絶対に後悔しないカメラレンズの選び方!仕様・性能と意味と効果を徹底解説!

机の上に置かれた広げられた雑誌レンズ・アクセサリ
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皆さんはレンズを買うときはどのように選んでいますか?値段や他の人たちのレビューを参考にするのはもちろん大切なことだと思います。

ただ、自分でどのようなレンズなのかを確認しておかないと買った後に後悔してしまうかもしれません。

主な仕様として書かれている内容がどのような意味なのかと、選ぶときに確認しておくべき仕様を紹介していきます。

カメラに対応しているか確認しよう

どんなに気に入ったレンズがあったとしても自分のカメラに装着できなければ使うことができません。

まずは、自分の持っているカメラに取り付けられるか、使えるかどうかを確認しましょう。

レンズマウント

各メーカーのマウント早見表

マウントとは、カメラとレンズのつなぐ規格を表しています。

一部を除いてメーカーが異なったり、同じメーカーでも一眼レフとミラーレスでは、マウントが異なるので基本的に互換性はありません。

自分の持っているカメラのマウントを確認して対応しているか確認しましょう。

マウントが違う場合はアダプタを付ければ他社メーカーでも使える可能性はありますが、使える機種が限られたり、オートフォーカスや焦点距離などの機能に制限が付く場合があります。

対応しているイメージセンサーサイズ

センサーサイズとレンズの対応可否イメージ

イメージセンサーのサイズによってはカメラに装着できても使えないレンズがあります。

厳密には対応していないレンズでも撮影はできますが、写真の周辺が暗くなってしまう「ケラレ(口径食)」が発生してしまいます。

対応しているイメージセンサーサイズよりも小さいカメラであれば問題なく使えますが、大きいカメラではケラレが発生してしまいます。

多くのレンズはAPS-C対応と35mmフルサイズのどちらかに対応しているので対応可否を簡単にまとめてみました。
レンズとセンサー対応表

イメージセンサーサイズはこちらの記事で紹介しています。

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撮影できる写真に関わる重要な仕様

自分の撮りたい写真が撮れるレンズなのか、使いたい場所、場面に合っているレンズなのかを考えるときに重要になります。

ここを間違えてしまうと買った後に後悔するかもしれません。

焦点距離(画角)

レンズの違いによる焦点距離の違いイメージ

焦点距離18mmや50mm、200mmなどの表記があると思いますが、これは望遠なのか広角なのかといった写真に写せる範囲を表しています。

値が小さいほど広角で広い範囲を写すことができるレンズで、値が大きいほど望遠で遠くにある被写体を大きく写すことができます。

基本的には広角レンズの方がコンパクト望遠であるほど大きく重くなります。

画角も一緒に記載されていることがありますが、画角は焦点距離とイメージセンサーサイズで変わるので参考程度に見ていれば大丈夫です。

イメージセンサーが35mmフルサイズのときの画角を参考にまとめました。
焦点距離(mm)
12
14
20
24
28
35
50
85
100
135
180
200
300
対角線画角(°)
122.0
114.2
94.5
84.1
75.4
63.4
46.8
28.6
24.4
18.2
13.7
12.36
8.25
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単焦点・ズーム

単焦点レンズはズームすることができないレンズで、ズームレンズはある範囲で焦点距離を変えて画角を調整することができるレンズです。

単焦点レンズは明るいレンズが多いのでボケをキレイに写せることからアマチュアからプロのカメラマンまで様々な方に愛用されています。

ズームレンズは大きくなる傾向にあり持ち運びが大変になる場合もありますが、自分は動かずに画角の調整ができるというメリットがあります。明るいズームレンズは金額が高くなってしまいます。

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絞り値(F値)

絞りのイメージ図

絞り値は、カメラが取り込む光の量を表しています。

値が小さいほど多くの光を取り込めるため明るくなり、値が大きいほど暗くなります。

レンズの仕様には絞り値の最小値と最大値が記載されていてその間であれば自由に変更することができます。

絞り値は写真のボケ具合にも影響しており、絞り値が小さい(明るい)ほどボケやすくなります。
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ズームレンズでは焦点距離によって絞り値の最小/最大が変わる場合があります。

