HDRとは?HDRを使って目で見た景色をそのまま写真に残そう!

夕焼けと青い空と海を浜辺から撮った写真 カメラ
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HDRは最近のスマホにも搭載されてきていて簡単にHDRを使った撮影ができるようになってきています。しかし、機能についてはあまり知らない人やそんな機能付いてたっけ?と思う人もたくさんいると思います。

HDRを使用すると普通の撮影では撮れないような幻想的な写真を撮ることもできます。

今回は露出補正や設定変更では撮れない不思議な写真が撮れるHDRについて紹介していきます。

ダイナミックレンジとHDRとは?

まずは言葉の意味やHDRがどのような機能なのかについてご紹介していきます。

ふだんあまり聞きなれない言葉がいくつか出てくると思いますがカメラでよく使われるものも多いので覚えておきましょう。

ダイナミックレンジ

ダイナミックレンジは、キレイに写せる明るさの範囲のことを言います。

明るいところが真っ白になったり、暗いところが真っ黒になったりせずにキレイに写せる範囲が広いことをダイナミックレンジが広いと言い、逆をダイナミックが狭いと言います。

HDR

ダイナミックレンジとHDRのイメージ図

HDRとは、ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range)の略で、ほとんどの場合は写真を合成してダイナミックレンジを広くする機能、またはその機能が使われた写真のことを言います。

難しく言いましたが簡単に言うと、明るさの違う2枚以上の写真を合成して暗いところから明るいところまでキレイに写る写真をつくることです。

ハイダイナミックレンジ合成:HDRI(High Dynamic Range Imaging)とも言います。

人間の目は非常に優秀で明るいところから暗いところまで認識することができます(ダイナミックレンジが広い)。

例えば、人間の目では写真撮影のときに逆光でも顔を認識することができますが、写真では真っ暗になってしまいます。これはカメラのダイナミックレンジが人間の目よりも狭いからです。

白とび

室内の明るさに合わせた室内から撮った窓の写真

白とびは、明るすぎて真っ白になること/なっている部分です。

ダイナミックレンジを超える明るい部分は白っぽくなったり、真っ白になってしまい本来持っている色を表現できなくなります。

黒潰れ

外の明るさに合わせた室内から撮った窓の外にある山の写真

黒潰れとは、暗すぎて真っ黒になること/なっている部分です。

ダイナミックレンジを超えた暗い部分は真っ黒になってしまいます。しかし、この黒潰れをうまく利用し、シルエットを強調することも撮影方法の一つとなっています。

ハロー(halo)

ハローが出た黒猫のHDR写真

HDRの強度が強くなったときに一部の明るさが不自然になることです。

普通の写真としては好まれませんが、あえて出すことで絵画的にさせる技法もあります。

HDRの写真の撮り方/つくり方

HDRは撮影と同時に自動で作ることもできますし後からソフトを使ってHDRにすることもできます。

それでは1つずつ紹介していきます。

カメラの機能でHDRを撮影しよう

基本的にはHDRをONにすれば自動で2枚以上撮影され、画像合成まで自動で行ってくれます。

注意点として、1枚目と2枚目の位置がずれるとそのままぶれたようになってしまうので同じ位置から撮影する必要があります。

シャッタースピードが速ければブレにくくなるので、手持ちで撮影する場合はISO感度を高めにする必要がある場合もあります。

三脚などでカメラを固定してシャッタースピードを遅くすることで暗い場所でも明るくでき、より面白い写真を撮ることができます。そのため、シャッタースピードが変えられないスマホのHDR撮影では、幻想的な写真は撮りにくくなります。

ソフトを使ってHDR写真をつくろう

同じ画角の写真を2枚以上用意しておけば編集ソフトを使ってHDR写真をつくることができます。

カメラの機能で撮影するよりも細かく編集することができるため、ユニークな写真を簡単につくることができます。

様々なソフトで編集することができますがメジャーなソフトをいくつか紹介します。

Aurora HDR

日本語に対応している有料のHDR合成ソフトです。アマチュアからプロまで様々な方に使用されている信頼、実績ともに名高いソフトです。

毎年更新されていますがアップデートが無料なのも嬉しいポイントです。

プラグインとしてPHOTOSHOPに機能を追加することもできます。
Luminar Neoで HDRを再発見
Luminar NeoはHDR マージ 技術を備えた、自然と建築のワン・ストップ写真編集ソフトです。

Photomatix Pro

こちらもアマチュアからプロまで愛用される有料のHDR合成ソフトです。

日本語にも対応しており、細かい設定から一発で自動で好みに合わせてHDR合成してくれる機能などこれがあれば満足できるソフトです。

HDR合成用写真編集ソフトウェア - HDRsoft社のスタンドアロンプログラムとLightroomプラグイン

Luminance HDR

無料のHDR合成ソフトですが日本語には対応していないため使うのに慣れが必要です。

有料ソフトと比べると機能的にも非常に限られておりあまり思い通りの編集ができないことも多いです。

試しにHDR合成を楽しみたい!という方におすすめです。
Luminance HDR
Download Luminance HDR for free. Complete solution for HDR photography. Luminance HDR is a complete suite for HDR imagin...

HDRを使いたい場面

HDR合成で楽しめる被写体をご紹介していきます。

風景

森と川と空の風景HDR写真

明暗の差を利用してシルエットを活かすこともありますが、HDRを使用して明暗の差を少なくすることで目で見た通りの明るさの写真にすることができます。

また、設定によっては風景の絵画調に変更することもできるので写真の表現の幅が非常に広がります。

直射日光下のポートレートや逆光

逆光に立つ女の子の後ろ姿を撮ったHDR写真

直射日光などの光が強い場所でのポートレート(人物)撮影では影が強く出てしまい、キレイに写らない場合があります。そんな時にはHDRを使うことで人物と背景をバランスよくすることができます。

逆光で被写体を優しく表現しつつ周りの風景もしっかり表現したいときにも有効です。

日差しの差し込む室内などの明暗の差が大きいところ

太陽の光が差し込む日陰のHDR写真

HDRを使用することで白とびと黒潰れを防ぎ、目で見た風景と同じような明るさすることができます。

コントラストが強くなりやすい太陽光と影ができるところでも全体をキレイに写すことができるようになります。

使うべきでない場面

HDRは複数の写真を合成する必要があるため場合によってはうまく合成できないこともあります。

また、HDRにすることでメリハリがなくなるためなんでもHDRにすると同じような写真ばかりになってしまいます。

動きがある場所

長時間露出で撮られた海の波の写真

動きがある場所で撮るとうまく合成できなかったりブレたような仕上がりになってしまいます。

動きのある被写体でHDR合成する場合は、同じ写真をRAWデータを明るさを変えて何枚か現像してからHDR合成しましょう。

メリハリのある写真にしたいとき

森の中に立つしかとイノシシのシルエット写真

HDRを使用すると、明暗の差が少なくなるのでのっぺらとした写真になりがちです。

影になっている暗い部分を強調してメリハリのある写真に仕上げたいときはHDRは使わない方が良いです。

まとめ

HDRは明るさの違う2枚以上の写真をいいとこ取りして合成する機能、または写真です。

目で見たような明るさの写真にすることができるので通常の撮影では撮れない写真にすることができます。

カメラについているHDR合成機能を使うかソフトを使用することでHDR合成を楽しむことができます。

皆さんもぜひ活用してみてください!

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