初めてでも失敗しない三脚の選び方!自分に合った三脚に出会うポイントとおすすめの三脚を紹介

三脚につけた一眼レフで風景の写真をとろうとしているレンズ・アクセサリ
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花火や星空、滝などの撮影でシャッタースピードを長くしたり構図を固定させたいときには三脚が必要です。

カメラを買ったら必ずと言っていいほど必要になるアクセサリーの1つです!

今回は三脚選びのポイントとオススメの三脚をご紹介していきます。

三脚があると撮れる写真

最初に三脚を使うことによってキレイに撮ることができる被写体をいくつか紹介していきます。

星空

青く輝く天の川の写真

三脚を使って数秒~数十秒、数分といった長時間露出をすることで撮影できる被写体の1つです。

手持ちでは絶対に撮れないので三脚でカメラをしっかり固定する必要があります。

花火

都会の上空に打ち上げられたピンク色の花火の写真

花火の種類によってシャッタースピードを自在に変えることでキレイに撮影することができます。

カメラを固定することで比較明合成(コンポジット)もできるようになるので三脚を使った撮影がオススメです。

水の流れ

夕焼けに照らされた長時間露出撮影された滝の写真

水の流れを表現するときにはカメラを固定してシャッタースピードを遅くするのがオススメです。

手持ちではシャッタースピードが速過ぎて中途半端になってしまいます。

三脚の選びのポイント

三脚を選ぶときに確認するべきポイントを紹介していきます。

自分のカメラや用途に合っているかしっかり確認するようにしましょう。

耐荷重

耐荷重は何キログラムまで取り付けることができるかを表しています。

三脚を買ううえで最も重要なポイントになります。

耐荷重ぎりぎりのカメラを取り付けると安定性が悪くなるので注意しましょう。

耐荷重が1kgの三脚に本体、レンズ合わせて900g程度の機材を取り付けるとあまり安定せず足場が悪い場所では倒れてしまう可能性もあります。

機材の1.5倍の耐荷重があれば十分安定するので耐荷重には余裕を持って選びましょう。

一眼レフカメラの中でも大きなカメラは本体だけでも1kg以上あります。超望遠レンズはレンズだけで3kgを超えるものもありますので、2つ合わせると5kg近くになってしまうこともあります。

材質

三脚の材質は、主に「アルミ」と「カーボン」の2種類があります。どちらもメリット、デメリットがあるのでまとめてみました。
材質
メリット
デメリット
アルミ
・値段が安い
・冬場はとても冷たくなる
・重い
カーボン
・軽い
・冷たくなりにくい
・振動がすぐおさまる
・値段が高い

カーボンはアルミと比べて2~3割程度軽かったりと性能面で勝っています値段は1.5倍~2倍程度高くなってしまいます。

ただし、軽いことは持ち運ぶ点ではメリットとなりますが、その分安定性は少しなくなってしまいます。

三脚は重いものだと5kg以上とかなり重くなり持ち運ぶのが大変になります。

様々な場所で長期間使うことを考えると軽さは圧倒的にメリットとなるので予算のある方は、ぜひカーボンの三脚を選びましょう。

雲台

自由雲台と3way雲台の違い比較写真

雲台は、三脚とカメラをつなげてカメラの向きや角度を変える台のことです。

雲台にもいろいろな種類がありますが主な雲台は「3way雲台」と「自由雲台」の2つです。

安いものでは変えられないこともありますが、雲台を取り換えることができる三脚もたくさんあるので変更可能かどうかはしっかり確認しておきましょう。

3way雲台

3way雲台は上下、左右、角度をそれぞれ個別に調整することができる雲台です。

調整するためのとってがそれぞれついているので調整も簡単で初心者の方も安心です。

安定感もあり耐荷重が大きいものが多いですが、その分大きくなってしまいます。

2way雲台

2way雲台は上下、左右を調整することができる雲台です。

角度は調整できないため、縦構図で写真を撮ることができない構造になっています。

ビデオと写真撮影の両方を楽しみたい人向けの雲台です。

自由雲台(ボール雲台)