例えば、ズームレンズで焦点距離70-200mmのとき絞り値がF4.8-5.6となっているときには70mmのときF4.8で200mmのときF5.6が最小絞り値であることを表しています。

ズームしてもF値が変わらず暗くならないレンズもありますが、非常に高価です。

最大撮影倍率

最大撮影倍率の違いによる撮影イメージ

最大撮影倍率とは、イメージセンサーに対して写せる被写体のサイズを表していて、小さいものをどれだけ大きく写せるかを意味しています。

倍率が1倍や1/2倍などのレンズはマクロレンズ(マイクロレンズ)と言われ、小さな被写体でも大きく写すことができます。

記載方法は1/2倍や0.5倍、1:2のように表現されます。1:2は1/2と同じ意味です。

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最短撮影距離

カメラと被写体の距離でピントが合うもっとも近い距離を表しています。

この距離よりも近い位置で撮影しようとすると被写体にピントが合わずぼやけてしまいます。焦点距離が長いほど最短撮影距離は長くなります。

絞り羽根枚数

絞り羽根枚数の違いイメージ図

絞り羽枚数は、絞りが何枚で構成されているかを表しています。

枚数が多いほどボケたときの光がキレイな丸い形になり自然に表現することができます。枚数が少ない4枚、5枚だと膨らんだ4角形、5角形のような形になってしまいます。

絞り羽枚数は、光芒(光条)の数に関係してきます。

羽根が偶数枚だと羽根の数の光芒(6枚なら6本)、奇数だと羽根の数の2倍の光芒(7枚なら14本)が出てきます。

最近のレンズは7枚、9枚が主流になってきており、偶数枚のレンズは減ってきているようです。
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あると便利な機能

機能としてついているレンズもあればついていないレンズもあるので機能の有無をしっかり確認しましょう。

使う人にもよると思いますが、基本的には機能のあるほうが便利なことが多いです。

マニュアルフォーカス/オートフォーカス

秋の機関車が奥から手前に向かってきている写真

レンズにはピントを合わせる機能として自動で合わせる「オートフォーカス(AF)」と手動で合わせる「マニュアルフォーカス(MF)」の2つがあります。

レンズの中にはオートフォーカスに対応していないものもあるので、オートフォーカスを使いたい場合には機能の有無をしっかり確認しましょう。

ただし、カメラ内部にAFモータが付いている場合、レンズにAF機能がなくても使える場合があります。現在発売しているカメラのほとんどはレンズにオートフォーカスが付いているのであまり心配はいらないかもしれません。

AFモータによる速さの違い

AFモータはピントを合わせるためのピントリングを動かしてくれる機構のことです。

大きく分けて「レンズ内AFモータ」と「カメラ内AFモータ」の2つがありますが、ここではレンズ内AFモータについて述べます。

同じモータでもレンズによって速さは変わることもあるので一概には判断できません。

また、各メーカーの正確な比較データはほとんどなく、感覚的な部分に依存することも多いので、オートフォーカスの速さに強くこだわらなければあまり気にしなくても大丈夫です。

従来はミラーレスやコンデジよりも一眼レフの方がAFが速いと言われていましたが、近年では技術の進歩によりその差はどんどん小さくなってきています。

フルタイムマニュアル、M/A

AFとMFの両方に対応しているレンズの中には切り替えスイッチがなくAFからすぐにMFに切り替えることができるレンズがあります。

多くのレンズはレンズについているスイッチを切り替えてAFとMFを切り替える必要があり時間がかかってしまいます。AFでザックリとらえてMFで精密に合わせるのにも手間がかかります。

