皆さんはレンズを買うときはどのように選んでいますか?値段や他の人たちのレビューを参考にするのはもちろん大切なことだと思います。
ただ、自分でどのようなレンズなのかを確認しておかないと買った後に後悔してしまうかもしれません。
カメラに対応しているか確認しよう
どんなに気に入ったレンズがあったとしても自分のカメラに装着できなければ使うことができません。
レンズマウント
マウントとは、カメラとレンズのつなぐ規格を表しています。
一部を除いてメーカーが異なったり、同じメーカーでも一眼レフとミラーレスでは、マウントが異なるので基本的に互換性はありません。
マウントが違う場合はアダプタを付ければ他社メーカーでも使える可能性はありますが、使える機種が限られたり、オートフォーカスや焦点距離などの機能に制限が付く場合があります。
対応しているイメージセンサーサイズ
イメージセンサーのサイズによってはカメラに装着できても使えないレンズがあります。
厳密には対応していないレンズでも撮影はできますが、写真の周辺が暗くなってしまう「ケラレ(口径食)」が発生してしまいます。
対応しているイメージセンサーサイズよりも小さいカメラであれば問題なく使えますが、大きいカメラではケラレが発生してしまいます。
イメージセンサーサイズはこちらの記事で紹介しています。
撮影できる写真に関わる重要な仕様
自分の撮りたい写真が撮れるレンズなのか、使いたい場所、場面に合っているレンズなのかを考えるときに重要になります。
焦点距離(画角)
焦点距離18mmや50mm、200mmなどの表記があると思いますが、これは望遠なのか広角なのかといった写真に写せる範囲を表しています。
値が小さいほど広角で広い範囲を写すことができるレンズで、値が大きいほど望遠で遠くにある被写体を大きく写すことができます。
画角も一緒に記載されていることがありますが、画角は焦点距離とイメージセンサーサイズで変わるので参考程度に見ていれば大丈夫です。
焦点距離(mm)
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12
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14
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20
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24
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28
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35
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50
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85
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100
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135
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180
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200
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300
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対角線画角(°)
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122.0
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114.2
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94.5
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84.1
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75.4
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63.4
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46.8
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28.6
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24.4
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18.2
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13.7
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12.36
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8.25
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単焦点・ズーム
単焦点レンズはズームすることができないレンズで、ズームレンズはある範囲で焦点距離を変えて画角を調整することができるレンズです。
