明るいレンズとは?単焦点レンズを使う5つのメリットとおすすめのレンズを紹介!

単焦点レンズを付けたオリンパスのミラーレス一眼 レンズ・アクセサリ
この記事は約11分で読めます。

カメラを初めて買った人はカメラとレンズが一緒になっているレンズキットにした人も多いのではないでしょうか。

ずっと使っていると他のレンズもだんだん欲しくなってきますよね!そこで選択肢の一つにあがるのが単焦点レンズです。

今回は単焦点レンズの特長と様々なメリットを紹介していきます。

単焦点レンズとは?

レンズには焦点距離を変えられる「ズームレンズ」と焦点距離が固定されている「単焦点レンズ」の2種類に分類できます。

単焦点レンズは焦点距離が固定されていて変えることができないレンズです。
焦点距離が変えられないと不便なんじゃないの?と思った人も多いと思います。

たしかに、画角の調整が難しくなり構図をつくるのも自分が調整する必要があるのでデメリットになってしまいます。

しかし、そのデメリットを差し引いたとしても数多くのメリットがあるレンズでプロもよく使っています。

単焦点レンズのメリット

それでは、単焦点レンズのメリットを確認していきましょう!

明るいレンズが多い

明るいレンズとは、絞り値(F値)が小さく光を多く取り込めるレンズのことです。

ズームレンズではF値は小さくてもF2.8が多くF1.4やF1.8はほとんどありません。それに対して、単焦点レンズだとF1.8やF1.4、中にはF1.2といったF値が非常に小さく明るいレンズがたくさんあります。

F4.0からF2.8になると約2倍の光を取り込むことができます。絞り値が小さい明るいレンズは以下のようなメリットがあります。

ボケやすくなる

絞りを変えるとボケやすさが大幅に変わります。ボケやすさは「被写界深度」という言葉で表されますが絞りを開放(F値を小さく)するほどボケやすく(被写界深度が浅く)なり今までとは違うボケの効いた印象的な写真になります。

ポートレートや花の撮影でふんわりと優しい印象にしたいときにはボケをしっかり効かせると印象的な写真になります。
ボケをキレイに魅せる3つのポイント!ボケに合った被写体は?被写界深度が変わる理由
撮影に慣れてくるとボケをキレイに表現したり、逆にボケさせたくなかったりするときが出てくると思います。 今回は、ボケさせた写真を撮るための3つのポイントと、ボケさせない写真を撮るための3つのポイントをご紹介します。 今回紹介するポイントを押さ...
明るいレンズでも絞りはF16やF22など絞ることができるので表現の幅が広がります。

シャッタースピードが上げやすい

シャッタースピードを上げて撮った水の反射の写真

コンサートや室内での発表会などの暗い場所での撮影でも、絞りを開放することで写真が明るくなり、ISO感度を上げずにシャッタースピードを速くすることができます。

そのため、画質の劣化と手ブレを気にせず高画質な撮影が可能になります。

ISO感度を上げれば上げるほどノイズが出てきてしまい画質が悪くなるので注意しましょう。

星空の撮影に強い

岩場で撮影された天の川と星空の写真

F値の小さいレンズでは星空を写すのに数十秒から数分といった長時間露出撮影が必要になります。しかし、長時間露出では星の位置が変わってしまい線になってしまいます。

赤道義を使えばの動きに合わせてカメラを移動させられるので線になりませんが、明るいレンズを使えば赤道儀を使わなくてもキレイに撮影することができます。

コンパクトで持ち運びやすい

単焦点レンズを付けたカメラを持った女性の写真

明るいレンズは光をより多く取り込めるように、レンズ全体が大きくなってしまいます。また、ズームレンズの場合にはレンズの枚数が多くなってしまい、さらに大きくなってしまいます。

それに対して単焦点レンズは明るいレンズを実現しながらもシンプルな設計となっており、ズームレンズよりもコンパクトで持ち運び安くなっています。

レンズや三脚、アクセサリーなどが増えてくるとどうしても荷物が多くなってしまうのでコンパクトなのはとても嬉しい特長です。

旅行などに持って行くときにも邪魔にならないので気軽に撮影を楽しむことができます。

値段が比較的安い

お金の上に生えた苗木の写真

レンズにもさまざまな種類があるので金額を単純に比べることはできませんが、焦点距離とF値だけを比べてみてみると例えば、焦点距離18mm~35mmのズームレンズでF値が1.8の場合およそ7万円(※)程度になります。