細かい機能ですが非常に便利な機能なので確認しておきましょう。

手ぶれ補正機能

レンズには手ぶれ補正機能が付いているものと付いていないものがあります。

手持ち撮影でシャッタースピードを遅くしても手ぶれ補正を使うことでぶれにくくなりキレイに撮りやすくなります。

機能の付いているレンズはレンズ内にジャイロ機構という手ぶれを抑制するものが入っているため、大きく重くなりやすくなります。

手ぶれ補正については以下の記事で詳しく紹介しています。

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画質にこだわるなら気にしたい性能

写真は必ずレンズを通して撮影されるのでレンズの性能によって画質が大幅に変わります。

性能が良くなればもちろん値段も上がりますが、値段よりも画質を優先したいという方が気にするべき点を紹介していきます。

非球面レンズ

非球面レンズと球面レンズの違いイメージ

レンズは基本的に球面レンズが使われていますが、球面レンズだけではどうしても収差と呼ばれる画質の劣化が出てきてしまいます。

この収差は光がレンズを通った時に起きる屈折が当たる面によって多少ずれてしまうことで起きてしまいます。

そこに非球面レンズと呼ばれる平面でも球面でもない曲面のレンズを使うことでこの収差を効率よく抑えることができます。

レンズを選ぶときもこの非球面レンズが使われているものの方がより鮮明に画質良く撮影することができます。

さらに、非球面レンズを使うことでズームレンズなどをよりコンパクトにできます。

MTF特性

MTF特性のイメージ図

amazonや楽天、価格ドットコムなどの通販サイトではなかなか出てこないですが、公式ホームページならしっかりと記載されている内容です。

MTF特性はレンズの性能を示すひとつの評価です。これだけでレンズ性能のすべてを評価することはできませんが一つの判断基準になります。

MTF特性の見方

MTF特性の見方早見表

ここでは空間周波数や10本、30本の細かい説明は省きますが簡単にまとめるとこのようになります。

・赤線が1に近いほど(高い位置にあるほど)コントラストがよくヌケのよい写真になります。

・緑線が1に近いほど(高い位置にあるほど)高解像度でシャープな写真になります。

・赤線と緑線が揃っているほど自然でボケ味のよい写真になります。

コーティング

各メーカーのノウハウになりますが、レンズ表面に各種コーティングがされているレンズもあり、より頑丈により画質をよくするための工夫がされています。

反射を抑える

反射を抑える特殊コーティングがされているレンズも数多くあり、フレアやゴーストといったノイズを抑えて逆光でも彩度よく鮮明に写しだすことができるものもあります。

特にこの逆光特性はカタログだけではなかなかわからないので実際に使って撮られた写真などで確認する必要があります。

フッ素コーティング

フッ素コーティングなどの防汚コーティングがされているレンズもあります。

画質確保のために保護フィルターなどを使わないで撮影する場合には防汚コーティングがされてレンズを使うと安心です。

せっかく画質良く撮れるレンズも汚れてしまってはきれいに撮れなくなってしまうので定期メンテナンスを楽にするためにもついているものがオススメです。

レンズ構成

レンズの構成枚数のイメージ図

○群○枚と記載されていますが、枚数は「レンズの枚数」、群は「複数のレンズが合わさって1つのグループをつくっていること」を表しています。

上のイメージ図は5郡9枚のレンズを表しています。

レンズ枚数が少ないとレンズによる光の吸収が減るため暗い場所に強かったり、反射が起きにくくなるので逆光に強かったりといった特長があります。

しかし。、昨今では技術の進歩によりレンズを入れることによる収差などの補正を可能にしている場合もあるので一概に言えなくなってきています。

ただ、枚数が多いと大きく重くなってしまう傾向にあります。

まとめ

レンズは財産とよく言われる通り、型落ちしたとしても価格の変動が大きくないので決して安いものではありませんが、正しく使って正しく保管することで一生モノのアイテムとなります。

仮に新しいレンズを買って使わなくなったレンズでも大切に使われたレンズは買い取ってもらうこともできますし、今後カメラを始めた人にも使ってもらえるものになります。

自分に合ったレンズを選んで、カメラの世界を広げましょう!!

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