カメラレンズが根本から変わる!?2000年の時を超えて球面収差が無くなる大発見!

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2000年以上にわたって名だたる数学者、物理学者の天才が解決できなかった問題が2019年になってついに解決できる大発見がありました。

今回の発見は一眼レフやミラーレス、スマホなどのカメラだけでなく、レンズを使用している天体望遠鏡など様々な分野への応用もできると考えられています。

それでは、どのような発見で何がすごかったのか、ということをなるべくわかりやすく紹介していきます。

画質が悪くなってしまう「収差」とは?

皆さんご存知の通り光は直線にまっすぐ進む性質がありますが、レンズや水滴、空気などを別の物質がある場所を通ると「吸収」「透過」「反射」「屈折」「散乱」「分散」などの現象が起きるので、光の向きが曲がったり、光が弱くなったりします。

カメラを撮影するときには何枚ものレンズを光が通るためどうしても思い通りに光が集まってくれずにボケや歪みなどが起こってしまします。

このようにレンズを通ることによって起きる画質の劣化をまとめて「収差」とよびます。

収差には大きく2種類があり、さらに細かく名称が分かれていますが、今回はざっくり主な2種類の収差を紹介していきます。

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球面収差(ザイデル収差)

球面収差のイメージ図

球面収差は、レンズの曲がり方によって一点にまとまらずにボケや歪みが起きて不鮮明になってしまう現象です。

カメラに使われているレンズは1枚のレンズではなく、凸レンズや凹レンズなど様々なレンズが数枚~十数枚集まってできているので完璧に打ち消すことはできませんでした。

球面収差は、レンズに入ってきた光が一点に集まらないという収差でしたがこれ以外にも光の向きや方向の違いによってそれぞれ名前がついていますがそれらをまとめて「ザイデル収差」と言い、次に紹介する色収差と区別されて呼ばれます。

色収差

色収差のイメージ図

雨上がりなど空気中にたくさんの水蒸気に太陽光が当たると虹が出るようにレンズを通ることで色が分かれてしまいます。この色のにじみのことを色収差と言います。

この色収差はレンズや水蒸気など透明なものを通過すると起きてしまう現象ですが、鏡に反射した光では起きないという特徴があります。

カメラレンズの中には鏡を利用したミラーレンズというものもあるので色収差を気にしなくて大丈夫というメリットがあります。

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今回の発見内容とすごいところ

収差がどのようなものなのか何となくわかったところで今回の発見内容と何がすごかったのかを紹介して行きます。

「球面収差」を完全に補正できる公式を発見!

球面収差補正の公式

出典:Tecnológico de Monterrey

光が何枚ものレンズを通って最終的にカメラの眼であるイメージセンサーで一点に集まることで鮮明でクリアな高画質写真を撮ることができます。

現在の高性能レンズでは球面収差を補正するために「非球面レンズ」と呼ばれる独特な形をしたレンズを使うことで球面収差の少ない写真に仕上げることができます。

ただし、この非球面レンズの形は構成されているレンズによって変わります。さらに、どのような形状にすれば補正できるかはわかっていなかったため1つ1つ修正しながら高精度なレンズを作り上げる必要があります。

今回の大発見は、この球面収差を完全に補正するレンズの形を計算で出せるような公式が発見されたことです。

この発見によって今の技術でも修正しきれていなかった小さな球面収差も完璧に補正できるようになると考えられます。

球面収差以外のザイデル収差も今回の発見で対策ができるとのことで論文の発表もされています。

実際にはわかりませんが、製品に使用された際はコストも削減されるのかな?と個人的には思います。(付加価値がついたことでレンズの値段は上がってしまうかもしれませんが。。。)

さらに、カメラ以外にも天体望遠鏡など様々な分野での応用もできると考えられているため今後の宇宙関連にも貢献できる数式になっています。

現在(従来)の収差補正レンズ

非球面レンズと球面レンズの違いイメージ

現在使われている補正用の非球面レンズは、名前の通りきれいな球面をしているわけではなく、凹凸があるレンズになっています。

今の技術でもこの非球面レンズの登場により、従来のレンズよりも大幅に球面収差補正できています。

新しい収差補正レンズ

球面収差補正用レンズのイメージ図

出典:Tecnológico de Monterrey

新しく発見されたレンズの形は断面を見ると髭のようなうねうねした形で、正面から見るとビン底メガネのような山と谷のある水面の波紋みたいな形になっています。

500本ほどの光線でシミュレーションしたところ平均満足度は99.9999999999%とのことでとんでもない精度で補正できることがわかります。

2000年以上って本当?

レンズは大昔からあり、活用されてきていますが、紀元前2世紀に活躍した前のギリシャの数学者である「ディオクレス」も収差について言及していることから昔から問題視されていた問題と言えます。

17世紀に活躍し、重力なども発見したかの有名な天才「アイザック・ニュートン」や同時期に現れた天才数学者「ゴットフリート・ライプニッツ」もこの収差の問題に取り組んだが解決できなかったと著書も残っています。

今回の発見がすごい!というのも何となくわかってもらえると思います。

発見者と経緯

今回の公式を発見したのはメキシコ国立自治大学に在籍している博士課程の学生「ラファエル・ゴンザレス氏」です。

発見した経緯は、以下のとおりモンテレイ工科大学のインタビューにコメントしています。

“Me acuerdo queuna mañana me estaba preparando un pan con Nutella, y de repente dije: ¡madres! ¡está ahí! “.
「朝、ヌテラ(イタリアのチョコレートスプレッド)をパンに塗ってたら、ひらめいて思わず叫んだんだ。ママ、答えはここにあるって」

ひらめいた瞬間からプログラムに没頭して、数式が証明されたときには飛んで喜んだそうです。

まさに閃きとはこのようなことを言うのですね!

まとめ

少し難しい話になってしまいましたが、今回はカメラレンズに関する世紀の大発見を紹介しました。

球面収差は現在のレンズでは大なり小なり怒ってしまい画質が多少悪くなってしまうことがありましたが今回の発見で、高額なレンズよりもさらに鮮明でクリアに写せるレンズが登場するのも時間の問題かもしれません。

今後さらにカメラの性能が上がってさらに繊細で素敵な写真が撮れるようになるとおもしろいですね!

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