しかし、単焦点レンズの焦点距離35mmでF値が1.8だと1.5万円(※)程度のものもありズームレンズと比べて非常にリーズナブルな値段となっています。

いきなり10万円以上するようなレンズは手を出しにくいかと思いますが、単焦点レンズではカメラを始めたばかりの人でも手を出しやすい価格になっています。

※時期や機種で変わります

画質が良くなる

色収差と球面収差のイメージ図

光はレンズを通ると、屈折や反射などが起きてしまい「収差」と呼ばれる現象が起きてしまい色が一部変わってしまったりボヤけたような写真になってしまうことがあります。

単焦点レンズは構造がシンプルなので「収差」を補正することが比較的簡単でズームレンズと比べて画質が良くなる場合があります。
この収差は特に絞りを解放すると生じやすくなってしまいますが、単焦点レンズでは収差が起きにくい構造になっています。

収差については絞りの記事に合わせて詳しく解説しています。

絞りとは?写真の印象が大幅に変わる!絞りと明るさとボケの関係を解説
一眼レフやミラーレスを始めたばかりで最初に「絞り」という言葉を聞いたときに???と思う人がほとんどだと思います。 写真撮影においてこの絞りは非常に大事で今後も当たり前のように出てくる用語なのでしっかりと覚えておきましょう。 絞りとは? 絞り...

構図や写し方などの勉強になる

三分割構図になっている海の波の写真

単焦点レンズでは構図を変えるために被写体に近づいたり、離れたりと自分の位置を変えて工夫する必要があります。

写真のつくりかたは絞りやシャッタースピード、ホワイトバランス、構図、画角、撮影条件などなど無限大です。その中の焦点距離(画角)を制限することでどのように撮れば良いかを工夫しながら学ぶことができます。

初めのうちはズームレンズだとどうしてもズームで撮るか引きで撮るかばかりになってしまい似たような写真が多くなってしまいます。そうならないためにも初心者の方ほど単焦点レンズをおすすめされることも多くあります。

【写真25枚】基本構図10種類を紹介!構図を意識してステキな写真を撮ろう!
色々な場所に行って色々な被写体を撮っても毎回同じような写真になってしまう、と悩んでる人も多いのではないでしょうか。 センスがとびぬけてすごい人は別かもしれませんが何となくで撮っているとどうしても同じような構図で代わり映えのない写真が増えてし...

単焦点レンズのデメリット

メリットだけを見て買ってみたけど全然使わなかった、というのは非常にもったいないですよね!

事前にデメリットもしっかり見て自分が本当に使うかどうかを考えましょう。

焦点距離を変えたいときはレンズ交換が必要

単焦点レンズなので当り前なのですが、焦点距離を変えたいときにはレンズを交換する必要があります。動いている被写体や自分で移動しても好みの構図にできない場合には単焦点レンズだけでは対応できないこともあります。

レンズ交換の際にはカメラ内に埃が入るリスクや、交換用のレンズを持ち運ぶ必要があるので荷物が多くなることがあります。

シャッターチャンスを増やすためにも被写体を選んで使う必要があります。

おすすめの明るい単焦点レンズ

使えるレンズはカメラによって変わってくるのでどのレンズが自分の持っているカメラで使えるかしっかり確認するようにしましょう。

シグマやタムロンなどのサードパーティのレンズは様々なカメラメーカのマウントに対応していることも多いので探してみるとあるかもしれません。

初めての1本にオススメ

初めての単焦点レンズにオススメのレンズを紹介していきます。

価格もリーズナブルで持ち運びも楽なコンパクトなものを中心に紹介していきます。

【Canon】EF50mm F1.8 STM

Canonの純正レンズで160gというコンパクトさを確保しつつ、F1.8という非常に明るいレンズです。絞り羽根枚数も7枚となっており、丸ボケもきれいな円となって現れます。

