夏と言えば花火や夏祭といったイベント、スイカやかき氷といった食べ物も夏の思い出になりますが、それ以外にもカブトムシやクワガタといった生き物も特に少年には魅力的ですよね。
今回は夏の風物詩で子供から大人まで楽しめるホタルの時期や場所、撮り方を紹介していきます。
ただ、まだまだ保護が進んでいる貴重な生物なのに変わりはないのでマナーを守みながら楽しく観察したり撮ったりしましょう。
ホタルを見つけよう
まずは、ホタルの種類や生態について簡単に紹介していきます。適当に探していてもなかなか出会うことができないのでしっかり押さえておきましょう。
有名な場所では人も多く見ることができても落ち着いて撮影することが難しいこともあります。
条件がわかっていれば意外な場所で出会えるかもしれません!
ホタルの種類と基本情報
日本で見られるホタルは約10種類見ることができますが、実は光るホタルよりも光らない種類のほうが圧倒的に多いです。
日本で見られる光るホタルには主に「ゲンジボタル」「ヘイケボタル」「ヒメボタル」の3種類がいます。
それぞれの時期や見られる時間帯をまとめました。
種類 |
ゲンジボタル
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ヘイケボタル
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ヒメボタル |
時期 |
5月〜7月
見頃は6月上旬〜下旬
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6月〜9月
地域による
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5月〜8月
地域による
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分布 |
本州、四国、九州と周囲の島
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北海道〜九州
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本州、四国、九州
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生息地 | 流れのあるキレイな水場や渓流 |
水田や湿地
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標高の高い山地
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時間 |
・19:00〜21:00頃(8時〜が活発)
・23:00頃
・2:00頃
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・19:00〜21:00頃(8時〜が活発)
・23:00頃
・2:00頃
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・19:30〜22:00
・23:00〜深夜
(夜型と深夜型は地域による)
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ホタルがよく飛ぶ日
ホタルが飛びやすい条件は以下の通りです。
- 新月、曇りの日(暗い日)
- 湿度が高く暖かい日(20℃以上あると良)
- 風が吹いてない日
満月や雨の日、風が強い日などはあまり飛ばないので注意しましょう。
基本的には一日の中で20時台がもっとも活発に飛ぶのでチャンスです!
ホタルによる写り方の違い
ホタルは光り方が違うので同じように撮影しても印象の違う写真になります。
どのような写真にしたいのかによっても取りに行く場所が変わってきます。
ゲンジボタル、ヘイケボタル
ゲンジボタルやヘイケボタルは数秒間光って、また時間をおいて数秒間光ってを繰り返します。
そのため、飛んでいるホタルの写り方は線のような形で写り込みます。同じ種類でも光り方は多少変わってくるので仕上がりは多少変わりますが、大体は上の写真のようになります。
ヒメボタル
ヒメボタルは歩道用信号の点滅のようにパッパッと光るので飛んでいるホタルを撮っても選にはならずいくつもの点として写ります。
