技術の進化も進んでフルカラーが当たり前になっているのでモノクロ写真を積極的に撮っている人は少ないかもしれません。
しかし、モノクロ写真はカラー写真にはない魅力がたくさんあります。普段はモノクロ写真を全然撮っていない人にも挑戦してみて欲しい撮影方法の1つです。
モノクロ写真の魅力
モノクロ写真に隠れている魅力をご紹介していきます。
ノスタルジックでクールな印象を与えられる
昔の写真はモノクロ写真だけだっということもありどこか懐かしいようなノスタルジックな印象を与えることができます。
想像力を掻き立てる
作られてから長年の時を経て両腕が欠損してしまったことにより「不完性の魅力」が生まれて現在でも世界的に評価を得ている石像です。
カラー写真では背景が緑色であれば草木の生い茂る自然の中、青色であれば空や海、といった情報が入ってきますが、黒と白で構成されるモノクロ写真ではそのような情報が欠けているという不完性の魅力が出てきます。
明るさの階調に気づきやすい
カラー写真には色の階調と明るさの階調の2つの要素が入っています。
対してモノクロ写真には明るさの階調の要素だけになっているのでカラー写真では気が付かない新しい発見に気がつく可能性が高くなります。
細部の表現ができる
モノクロになるとシワの1つ1つや毛の1本1本にまで目が行くようになり細かい部分をより表現することができます。
もちろんカラー写真でも細かい部分を見ることはできますが、色の階調に紛れてしまうため細部には注目されにくくなります。
構図の勉強になる
明るさで写真を表現することになるので光の当たり方や構図の経験を積むのにも最適です。
モノクロ撮影では色がキレイだからとりあえず撮ってみる、という撮り方がなかなかできなくなります。
一眼レフの場合はファインダーから覗いてもモノクロにはなりません。
天候にあまり左右されない
天候が曇りや雨でも独特な世界観を表現できます。むしろ直射日光が当たらないため明るさの階調をキレイに表現することができます。
モノクロ写真の撮り方
モノクロ写真にする方法はいくつかありますがどの方法も非常に簡単でお手軽に楽しむことができます。
カメラの設定を変える
設定の現像、仕上がりを決める設定をモノクロに設定することで簡単にモノクロ写真を楽しむことができます。
メーカによって呼び方が変わります。
メーカー | 名称 |
Nikon
|
ピクチャーコントロール |
Canon | ピクチャースタイル |
OLYMPUS | 仕上がり |
SONY | クリエイティブスタイル |
Panasonic | クリエイティブコントロール |
FUJIFILM | フィルムシミュレーション |
それぞれにモノクロの設定があるので変更するだけで保存される写真がモノクロになります。
RAWで撮影することで後からでも画質を落とさずにカラー写真、モノクロ写真にすることができるので是非RAWデータで撮影しましょう。
ミラーレスや電子ファインダーの場合には撮影後のモノクロ写真のイメージを確認しながら撮影できます。
レンズフィルターを使う
レンズの先端にモノクロになるようなフィルターを取り付けて物理的にモノクロ写真にする方法もあります。
青い色を強調して晴天の青空を印象付けたり、緑色を白く明るく見せることで肉眼で見るのとはまた違った表現をすることもできます。
今まで通りのモノクロ写真とは違った写真を撮りたいという方は是非挑戦してみたい撮り方ですね。
編集ソフトを使う
撮影後にモノクロ写真に編集する方法です。もっとも簡単でお手軽な方法でスマホでの撮影でもすぐにチャレンジできます。
iPhoneやAndroidのスマホではアプリを使わなくても、もとから入っている標準の機能でモノクロにすることもできます。
編集の場合には画質が多少悪くなるので注意が必要ですがノイズを楽しめるのもモノクロの魅力です。
モノクロ写真のオススメ被写体
もちろん、下にはない被写体が向いてないということではないので参考として見てもらえれば嬉しいです。
ポートレート
ポートレート撮影はモノクロでも栄える被写体の1つです。
動物
モノクロは細部を細かく表現することができるので動物の毛やシワ、表情を豊かに表現することができます。
明るさを変えることで大きく印象が変わるので好みの明るさに調整して撮影してみましょう。
建物や室内
室内では寂しさや怖さの表現もできますし、街並みは近代社会とノスタルジックさとのギャップを楽しむことができます。
暗い室内を撮るときはISO感度を高めに設定して高感度ノイズをあえて取り入れるのも印象を変えるテクニックの1つです。ザラザラとした表現がより寂しさや懐かしさを印象付けます。
シルエット
シルエット写真は夕日とともに撮ったりすることも多いのでどこか懐かしい印象の写真になります。
マクロ撮影
マクロ撮影もモノクロ写真は細部を強調することができる撮影方法です。
モノクロ写真が向かないシーン
夕焼けや夏の青空、紅葉など色の鮮やかさや色とともに情景を表現したいときにはモノクロ撮影はあまり向いていません。
例えば夕焼けはオレンジ色の色合いがあってこそ夕暮れ時の情景を表現することができるのでモノクロになると何時頃に撮った写真かわからなくなります。
まとめ
アーティスティック、ノスタルジック、クールな印象を与えることができます。また、細部を印象付けることができるので今までとは違った表現を楽しむことができます。
撮影テクニックの基本
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