センサーサイズがAPS-Cのカメラと組み合わせることで焦点距離80mm相当になるのでポートレート撮影にも向いているオススメのレンズです。

EFマウントのEOSシリーズに対応しています。価格も1万5千円程度と、初めてのレンズ購入でもチャレンジしやすくなっています。

主な仕様
焦点距離 50 mm (35mm換算 80mm相当)
最短撮影距離 0.35 m
最大撮影倍率 0.21倍
絞り羽枚数 7枚
最小絞り/最大絞り F1.8/F22
フィルターサイズ Φ49 mm
最大径 × 全長 φ69.2 × 39.3mm
重さ 約160g

Amazonで探す

【Nikon】AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G

Nikonの純正レンズで焦点距離35mm(35mm換算で52.5mm相当)のレンズで人の視覚と同じくらいの画角となっており風景やポートレート、星空の撮影など様々な場面で活躍できるレンズです。

F値も1.8で重さも200g程度とコンパクトで持ち運びもしやすいレンズです。レンズキットについてくるフィルター径と同じ52mmのため、フィルターなどの互換性が保たれるのもNikonユーザーにとっては嬉しいポイントです。

レンズが非球面構造になっており、上で紹介した「収差」や、写真の隅が暗くなってしまう「周辺光量落ち」も非常に少なくなり高画質な写真にまとめることができます。

マニュアル優先オートフォーカスの機能がついており、オートフォーカスから瞬時にマニュアルフォーカスに変更できるのでピントの合わせづらい絞りを開放した近距離撮影でもしっかりピント合わせできます。

主な仕様
焦点距離 35 mm (35mm換算 52.5mm相当)
最短撮影距離 0.30 m
最大撮影倍率 0.16倍
絞り羽枚数 7枚
最小絞り/最大絞り F1.8/F22
フィルターサイズ Φ52 mm
最大径 × 全長 φ70 × 52.5mm
重さ 約200g

【OLYMPUS】M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8

OLYMPUSやパナソニックのカメラを使っている方はマイクロフォーサーズに対応しているレンズが装着できます。OLYMPUS純正のレンズです。

単焦点レンズならではのF1.8という明るさでありながら137gと非常にコンパクトで軽量で持ち運び安いという特長があります。さらに、25cmまで近づいて撮影することができるのでマクロ撮影のように使うこともできてしまいます。

このレンズは焦点距離25mmなので35mm換算で50mmとちょうど人の視覚と同じくらいを写せる標準レンズになります。オートフォーカスもスムーズでスナップショットにも向いています。

主な仕様
焦点距離 25 mm (35mm換算 50mm相当)
最短撮影距離 0.25 m
最大撮影倍率 0.12倍
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
最小絞り/最大絞り F1.8/F22
フィルターサイズ Φ46 mm
最大径 × 全長 Φ57.8 × 42 mm
重さ 137 g

【SONY】SEL50F18F

SONY純正の焦点距離35mm、F値1.8の明るい単焦点レンズです。フルサイズには対応しておらず、APS-C専用となっていますが35mm換算で52.5mm程度となり風景やスナップ写真、ポートレート撮影など幅広く使うことができます。

オートフォーカスのレンズ駆動も静かで素早くスムーズに行うことができるため何枚も連続で撮るようなスナップ撮影にも絶大な効果を発揮します。

コンパクトさも兼ね備えているため持ち運びも気軽にできるオススメのレンズの1つです。

主な仕様
焦点距離 35 mm (35mm換算 52.5mm相当)
最短撮影距離 0.3 m
最大撮影倍率 0.15倍
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
最小絞り/最大絞り F1.8/F22
フィルターサイズ Φ49 mm
最大径 × 全長 Φ63 × 45 mm
重さ 約154 g

まとめ

明るい単焦点レンズは、絞り値が小さいため明るくボケの効いた写真を撮ることができます。コンパクトで収差も少なく、価格も比較的安かったりと嬉しい特長がたくさんあります。

ズームできない分、勉強にもなるので初心者の方にもオススメできるレンズです。

今まで使っていたレンズが物足りなくなってきたら是非使ってみてはいかがでしょうか!

カメラ・レンズ・アクセサリの基本

コメント