涼を楽しもう「風鈴」を撮るときのポイント8選!風鈴の種類と魅力とは?

色鮮やかな風鈴とすだれと朝顔 撮り方
この記事は約6分で読めます。

近年の夏は35℃を超える猛暑日が続く日も多くクーラーなしではなかなか快適な生活を送るのは難しいですよね。

気温の観測データは1875年から残っていますが、そのデータからも確実に暑い日が増えているようです。

それでも、日本の夏は湿度が高く昔から夏の暑さに苦労していたと思います。そんな夏のムシムシとした暑さ風鈴の音色と見た目から涼を得て風情を感じてきました。

今回は、そんな夏の風物詩である風鈴を撮るときのポイントを紹介していきます。

風鈴の種類

風鈴にはガラスや金属などの材質の違いや各地域でつくられる独特な形など様々な種類があります。

今回はせっかくなのでこの風鈴の材質の違いも簡単に紹介したいと思います。

ガラスの風鈴

ガラス製の風鈴は高い音を奏でますが比較的音の響きが短いのが特長です。最も一般的な材質なので色々な場所で聞くことがある馴染みのある音ですね。

短く響くので弱めの風でも音を楽しめるように風鈴の下側が狭くなっています。

鉄の風鈴

鉄製の風鈴は非常にクリアな高温が遠くまで長く響き渡るような音を奏でます。

ガラスのカン、カン、というなり方に対してチーンとなるようなガラスとは違った素敵な音を楽しむことができます。

真鍮の風鈴

真鍮は5円玉にも使われる銅と亜鉛の合金です。真鍮製の風鈴は鉄よりもさらに高音で非常に繊細な音を奏でます。

風鈴にもよりますが音の響き方はガラスより響いて、鉄よりは響かないという印象です。

人によっては高音すぎると感じる場合もあると思いますが、その繊細さとピカピカに磨かれた見た目の美しさを楽しむことができます。

砂張の風鈴

砂張は銅、すず、鉛でできた金属で仏具や神具にも使われている非常に音が響きやすい材質です。

砂張製の風鈴は鉄よりもさらに音が響きリーンという音とともに長く聞いているとワンワンと音の響きをさらに楽しむことができます。

竹・木の風鈴

竹や木は長さや大きさによっても様々な音の高さになりますが、ガラスや金属と比べると優しく、温かみのある音を奏でます。

重さもあるため、形を変えて音がたくさんなるように工夫されています。

備長炭のように軽いものだと高くキレイに響く風鈴にもなるので手作りで楽しんでいる人も多いです。

石の風鈴

中には石でできた風鈴もあるようで形や音色も独特なものもあります。

撮影ポイント

それでは風鈴の撮るときのポイントを紹介していきます。

最近では住民トラブルにもなってしまうということから住宅街などではあまり見られなくなってきていますが、地方や地域の夏祭などではまだまだたくさん見ることができます。

全国的にも数百から数千もの風鈴が飾られるお祭りが開催されているのでぜひ参加してみてください!

背景や副題を意識しよう

青空と黄色い短冊の風鈴

1つの風鈴を撮影するだけでも背景を意識することで大きく印象を変えることができます。

見上げるように空を背景にするのも夏の青空を表現することができますし、空以外にも夏の風物詩であるうちわやスイカ、浴衣などを取り入れることでさらに季節感を印象付けることができます。

例えば、上の写真では青空と黄色い短冊とひまわりの模様の風鈴ですが青と黄色はそれぞれを印象付ける「補色(反対色)」の関係なのでどちらも引き立てあいます。

このように風鈴には様々な色合いのものがあるので、できる限りそれぞれを引き立てあう色になる組み合わせを意識しましょう。

逆に、緑の模様に深緑の背景を組み合わせてしまうとあまり目立たなくなってしまうので注意が必要です。

彩度をあげよう

彩度を上げた赤い風鈴

風鈴には花火や金魚、花など様々なデザインが色鮮やかに描いてあります。背景となる夏の青空や深緑の緑など色鮮やかな被写体が多くなります。

彩度を上げることでより鮮やかで夏を印象付けることができる写真に仕上げることができます。

写真の仕上がりを変えることができるピクチャーコントロール/スタイルや仕上がりなどの設定を「風景」や「ビビッド」にすることで彩度を上げることができます。

ただし、彩度が高すぎるとのっぺりとした現実味のない不可思議な写真になってしまうのでやりすぎには注意しましょう。

初心者でも簡単に写真の印象が変えられる!ピクチャーコントロール/スタイルで写真の仕上がりを変えよう!
もっと色鮮やかに撮りたい!もっとソフトに撮りたい!と写真の仕上がりに納得いかないことはないでしょうか。 明るさを変えてもイメージ通りの写真にならないときは写真の仕上がりの設定を1つ変えるだけで簡単に思い通りの印象にすることができるかもしれま...

