるようになります。
明るさを意識しよう
基本的には順光になるのでコントラストが強くなりすぎることは少ないですが、コントラストが強すぎて思い通りに描写できない場合は、思い切ってHDR撮影することもおもしろいです。
明るく撮りすぎると白とびしてしまい鮮やかさが損なわれてしまうので注意しましょう。
広角レンズで広く撮ろう
空気中の水分が広い範囲で均等になることは珍しく半円全てがきれいに見られることは意外と多くありません。
虹の半円がキレイにみられる特別なときに広角レンズがあると全体をしっかり写すことができるので非常におすすめです。
PLフィルターを使ってみよう
PLフィルターは光の反射を抑えたり強調したりすることができるフィルターです。
虹はまさに太陽光が反射することによって見られる現象なので、PLフィルターを使うことで虹を強調させて鮮やかに撮ることができます。
虹の撮影ポイント
虹を取り入れた写真撮影のポイント、ヒントを紹介していきます。非常に強い印象を与える被写体なのでうまく取り入れて素敵な写真に仕上げましょう。
虹全体を写す
虹を中心に置いて広角レンズで全体を写す最もシンプルで力強い構図です。
街中では建物が邪魔になってしまうためなかなか撮影することは難しいですが、海沿いや光源などで虹に出会えたら1枚は撮っておきたい撮り方ですね。
虹の根元にスポットしてみる
望遠レンズで虹の足元にスポットを当てて虹を見せつつ他の被写体も一緒に見せることができます。
望遠レンズで見てみるとわかりますが虹の根本に注目すると虹の太さがよくわかります。何の変哲もない風景でも虹が入るだけで全く別の印象に生まれ変わります。
虹を副題にする
滝などの他の被写体と一緒に撮ることでスケールの大きさと自然の神秘をより豊かに表現することができます。
夏の川やご家庭のプールなどで水遊びしている姿に虹を取り入れたポートレート写真にすることで、より夏らしく素敵な写真にすることもできます。ホースなどを使うことで簡単に虹をつくることができます。
まとめ
虹を見る条件は、①太陽があること、②空気中にたくさん水滴があること、③太陽の反対側をみること、の3つがあります。
地域にもよりますが夕立の多い夏の夕方は3つの条件がそろうことが多いので虹を見られる条件がそろいやすい時期です。
天気予報で夕立や通り雨が起きるかも、と聞いたときには是非虹の撮影を狙ってみてはいかがでしょうか。素敵な思い出の一枚になるはずです!
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