ゲンジボタルやヘイケボタルよりも何匹もいるように見せることができるだけでなく、大きく印象が変わるのがわかると思います。
撮影に必要なもの
撮影方法の前により素敵な写真を撮るために持っておくべきものを紹介していきます。
カメラだけを片手にホタルの撮影はかなり難しいのできれいに撮るためにはしっかり準備していきましょう。
長時間露出できるカメラと明るいレンズ
ホタルを撮るときはシャッタースピードを変更して長時間露出撮影ができるカメラが必要になります。
一眼レフやミラーレスカメラであればシャッタースピードを自由に変えることができるので特に心配する必要はありません。
一部のコンデジや標準のスマホではシャッタースピードが変えられないため撮影は難しくなります。(スマホはアプリを使えば長時間露出も可能です)
明るいレンズが多い単焦点レンズについてはこちらで紹介しています。
三脚
長時間露出や比較明合成を行う場合には三脚を使う必要があります。ホタル撮影のときには必ず用意しましょう。
ホタルのいる場所は自然が豊かな場所が多く足元が舗装されていないことも多いので、なるべくしっかりした三脚を使うとストレスなく撮影することができます。
レリーズ
セルフタイマーやディレイモードを使えばレリーズは必須アイテムではありませんが、ホタルを撮影するときは真っ暗になるので素早く簡単にシャッターが押せるメリットのあるレリーズを使うようにしましょう。
セルフタイマーでは撮影までの時間ランプが点滅し周りの人やホタルに迷惑をかけてしまう可能性が高いのでなるべく使用を控えるか、事前に設定変更やランプを覆うなどして対策おきましょう。
レリーズについてはこちらで詳しく紹介していますが、特に安くて高性能なロワジャパンのタイマーレリーズがおすすめです。
比較明合成ソフト
比較明合成は複数の写真の明るい部分を合成させて素敵な1枚をつくる手法の1つです。
比較明合成ソフトは撮影前には必要ないですが、比較明合成を行う場合には撮影するときも事前に考えておく必要があります。
撮影後、比較明合成を行いたい場合にはこちらも準備しておきましょう。
ホタルの撮影のポイント
それではホタルをきれいに写すための撮影ポイントを紹介していきます。
設定値なども紹介していますが状況によって変わるので状況に応じて変えてみてください。
撮影モードはマニュアルモードで撮ろう
オートモードはもちろん、絞り優先やシャッタースピード優先にするとホタルの光ではなく周辺の明るさを適切にしようとするため失敗してしまうこともあります。
また、できあがる写真の明るさにムラができてしまう可能性があるので比較明合成もうまくいかなくなってしまいます。
シャッタースピードは割と自由でOK
写真に写るホタルの光の強弱は絞りとISO感度でほとんど決まり、シャッタースピードの長さはほとんど影響がありません。
シャッタースピードが長いと明るくなるイメージを持っている人も多いと思いますが、必ずしもそうではありません。
常に光源が同じ場所にある場合はシャッタースピードが長いほど明るくなりますが、光源が移動したり、光っている時間が短かったりする場合は長時間露出撮影しても明るくなりません。
ホタルの明るさがキレイに撮れる絞りとISO感度であれば周りの景色が明るくなりすぎない範囲で自由にシャッタースピードを変更することができます。
絞りは解放しよう
絞りを開放することで明るく写すことができます。
また、被写界深度が浅くなることでピントの合わない範囲が増えるので逆にホタルの光を印象付けることができるようになります。
ピントが合う位置から離れれば離れるほどホタルの光が大きく、きれいに写すことができます。
ISO感度はなるべく小さく
ISO感度を上げることで明るく写すことができるようになりますが、その分画質が悪くなってしまいます。
特に暗い場所では高感度ノイズといわれる写真全体のざらつきが目立ってきてしまうので100~800を目安にできる限り小さく設定するようにしましょう。
参考設定値
三脚とレリーズをセットして画角を調整しよう
三脚とレリーズをカメラに取り付けて画角を調整しましょう。
まだ明るいうちにセットしておくと楽ですが、暗くなってから準備する場合は事前に明るい場所で三脚とレリーズをセットしておくようにしましょう。現地での準備は難しいですし他の方への迷惑にもなりかねません。
