実はフィルターにはレンズを保護する以外にも様々な効果を持っているものがたくさんあります。
うまく使うことで普段見たり撮れたりする景色とはまた違った素敵な写真を撮ることができます。
レンズフィルターの種類
レンズフィルターにはレンズを保護する目的以外にもユニークな効果を楽しめる様々な種類のフィルターがあります。
フィルターの種類と効果について紹介していきます。
レンズ保護フィルター(プロテクトフィルター)
レンズ保護フィルターとは、無色透明のフィルターでレンズの保護を目的としたフィルターです。
保護フィルターを付けたことによる画質の劣化や光の減衰を極力抑えるためにレンズに施されるものと同じようなコーティングをしているものもあります。
さらに、お手入れも簡単になります。レンズを直接拭いてしまうとやり方によっては、レンズのコーティングに影響を与えてしまう可能性がありますが、そのような心配もなくなりるのでいざという時はフィルターだけの交換で済むようになります。
常に装着して使うので質の悪いものを付けてしまうと画質の劣化にもつながるので注意しましょう。
UVフィルター
UVフィルターは保護フィルターと同じで無色透明のフィルターで、紫外線の影響を抑える効果があります。また、保護フィルターとしても使うことができます。
デジタルカメラの「眼」であるイメージセンサーはこの赤外線や紫外線も光として取り込んでしまうため実際に目で見た通りの風景を写し出せないときがあります。
実際の効果としては、主に3つあります。
コントラストをよくする
UVフィルターを使うことで紫外線が当たって明るくなってしまう部分を抑えることがコントラストがよくなり、目で見た景色と同じようなより繊細な表現が可能になります。
色収差、色かぶりの抑制
色収差は光がレンズを透過するときに起きる現象で色が滲んだり線が不鮮明になってしまう現象です。色かぶりは写真全体の色味が変わってしまう現象です。
パープルフリンジの低減
これは紫外線の影響も大きいと言われているためUVフィルターを付けることで抑えることができる場合もあります。
偏光フィルター(PLフィルター)
偏光フィルターは光の反射を抑えて撮影することができます。
効果は主に2つあります。
窓や水面の反射を抑える
水槽や展示物などガラス越しで撮影をする場合、ガラスに光が反射してしまいガラスの中にある被写体をうまく撮影できない場合があります。
その場合に、このPLフィルターを使用することでガラスに反射している光をを抑えてガラス内の被写体だけをきれいに撮影することができます。
すべての反射を完全に除去できるわけではないですが使用する角度によっては効果的に使うことができます。
色彩豊かに表現できる
太陽光などの光が当たると本来の色よりも白っぽくなりますが、PLフィルターを使うことで光の反射が抑えて本来のきれいな色が表現できるようになります。
紅葉や葉っぱの色をきれいに写す方法と青空をきれいに写す方法は少し違うので注意が必要です。
使い方やオススメについてはこちらで紹介しています。
減光フィルター(NDフィルター)
減光フィルターは名前の通りレンズに入る光を減らすことができるフィルターです。
減光フィルターの暗さはND4、ND8、ND16などのようにND+数字で表され、数字が大きいほど暗くなり、取り込む光の量は「1/ND値」になります。
数字が2倍になると明るさが1段暗くなるので、付ける前と比べてシャッタースピードを2倍の長さにしても同じ明るさで撮影することができます。
例えば、ND4を付けてシャッタースピード1秒の明るさと、ND8を付けてシャッタースピードを2秒にしたときの明るさはほぼ同じになります。
クロスフィルター
クロスフィルターは光の線、光芒をつくりだすフィルターです。
クロスフィルターは種類によって光の線の数が違うのでフィルターを選ぶ際にはきちんと確認しましょう。中には光芒の角度を変えることができるものもあります。
光の線が多いほど煌びやかで眩しくなります。被写体や状況によって使い分けましょう。
レンズの絞りを絞ることでも光芒を表現することができますが、クロスフィルターを使用したほうがより鮮明できれいな光芒を楽しむことができます。
ソフトフィルター
ソフトフィルターは光をにじませ、少しぼやけたような幻想的で温かみのある写真に仕上げることができます。
絞りの解放による背景のボケと同じように女性や花などの撮影と相性が良いです。また、星空の撮影で使うことで光の強い星は大きく、光の弱い星は小さく写るのでよりイメージに寄せた写真にすることができます。
エンハンサーフィルター(色彩強調フィルター)
エンハンサーフィルターは特定の色をより鮮やかに表現することができるフィルターです。
緑をきれいに写したいときや空や海など青さを強調したいときなどこのフィルターを使用することでよりきれいに表現できるようになります。
緑以外にもさまざまな種類のエンハンサーフィルターがあります。
色温度フィルター
色温度フィルターはホワイトバランスを調整する機能がないカメラのホワイトバランスを調整するためのフィルターです。
撮影場所の光源によってフィルターを使い分けて使用しますが、デジタルカメラではホワイトバランスを設定できる機能があるため現在ではあまり使われなくなってきています。
モノクロフィルター
モノクロフィルターは被写体を白黒で写すことができるフィルターです。
写真のコントラストがより強調される独特な雰囲気の写真になります。また、細部を強調できるため毛先の一本一本や肌の質感をリアルに表現することができます。
カメラにもモノクロで撮影する機能がありますが、モノクロフィルターはフィルターによってコントラストのつき方が変わります。
モノクロの世界も白と黒で表現されるだけではなく、どの色が白/黒に近づくかによっても写真の印象が変わります。モノクロ写真の表現の幅を広げたい場合にはぜひ活用してみましょう。
レンズフィルターの注意点
レンズフィルターを使うときの共通の注意点についても簡単に紹介していきます。
レンズ径が合ったものを選ぼう
レンズにΦ58など書いてあるのでこの場合には58mm径のフィルターが取り付けられます。
ケラレに注意
特に焦点距離の短い広角レンズで撮影するときにフィルターの厚みがあるものを使うと四隅が暗くなってしまう「ケラレ」という現象が発生してしまう場合があります。
フレアやゴーストが出る可能性がある
カメラレンズは何枚ものレンズで構成されていますが、逆光で撮影するときなど強い光が入ってくるとレンズ内で反射してしまいフレアやゴーストと言ったノイズが発生しやすくなってしまいます。
フィルターを付けるとレンズが増えることになるのでレンズ内反射がさらに多くなってしまう可能性があります。
まとめ
レンズの保護にも役に立つので活用してみましょう。普段の撮影とは違った撮影がしたいときにもオススメです。
レンズフィルターを使って新しい撮影方法にチャレンジしてみましょう!
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