初めてでも簡単!月の表面までキレイに写す撮り方とよくある失敗の解決方法

青い月撮り方
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ふと空を見上げると美しい満月が顔をだしていることがありますよね。

月の撮影は難しそう。。と思っている人も少なくないと思いますが、実は初心者の方でも簡単に撮影できる被写体の1つなんです。

今回はそんな月の撮り方をご紹介していきます。

珍しい月の種類

「十五夜」や「中秋の名月」と言われるように昔から秋の月は美しいと言われていますが秋以外の月ももちろんキレイですよね。

2018年の1月に35年ぶりにあった「スーパーブルーブラッドムーン」は東京でもくっきり見えたため直接見た人も多かったのではないでしょうか?

月の種類については以下の記事で紹介しているのでぜひ確認してみてください。

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撮影の準備をしよう

カメラやレンズ、三脚

月を撮影するときは基本的に手持ち撮影でもキレイに写すことができるので望遠レンズがあれば基本的にはカメラだけで撮影できますが、いろいろと撮影の幅を広げることができるので紹介していきます。

望遠レンズ、高倍率カメラ

月の撮影には必ず望遠レンズが必要になるので必ず用意しましょう。一眼レフやミラーレスに最初についてくるキットレンズでも十分です。

焦点距離が長いレンズのほうが望遠になります35mm換算で200mm以上、できれば300mmあると大きく写せるのでおすすめです。

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中には光学40倍ズームの焦点距離1000mm相当を実現するコンデジもあります。

三脚

満月は非常に明るいので手持ちでも全く問題なく撮影できますが、半月や三日月など月の明るさが暗くなってくると三脚を使ったほうが鮮明に写せることも多くなります。

特に焦点距離300mmを超えるような望遠レンズを使う時には三脚を使って手ブレを抑えるようにしましょう。

シャッタースピードの設定には工夫が必要になるので後程紹介していきます。

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レリーズ

レリーズを使うことでシャッターを押すときにカメラがぶれてしまうことを防ぐことができます。

三脚を使ってカメラを固定しても、このシャッターブレは防ぐことができないので三脚を使うときはできるだけレリーズも使うようにしましょう。

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月を撮るときの基本設定

カメラの設定ダイヤル

満月はかなり明るいので星空の撮影よりも簡単に撮影することができます。

ただ、オートなどの設定ではうまく撮影することができないのでどのような設定が必要か確認していきましょう。

マニュアルモードで撮影しよう

カメラ上部に付いているダイヤルを「M」に変えてマニュアルモードに変更します。

マニュアルモードにすることで、明るさに関係する「絞り」「シャッタースピード」「ISO」の3つの設定を自由に変えることができます。

この3つのモードを正しく設定することが月をキレイに写すための必要な条件になります。

また、色合いなどを決めるホワイトバランスなど、他の設定も自由に変えることができるようになります。慣れは必要ですが思い通りにカメラの仕上がりを変えることができます。

明るさに関わる設定を変更しよう

それでは月の撮影に一番重要な「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」の基本的な設定を確認していきましょう。

絞り

絞りは解放しすぎず、絞りすぎずのF8程度を目安にF8~F10くらいで設定しましょう。

絞りを開放するほど明るい写真が撮りやすくなりますが、その分被写界深度が浅くなってしまうのでピント合わせがシビアになってしまいます。

また、絞りを開放しすぎると収差と呼ばれる画質の劣化や色味の変化が起きやすくなってしまいます。

シャッタースピード

シャッタースピードは焦点距離にもよりますが、1/400程度を目安に1/100~1/800くらいで設定しましょう。

月の撮影ではシャッタースピードを速めに撮ることが重要です。

シャッタースピードが遅すぎると「手ブレ」と「被写体ブレ」が起きやすくなってしまいうまく撮影できなくなってしまいます。

どちらも、焦点距離が長い望遠レンズを使っているほどブレやすくなってしまうので注意が必要です。

ISO感度

ISO感度は基本的に100と小さくしておいて絞りとシャッタースピードが変えられない場合は400や最大でも800くらいを目安に設定しましょう。

ISO感度は上げれば上げるほど明るく撮影できますが、ノイズが増えてしまいざらつきのある写真になってしまいます。

イメージセンサーの大きい一眼レフやミラーレスのほうがISO感度を上げてもノイズが出にくいことが多いです。

月の満ち欠けで設定を変えよう

ISO感度とシャッタースピードと絞りの明るさの段数

写真
絞り
SS※
ISO感度
満月
満月
F8.0
1/200
100
半月
半月
F8.0
1/160
400
三日月
三日月
F8.0
1/100
800
※SS:シャッタースピード