自由雲台はボール状になっているため自由自在に向きや角度を調整することができる雲台です。

コンパクトで自由自在に調整できるので様々な場面で思い通りの構図をつくることができるオススメの雲台です。

耐荷重はあまり大きくないので使うカメラやレンズの重さをしっかり確認しましょう。

カメラの取り付け方

テーブルの上に置かれたクイックシューの写真
カメラの取り付け方には主に2つ「ネジ」と「クイックシュー」があります。

ねじが一般的でカメラの下についているねじ穴に三脚のねじを取り付ける方法です。ねじだと脱着に時間がかかるので頻繁に脱着を繰り返すときは大変で、夜中など暗い時には付けるのが難しいです。

クイックシューはカメラのねじ部分にあらかじめ取り付けておくことで三脚にすぐに取り付けられる機構です。

いつでもどこでも簡単に脱着できるのでオススメです。

ロックの方法

ナット式とレバー式の固定方法による違いの写真

三脚の脚を伸ばしてちょうど良い長さに固定する方法です。主に「レバー式」と「ナット式」の2種類に分かれます。

レバー式

レバー式はレバーを上げると脚が伸ばせて、下げると固定できます。

閉め忘れもなくシンプルで分かりやすいのでオススメです。

ナット式

ナット式はネジを締めたり開けたりするのと同じようにナットを回転させて固定します。

何回転も回す必要はなく、90〜180°程度回せば大丈夫です。

どの向きからでも操作することができるので取り回しが良くコンパクトです。

高さ

三脚のアイレベルがわかる説明イメージ図

三脚の高さはアイレベル(目線の高さ)まであると撮影がしやすくなるのでオススメです。

アイレベルは三脚+カメラのファインダーの高さが自分の身長−10cm程度とされています。

EV(エレベーター:センターポールを伸ばして高さを変えるもの)を伸ばすと安定性が減るので注意しましょう。

高さが100cm程度だと手すりを超えないことも良くあるので手すりのある場所で撮影するときには150cm以上あると撮影しやすくなります。

低い場所から撮影したい場合もあると思うので低い方の高さもしっかり確認しましょう。三脚によっては脚を開いて低くできるものもあります。

脚先端の形状

脚の先端はゴムとスパイク、ゴム+スパイクのものがあります。

ゴムは汎用的ですが場所によっては滑ってしまいしっかり固定できないことがあります。

スパイクは氷の上や川の中などでもしっかり固定できますが、室内などで使ってしまうと床を傷つけてしまうのでゴムをするようにしましょう。

脚の段数

三脚をそれぞれ長さを変えて出している写真

基本的には3段か4段のものが一般的で、5段以上のものは特殊なものが多いです。

脚の段数が多いほどコンパクトで携帯性が良くなりますが、その分脚の太さが細くなるので対荷重が弱くなってしまいます。

また広げるのも手間がかかるのでしっかりと確認しましょう。

パイプ径

耐荷重が重くなるほど三脚のパイプ径も太くなって安定感が増えます。

耐荷重が重要になりますがパイプ径のおおよその目安は以下になります。
カメラ
パイプ径
コンデジ/スマホ
22mm以下
ミラーレス
22~25mm程度
一眼レフ
25~28mm程度
超望遠レンズ付きなど
28mm以上
※機種や使用するレンズによっても変わるので参考程度にしてください。