暗い場所での画角を調整するときにで一回一回長時間露出で撮影するのは時間がかかってしまうので、画質度外視でISO感度を最大まで引き上げてベストポイントを探すのがおすすめです。
暗くなってからのフォーカスはマニュアルで
日没前の明るいうちから画角やフォーカスを決めておけば大丈夫ですが、暗くなってから合わせるときはマニュアルフォーカスにしましょう。
ピントを合わせたらあとは根気よく待ちつつ撮りましょう。
比較明合成を使うときの撮影ポイント
比較明合成を使うときの撮影ポイントを紹介していきます。
ホワイトバランスはオートにしない
ホワイトバランスをオートにしておくと1枚1枚の色味が微妙に変わってしまいます。そうなると合成したときに色ムラができたりと不自然な仕上がりになってしまいます。
事前の準備でホワイトバランスを変えて撮影してみて好みの色合いになるように設定しておきましょう。
RAWデータで撮影することで後からでも画質を劣化させることなく調整できるようになりますが、合成する枚数によっては調整が大変になってしまいます。
長時間露出ノイズ(ダークノイズ)低減は基本的にOFF
長時間露出ノイズ低減を使うとノイズを減らしよりキレイな写真に仕上げることができますが、撮影時間が2倍になってしまい撮影チャンスが減ってしまいます。
比較明合成のソフトでは長時間露出ノイズを後から補正することができるので基本的にはその機能を使うようにしましょう。
ダークノイズは同じ条件(撮影環境の気温や絞り、ISO感度設定など)で撮影すると全く同じ場所に同じノイズが現れます。ホタルを撮ったときとまったく同じ条件で1枚だけレンズカバーをつけて真っ暗な写真を撮っておく必要があります。
このノイズは気温が高ければ高いほど出やすくホタル撮影時期はノイズが出やすいので、できる限りソフトで補正するようにしましょう。
合成する場合は合成元となる写真を撮ろう
撮影場所にもよりますが、ホタル撮影のときはホタルの光以外はほとんど真っ暗になってしまいます。
暗くなってからの撮影の場合はさらに長時間露出で撮影して明るい景色の写真を撮っておきましょう。
【厳守】ホタル撮影の3つのマナー
ホタルの成虫の寿命は長くても約2週間、短いと3日程度です。翌年以降もホタルが見られる環境を守るためにもマナーをしっかりと守りましょう。
明るいものはダメ
ホタルは急に強い光を受けると死んでしまうこともあるそうです。
フラッシュ厳禁
特にスマホで撮影しようとしてフラッシュを焚いてしまったということがないよう気を付けましょう。
カメラの液晶画面
設定で暗くしたとしてもホタル撮影時にはかなりの明るさです。黒いタオルなどを用意して光が周りに漏れないようにしましょう。
カメラ用の液晶モニタールーペを使うのもおすすめです。
アクセスランプ
細かいと思うかもしれませんがマスキングテープなどで光が漏れないように対策しましょう。
AF補助ランプ
ホタル撮影は基本的にマニュアルフォーカスなので気にしなくていい部分ですが万が一のためにも設定で切っておきましょう。
設定できない機種もあるためその時にはテープなどで漏れないようにしましょう。
車のヘッドライト
できる限り離れた場所に置くなどの配慮が必要になります。
移動用の懐中電灯など
特に暗闇での白い光は非常に刺激が強いので赤い光が出せるライトなどを使いましょう。
虫除けスプレーはなるべく使わない
ホタルも虫なので虫除けスプレーはなるべく使わないようにしましょう。
それでも夏場の蚊は大変ですので使う場合にはスプレータイプではなく塗るタイプのものを事前に塗り、長袖長ズボンの格好で行くことが大事です。
こちらの虫よけクリームは肌の弱い方や0歳からでも使える天然由来の成分が多く使われているオススメのものです。
現地の住民や環境を考えよう
近くの住民のことを十分に考慮して撮影しましょう。
ホタルがたくさんいるからといって他人の敷地内に入ってしまうということは絶対にやめましょう。
電車撮影のために菜の花を踏み荒らした人に対して鉄道会社が苦言を呈したニュースは記憶に新しいですね。
まとめ
ホタルの撮影は意外と気にしないといけないことが多ので少し大変ですが、撮影自体は設定さえ間違わなければ意外と簡単に撮ることができます。
夏の暑さを感じる始める時期でもあるので事前準備をしっかり行うようにする必要がありますが撮影は非常に楽しいですよ。
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