ズームレンズは大きくなる傾向にあり持ち運びが大変になる場合もありますが、自分は動かずに画角の調整ができるというメリットがあります。明るいズームレンズは金額が高くなってしまいます。
絞り値(F値)
絞り値は、カメラが取り込む光の量を表しています。
レンズの仕様には絞り値の最小値と最大値が記載されていてその間であれば自由に変更することができます。
例えば、ズームレンズで焦点距離70-200mmのとき絞り値がF4.8-5.6となっているときには70mmのときF4.8で200mmのときF5.6が最小絞り値であることを表しています。
最大撮影倍率
最大撮影倍率とは、イメージセンサーに対して写せる被写体のサイズを表していて、小さいものをどれだけ大きく写せるかを意味しています。
倍率が1倍や1/2倍などのレンズはマクロレンズ(マイクロレンズ)と言われ、小さな被写体でも大きく写すことができます。
記載方法は1/2倍や0.5倍、1:2のように表現されます。1:2は1/2と同じ意味です。
最短撮影距離
カメラと被写体の距離でピントが合うもっとも近い距離を表しています。
この距離よりも近い位置で撮影しようとすると被写体にピントが合わずぼやけてしまいます。焦点距離が長いほど最短撮影距離は長くなります。
絞り羽根枚数
絞り羽枚数は、絞りが何枚で構成されているかを表しています。
枚数が多いほどボケたときの光がキレイな丸い形になり自然に表現することができます。枚数が少ない4枚、5枚だと膨らんだ4角形、5角形のような形になってしまいます。
絞り羽枚数は、光芒(光条)の数に関係してきます。
羽根が偶数枚だと羽根の数の光芒(6枚なら6本)、奇数だと羽根の数の2倍の光芒(7枚なら14本)が出てきます。
あると便利な機能
機能としてついているレンズもあればついていないレンズもあるので機能の有無をしっかり確認しましょう。
使う人にもよると思いますが、基本的には機能のあるほうが便利なことが多いです。
マニュアルフォーカス/オートフォーカス
レンズにはピントを合わせる機能として自動で合わせる「オートフォーカス(AF)」と手動で合わせる「マニュアルフォーカス(MF)」の2つがあります。
ただし、カメラ内部にAFモータが付いている場合、レンズにAF機能がなくても使える場合があります。現在発売しているカメラのほとんどはレンズにオートフォーカスが付いているのであまり心配はいらないかもしれません。
AFモータによる速さの違い
大きく分けて「レンズ内AFモータ」と「カメラ内AFモータ」の2つがありますが、ここではレンズ内AFモータについて述べます。
また、各メーカーの正確な比較データはほとんどなく、感覚的な部分に依存することも多いので、オートフォーカスの速さに強くこだわらなければあまり気にしなくても大丈夫です。
フルタイムマニュアル、M/A
AFとMFの両方に対応しているレンズの中には切り替えスイッチがなくAFからすぐにMFに切り替えることができるレンズがあります。
多くのレンズはレンズについているスイッチを切り替えてAFとMFを切り替える必要があり時間がかかってしまいます。AFでザックリとらえてMFで精密に合わせるのにも手間がかかります。
手ぶれ補正機能
手持ち撮影でシャッタースピードを遅くしても手ぶれ補正を使うことでぶれにくくなりキレイに撮りやすくなります。
手ぶれ補正については以下の記事で詳しく紹介しています。
画質にこだわるなら気にしたい性能
性能が良くなればもちろん値段も上がりますが、値段よりも画質を優先したいという方が気にするべき点を紹介していきます。
非球面レンズ
レンズは基本的に球面レンズが使われていますが、球面レンズだけではどうしても収差と呼ばれる画質の劣化が出てきてしまいます。
この収差は光がレンズを通った時に起きる屈折が当たる面によって多少ずれてしまうことで起きてしまいます。
そこに非球面レンズと呼ばれる平面でも球面でもない曲面のレンズを使うことでこの収差を効率よく抑えることができます。
レンズを選ぶときもこの非球面レンズが使われているものの方がより鮮明に画質良く撮影することができます。
MTF特性
amazonや楽天、価格ドットコムなどの通販サイトではなかなか出てこないですが、公式ホームページならしっかりと記載されている内容です。
MTF特性の見方
ここでは空間周波数や10本、30本の細かい説明は省きますが簡単にまとめるとこのようになります。
・緑線が1に近いほど(高い位置にあるほど)高解像度でシャープな写真になります。
コーティング
各メーカーのノウハウになりますが、レンズ表面に各種コーティングがされているレンズもあり、より頑丈により画質をよくするための工夫がされています。
反射を抑える
反射を抑える特殊コーティングがされているレンズも数多くあり、フレアやゴーストといったノイズを抑えて逆光でも彩度よく鮮明に写しだすことができるものもあります。
フッ素コーティング
画質確保のために保護フィルターなどを使わないで撮影する場合には防汚コーティングがされてレンズを使うと安心です。
レンズ構成
○群○枚と記載されていますが、枚数は「レンズの枚数」、群は「複数のレンズが合わさって1つのグループをつくっていること」を表しています。
上のイメージ図は5郡9枚のレンズを表しています。
レンズ枚数が少ないとレンズによる光の吸収が減るため暗い場所に強かったり、反射が起きにくくなるので逆光に強かったりといった特長があります。
しかし。、昨今では技術の進歩によりレンズを入れることによる収差などの補正を可能にしている場合もあるので一概に言えなくなってきています。
まとめ
レンズは財産とよく言われる通り、型落ちしたとしても価格の変動が大きくないので決して安いものではありませんが、正しく使って正しく保管することで一生モノのアイテムとなります。
仮に新しいレンズを買って使わなくなったレンズでも大切に使われたレンズは買い取ってもらうこともできますし、今後カメラを始めた人にも使ってもらえるものになります。
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