水準器

水平になっているか確認できる機構です。安価なものにはついていないものもありますがついているものがオススメです。

三脚のメーカー

主な三脚メーカーの一部を簡単に紹介していきます。

ベルボン Velbon

日本の三脚専業メーカーで60年以上の歴史ある日本を代表する三脚メーカーです。

確かな品質と実績があり、アマチュアからプロまで幅広く親しまれています。

近年、ウルトラロックと呼ばれるナット式ロックの新しい技術を開発し大ヒットしています。

スリック SLIK

ベルボンと同じく日本の三脚メーカーです。長年、日本国内シェアNO.1を獲得しておりベルボンと同様に日本を代表する三脚メーカーです。

カメラのアクセサリ用品を長年開発・販売しているケンコー・トキナーを親会社に持っており信頼も実績もあります。

ジッツオ Gitzo

現在ではマンフロットと同じグループに所属しているフランス生まれイタリア育ちの三脚メーカーです。

現在の三脚に間違いなく多大なる影響を与えており、60年以上の歴史があります。

今でも手作業で組み立てしている製品も多く価格は高いですが一生モノの三脚になるようなものばかりです。

マンフロット Manfrotto

イタリアの三脚メーカーで40年以上の歴史がある老舗メーカーです。

世界初の油圧システムを搭載したボール雲台の開発など三脚界をリードするメーカーの1つです。

ナショナルジオグラフィックのプロカメラマンも愛用するなど世界的にも人気があります。

オススメの三脚

三脚を使う場面や使うカメラによっても選ぶ三脚は変わってくるので用途にあった三脚を選ぶようにしましょう。

持ち運び重視のコンパクトな三脚

旅行に持っていったり、登山などでなるべく荷物を軽量にしたいという方はコンパクトな三脚がオススメです。

「耐荷重」と「重さ」をしっかり確認しましょう。

比較的価格も安いことが多いので試しに買ってみたいという方にもオススメです。

【SLIK】M100

日本のトップメーカーの1つであるSLIKのM100は、重さ895gで自由度のある設計で高さ16.5~124.1cmまで自在に高さを変えることができます。

耐荷重も1500gと重さのある機材でも安定させて撮影することができますし、コンパクトさも兼ね備えた素晴らしい一品です。

M100よりも高さのあるL100と、500mLペットボトル程度のサイズになるS100も取り揃えており用途に応じて好みのサイズを選ぶこともできます。

重さ895g
耐荷重1500g
段数4段
材質アルミ
縮長35 cm
全高(EVあり)124.1 cm
最低高16.5 cm
雲台タイプ自由雲台

【Velbon】UT-3AR

日本の老舗メーカーVelbonはトラベル用三脚の世界ランキング1位にもなっており品質の良さと使い勝手が世界的に評価されています。

重さ786gで収納時には29.5cmと非常に小さいコンパクトでありながら耐荷重も1500gに対応しており、持ち運びやすさと性能を兼ね備えた三脚です。

Velbon独自の固定方式「ウルトラロック」を採用しており、これさえ持っておけば旅行用などの三脚に困ることはなくなります!

雲台が自由雲台で取り外しもできないので自由雲台になれる必要があります。

重さ786g
耐荷重1500g
段数5段
材質アルミ
縮長29.5 cm
全高(EVあり)135.5 cm
最低高36 cm
雲台タイプ自由雲台

【ハクバ】H-BRS5C-GM

重さが810gと軽く小さくしたときには36cmとカバンにも入るコンパクトサイズです。

高さは122cmと少し低く、耐荷重も900gとあまり重い機材は乗せることができません。

その分、価格もリーズナブルなため初めての三脚であまりお金をかけずに試して見たいという方にオススメです。

将来的に望遠レンズ等を使ったり本格的に写真を撮りたいという人は必ずと言っていいほど買い替える必要が出てくると思います。

重さ810g
耐荷重900g
段数5段
材質アルミ
縮長36 cm
全高(EVあり)122 cm
最低高35.5 cm
雲台タイプ3WAY雲台

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【Manfrotto】MKCOMPACTACN-RD

世界的に評価の高いイタリアの老舗三脚メーカーManfrottoのコンパクト三脚の1つです。

高さ150cmあり、耐荷重も1500gとしっかりとしたつくりですが重さ1160gと軽くなっています。

収納も45.3cmとコンパクトにまとまっているので持ち運びも簡単でしっかりした撮影にも対応できます。値段も比較的リーズナブルです。

雲台が2way雲台となっているので縦構図にはできませんが動画撮影にも向いており様々な場面で活躍します。初めての三脚として買ったとしても長期間使用できるオススメの三脚です。