絞り優先モードで撮影する場合は必要に応じて露出補正をマイナスにして好みの明るさに調整しましょう。

あくまで目安なのでカメラの性能や月の明るさに応じて微調整しながら撮影してみてください。皆既月食でも設定を少し明るめにして撮ることできれいに撮影することができます。
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ホワイトバランスで印象を変えよう

ホワイトバランスによる月の色の違い

月を撮影するときはホワイトバランスを変えることで月の色が変わるので印象を大きく変えることができます。

オートにすると白に近づきますが、太陽光や曇天などにするとイメージに近い黄色っぽい色になります。

蛍光灯にすると青っぽいクールな印象になりますが、白熱電球などにしてしまうと現実味のない真っ青な月になってしまうので注意しましょう。

RAWで撮ることが後からでも画質を落とさずに変更することができるのでおすすめです。

フォーカスモード/エリアはなんでもOK

ピント合わせは基本的にオートフォーカス(AF)でできるのでフォーカスモードやフォーカスエリアを気にする必要はありません。

ただし、超望遠レンズで確実にピントを合わせたいときにはマニュアルフォーカスやシングルポイントフォーカスを活用して確実にピントを合わせるようにしましょう。

手ブレ補正をONにしよう

手ブレ補正を使うことで手持ちでもシャッタースピードを遅くしてキレイに撮ることができます。

望遠レンズには2~4段分の手ブレ補正がついている機種も多いですし、ミラーレスでも最近では4段や5段のカメラ内手ブレ補正がついている機種も出てきています。

1段毎にシャッタースピードは倍半分になるので、例えば、以下の設定でもぶれにくさが同じくらいになります。

1/800(手ブレ補正なし)=1/50(手ブレ補正4段)

撮影したらトリミングして大きくみせよう

焦点距離が長い望遠レンズでも焦点距離400mmや500mm以上ないと写真いっぱいに広がる写真にすることは難しいです。

一眼レフやミラーレスは画素数が大きく鮮明に撮影できているので写真拡大しても高画質を維持することができます。

撮った写真は一見、月が小さいと思ってしまうかもしれませんが画質が悪くならない程度に拡大してしまいましょう。

スマホでは絶対に撮れない素敵な一枚を撮ることができます。

よくある失敗と注意点

ここからは月の撮影でよくある失敗と対策を紹介していきます。

月がうまく撮れない、と思っている方は是非こちらを確認してみてください!

オートで撮って真っ白に

白とびしてる月

オートモードで撮影するときはカメラのセンサーで適切な明るさを判断しますが、月や星など、太陽や街灯よりも全然暗い被写体ではうまく感知することができません。

そのため、月の表面が全く見られないくらい明るめに撮ってしまいます。

マニュアルモードに変更して絞り、シャッタースピード、ISO感度を適切な明るさに設定して撮影するようにしましょう。

絞り優先(A)モードやシャッタースピード優先(S)モード、プログラムオート(P)モードを使う場合には露出補正をマイナスにして撮るようにしましょう。(マニュアルモードでは効きません)

三日月など暗い月での手ブレ

「望遠レンズを使用している」、「手ブレ補正がない(弱い)」といった条件では非常に手ブレしやすくなってしまいます。

手ブレ補正がない場合の手ブレしないシャッタースピードの目安は35mm換算焦点距離分の1秒より速くすることです。

300mmのレンズでは1/300以上、400mmのレンズでは1/400以上を目安に設定しましょう。

焦点距離が長くなるほど手持ち撮影は難しくなるので三脚などを使ってカメラを固定するようにしましょう。

長時間露出の被写体ブレ

ISO感度を下げて高画質で撮影したい、ということでシャッタースピードを遅くして撮影することも星などの撮影ではよくやりますよね。

三脚やレリーズを使ってカメラを固定しても月も星と同じように動いて行ってしまうので長時間露出撮影してしまうと月がぶれてしまいます。

月は星と比べてとても大きく表面のクレーターなどの模様も見たいのでシャッタースピードを遅くても1/100くらいを目安に撮影しましょう。

超望遠レンズを使っている場合はもう少し速めにしたほうが安心です。

まとめ

月の撮影は三脚などの機材も基本的にはあまり必要なく、初めて買ったときについてきたレンズでも十分撮影できるおすすめの被写体です。

スマートフォンでの撮影は望遠鏡などが必要になってきてしまいますが一眼レフやミラーレスであれば簡単に撮影できます。

天気の良い日や珍しい月に出会えたときには是非チャレンジしてみてください!

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