短い期間ですが梅雨の時期に美しい花を魅せるあやめですが、実は非常に似ている花がいくつかあり、どれもあやめと呼ばれています。
見た目だけなく開花時期も5月から6月頃と同じため見分けがつきにくいのでどの花なのかわからない、といったこともよくあります。
あやめの基本情報
あやめは世界で5000種類以上あると言われていますが、今回は日本でよく見られるアヤメ、ハナショウブ、カキツバタの3種類について開花時期や特長などを紹介していきます。
アヤメ
アヤメはアヤメ科アヤメ属の植物で5月頃に花を咲かせます。
花の特長として外側の花びらに黄色い模様があり、網目模様が顕著にみられます。紫や白などの色合いを楽しむことができます。
非常に似ているハナショウブやカキツバタも含めてアヤメと呼ばれることが多いです。
カキツバタ
カキツバタはアヤメ科アヤメ族の植物で5月から6月にかけて鮮やかな紫色の花を咲かせます。
花の特長は全体的に紫色で花の根本に白い帯が入っています。
愛知県の県花に指定されている花でもあります。
ハナショウブ
ハナショウブはアヤメ科アヤメ属の植物で6月ごろに花を咲かせます。
花は紫以外にも青、黄色、桃色など様々な色を楽しむことができ、全国各地域に名所があります。
ハナショウブをアヤメということも間違いではなく、各地域のあやめ祭も咲いている花のほとんどはハナショウブであることも多いです。
菖蒲(ショウブ)はショウブ科ショウブ属の植物で昔は「あやめ」と呼ばれていましたが、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブとは似ていますが分類上種類が全く違う植物になります。
特長のまとめ
種別
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花の色
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葉
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花の特徴
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適地
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開花期
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アヤメ
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紫、たまに白
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主脈不明瞭
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網目模様がくっきり見える
外側の花びらに黄色い模様がある
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山地や野原など乾いた場所
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5月上旬から中旬
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カキツバタ
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青紫、紫、白、など
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主脈細小
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網目模様が目立たない
花の根元に白い帯がある
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水中や湿地など水分の多い場所
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5月中旬から下旬
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ハナショウブ
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桃色、紫、白、青など
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主脈太い
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様々な色がある
網目模様が目立たない
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湿地など水分の多い場所
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6月上旬から下旬
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あやめを美しく撮るポイント
あやめは背が高く花も大きいため写真にまとめるのが難しい被写体になります。
日の丸構図で大胆に
菖蒲は花びらが大きいためより大胆に大きく見せるために写真の中心に花を置く「日の丸構図」で撮ってみましょう。
花びらをより強調するために背景をボケさせて撮ることでより特徴的な形を印象付けられます。
圧縮効果で豪華に見せよう
菖蒲が群生している場所での撮影でも全体を写してしまうとまとまりのない写真になりがちです。
望遠レンズの圧縮効果を利用して1つの花をメインに写しつつ背景、または、手前に菖蒲を入れることでたくさん咲いていることを表現しながらまとめることができます。
圧縮効果についてはこちらで詳しく紹介しています。
縦構図で全体を見せよう
菖蒲は細長く縦に伸びるため縦構図にして撮ることで全体を写すことができます。
また、暗めに撮ることでシックな雰囲気を出すことができるので他とは違った印象の写真に仕上がります。
マクロレンズで特別な一枚に
マクロレンズを使った撮影もおもしろい一枚になります。
花びらが大きいためマクロ撮影では全体を写すことができませんが、菖蒲とわかる部位を探して見るのもオススメです。楽しみながら撮影することができます。
マクロ撮影はぶれやすく難しい撮影になるので撮り方やおすすめのレンズについてはこちらで紹介しています。
もっと手軽に楽しみたい!という方はクローズアップレンズがおすすめです。画質は少し悪くなりますが簡単にマクロ撮影を楽しむことができます。
見上げるようにダイナミックに
縦に長い被写体を下から撮影することでダイナミック見せることができます。
順光もしくは逆光で撮るときには露出補正を変えて明るめに撮るようにしましょう。
水滴と一緒に梅雨を表現してみよう
菖蒲の花は6月頃に見頃を迎えます。雨の多い梅雨の時期に重なるため水滴と一緒に撮って梅雨を表現するのもオススメです。
雨の日の撮影はこちらの記事で紹介しています。使用後の保管も気をつけましょう。
まとめ
花がきれいに咲く期間は約3日と非常に短いので今年は足を運んで菖蒲を見に行ってみてはいかがでしょうか!
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