重さ1160g
耐荷重1500g
段数5段
材質アルミ
縮長45.3 cm
全高(EVあり)155 cm
最低高44 cm
雲台タイプ2WAY雲台

【JOBY】ゴリラポッド 1Kキット

ゴリラポッドは他の三脚とはまた少し違った三脚で脚を自由自在に動かすことができます。

手すりに巻きつけて固定したり、低い場所で固定したりと他の三脚では難しい場所にも固定することができます。

重さも約200gと非常に軽く大きさもあまり大きくないのでメインの三脚とは別に持ち歩くこともできます。コンパクトなためカメラに取り付けたままでも邪魔になりません。

重さ197g
耐荷重1000g
段数1段
サイズ高さ26cm×横幅5.5cm×厚み5cm
雲台タイプ自由雲台

撮影を重視した三脚

大きなカメラや調望遠レンズなどの大きな機材で撮影をする場合には大型のしっかりした三脚を選びましょう。

撮影重視の三脚を選ぶときは「耐荷重」と「操作性」等のカメラの位置の調整しやすさの確認が大事です。

望遠撮影の場合には、少しカメラの位置を変えるだけで写真が大きく変わるので操作性の良いものを選びましょう。

【Velbon】VS-5400Q

重さ約2kgで耐荷重3kgと大きいカメラや望遠レンズもしっかり支えられているつくりでありながら畳んだ時は63cmとコンパクトさも兼ね備えています。

カーボン材質のため全高194cmと高さがありながら軽いため、持ち運び安さと頑丈さを兼ね備えた三脚です。

予算がない方は少し小さくなりますがアルミ製のVS-443Qもオススメです。

重さ2180g
耐荷重3000g
段数4段
材質カーボン
縮長63 cm
全高(EVあり)194 cm
最低高26.7 cm
雲台タイプ自由雲台

【Manfrotto】MT055CXPRO4

高さが9~170cmと自由に変更でき、たたむと54.5cmで耐荷重9kgとコンパクトさと重い機材でも安心して取り付けることができる頑丈さを持っている三脚です。

カーボン材質のため振動にも強く、風の強い場所でも安心して使うことができます。

ほとんどの機材でどのような場面でも活躍する三脚になります。値段は張りますが後悔しない買い物をしたい人にはぜひオススメしたい三脚です。

重さ2100g
耐荷重9000g
段数4段
材質カーボン
縮長54.5 cm
全高(EVあり)170 cm
最低高9 cm
雲台タイプ自由雲台

【SLIK】ライトカーボン E83

重さ約2kgで耐荷重5kgと非常に頑丈なつくりになっています。パイプ径も28mmで段数も3段となっているため4段や5段のものと比べて安定感があり、最大まで伸ばしても安定した撮影ができるようになります。

ローポジションでの撮影にも対応しているので様々な場所で活躍します。また、シンプルな構造で誰でも簡単に安心して使うことができます。

カーボン材質であり品質の良さも確保しながら価格も中型の中では比較的安くオススメな三脚の1つです。

重さ2075g
耐荷重5000g
段数3段
材質カーボン
縮長67.5 cm
全高(EVあり)179.5 cm
最低高33 cm
雲台タイプ3WAY雲台

まとめ

三脚を使うことでシャッタースピードを自由自在に変更することができます。
カメラを支えるだけだからといって安物を買うと後悔してしまうかもしれません。
用途と使っているカメラを考えて買いましょう!

カメラ・レンズ・アクセサリの基本

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