構図を意識して印象的に仕上げよう

対角線構図で撮った明るい写真

写真のど真ん中に風鈴を入れる構図は「日の丸構図」と言われて力強い写真に仕上がりますが、どうしても単調で面白味があまりなくなってしまいます。

そこで、被写体を斜めにかけるようにした「対角線構図」を活用したり、風鈴と風鈴のすきまから別の被写体を写す「額縁構図」など、様々な構図を活用することで単調ではない印象的な写真になります。

被写界深度を調整しよう

被写界深度が浅めな風鈴

並んでいる風鈴を撮影するときにどこまでボケさせて、どこまでピントを合わせるかで大きく印象が変わります。

背景となる部分と風鈴の距離が十分空いているときには風鈴にピントを合わせて撮るようにすることで何を見せたいのかわかりやすい写真になります。

ピントを合わせる場所も手前に合わせるか、奥に合わせるかで変わってくるので絞りを変えながらボケ具合を調整しましょう。

ボケをキレイに魅せる3つのポイント!ボケに合った被写体は?被写界深度が変わる理由
撮影に慣れてくるとボケをキレイに表現したり、逆にボケさせたくなかったりするときが出てくると思います。 今回は、ボケさせた写真を撮るための3つのポイントと、ボケさせない写真を撮るための3つのポイントをご紹介します。 今回紹介するポイントを押さ...

シャッタースピードを速めにしよう

風鈴は風になびいて動いてしまうためシャッタースピードが遅い設定だと被写体ブレを起こしてしまい良い写真が撮れなくなってしまいます。

特に軒先など日陰になっている場所ではシャッタースピードが遅めになってしまうので注意しましょう。

シャッタースピードを上げるためにはシャッタースピード優先モードにしてシャッタースピードを指定するか、ISO感度を上げて速度を上げましょう。

風鈴に付いている短冊がなびいている瞬間を収めることで動きのある表現をすることもできます。
シャッタースピードって何?露出時間を変えるとユニークな写真がたくさん撮れる!
写真を見たときに、どうやって撮ったの?CGとか編集?と思ってしまうようなユニークな写真を見たことがあると思います。 もしかしたらそのユニークな写真はCGでも編集でもなく、シャッタースピードを変えて撮られたものかもしれません。 今回は写真の明...

明るめに撮ろう

明るく撮ったたくさんの風鈴

風鈴の形とそのカラフルで可愛らしいデザインは明るめに撮ることでさらにその特長を強調することができます。

特に曇りの日や雨の日は明暗の差が少なく、コントラストが小さいので明るめに撮っても写真全体の明るさのバランスを保つことができるのでおすすめです。

サンサンと太陽が降り注ぐ場所ではコントラストが強くなってしまうためあまり明るめに撮れないこともあるのでその場の明るさを意識しましょう。

太陽がないと良い写真が撮りにくいと思う方もいるかもしれませんがそんなことはありません!
露出補正機能を使って明るさを自在に操ろう!明るさを変えるべき被写体は?
カメラは基本的に自動で適切な明るさになるように設定してくれます。 しかし、撮影後に写真を見てみると思っていたより暗かった/明るかった、と思うときもありませんか? 露出補正を使えば簡単に思い通りの明るさで撮影できるようになります! 今回は露出...

圧縮効果で写真いっぱいに広がる

圧縮効果で豪勢な写真

風鈴同士の距離があいていて、ずらっと並んでいるのであまり風鈴を写せない、というときには望遠レンズで撮影するようにしましょう。

望遠レンズを使うと顕著に表れる「圧縮効果」で1枚の写真にたくさんの風鈴を写し込むことができるようになります。

高い位置に飾ってある風鈴は撮るのが難しくなりますが、その場合にはなるべく風鈴と同じような高さから撮るようにしましょう。

圧縮効果とは?望遠レンズの特殊な効果で寂しい世界も華やかに!ユニークに!
望遠レンズや広角レンズでは標準的な焦点距離のレンズでは現れない(現れにくい)様々な効果があります。 今回紹介する圧縮効果は特に望遠レンズで見ることができるユニークな効果です。 意外と身近な現象なので改めて知ると「確かにそうだ!」と思う人も多...

シルエットを楽しもう

風鈴のシルエット

特に晴れている日には屋内と屋内から撮る外の景色とでは明るさがかなり違うので明るい部分が真っ白になってしまったり、暗い部分が真っ黒になってしまいやすいです。

逆に、この特徴を使ってシルエットを楽しむのも表現の1つです。

撮影するときには明るい部分が最適になるように露出補正などで調整するようにしましょう。

風鈴は独特な形をしているのでシルエットでもしっかり存在感を出すことができます。また、夏を感じさせる外の景色も最適な明るさで写し出すことができます。

まとめ

都心の日常生活では出会う機会も少なくなってしまっていると思いますが、昔からある日本の文化に改めて触れてみてはいかがでしょうか。

屋外での撮影の際には水分補給をしつつ機材も直射日光に長時間当てないように自分もカメラも熱中症に気を付けましょう。

夏らしいステキな写真に出会える貴重な機会になること間違いなしのおすすめの被写体です!

コメント