紅葉を素敵な写真に仕上げるための3つのポイント!よくある失敗の原因と対策方法とは?

真っ赤で色鮮やかなもみじ撮り方
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「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」など秋と言われると色々な物事が連想できますが、その中でも紅葉を思いうかべる方は多いと思います。

北海道などの地域では10月頃から見頃を迎える紅葉ですが、基本的には11月下旬から12月上旬に見頃を迎える地域が多いですよね。

今回は紅葉をよりきれいに撮るためのポイントをご紹介していきます。

見頃の紅葉はもとから彩度が高いため設定によってはうまく撮影できないこともあるので注意点も合わせて紹介していきます。

光の当たり方、明るさを意識しよう

色鮮やかで非常にキレイな紅葉ですが、光の当たり方によって「白とび」や「黒つぶれ」などで鮮やかさが失われてしまうこともあります。

光の当たり方を意識しつつカメラの設定もしっかり押さえて全体的に明るさをまとめていきましょう。

露出補正を使って明るさを調整しよう

露出補正を変えた場合の写真の明るさが変わるイメージ図

天気のいい日の紅葉は、光が当たっている部分と当たっていない部分の明暗の差が激しく思い通りの明るさにならないことがあります。

また、日陰で撮るのか、カメラが光がばっちり当たる場所で撮るのかによっても明るさの調整がうまくいかないこともあります。

そんな時には露出補正を使って明るさを調整しましょう。

明るくなっている部分は白とびさせても、日陰になっている紅葉に焦点を当てて鮮やかに撮りたいときなど、自由自在に変えることができるのでオススメです。

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測光モードについてはこちらで詳しく紹介しています。

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光のあたり方を意識しよう

晴れている日の光の当たり方によっては光が反射して白っぽくなってしまったり、逆光だと真っ黒になってしまったりと、紅葉の鮮やかさを表現できなくなってしまうことがあります。

光に当たり方によって印象が大きく変わるのでどのようになるのか見ていきましょう。

順光の印象と撮影ポイント

順光で撮った紅葉

順光で撮ってしまうと実際には真っ赤できれいな紅葉も、写真のように葉の部分に太陽光が反射してしまい白っぽくなってしまいます。

これでは実際にみた景色もきれいに残すことができませんよね。

逆光で撮ることで鮮やかに撮ることもできますが、構図の関係などで、場所を変えたくない!というときもあると思います。

そんな時にはPLフィルター(偏光フィルター)を使って葉っぱで反射している光をカットして色鮮やかに写しましょう。
PLフィルターの使い方や効果などはこちらで詳しく紹介しているのでぜひ確認してみてください!
PLフィルターの効果と使い方を徹底解説

逆光の印象とポイント

逆光で撮った鮮やかな黄色のイチョウ

逆光で撮ると色鮮やかでキレイに撮れる反面、設定によっては黒つぶれして真っ黒になってしまうこともあります。

特に太陽の光を直接入れてしまうと太陽の明るさに合わせようとして暗くなりすぎてしまったり、フレアと呼ばれるモヤがかかってしまって鮮やかさが失われてしまうこともあります。

そんな時には露出補正とフードを使って鮮やかさをキープしましょう。
暗くなってしまうときは白とびを気にせず、思い切って露出補正をプラスに設定して暗くなっている部分が最適な明るさになるように設定してみましょう。
フレアが発生してしまう場合はフードを使うことで発生を大きく低減することができるので使っていない方は是非装着してみてください。
フードの種類と効果とは?

夜間のライトアップはコントラストに注意

紅葉のライトアップ

紅葉シーズンは夜間のライトアップもとっても素敵で思わず息をのむような景色が広がりますよね。

しかし、この素敵な景色を写真にキレイに残すのは意外と難しく、実際に見た景色と印象が違ってしまうこともよくあります。

これは、カメラよりも人間の目のほうがダイナミックレンジ(しっかり見える明暗の差)が広いためです。
人間の目では暗い場所も明るい場所もしっかり認識することができますが、カメラで撮ると暗い場所は真っ黒に、明るい場所は真っ白になってしまいます。
そんな時にはカメラの設定でコントラストを下げて撮るか「HDR」を使って白とびや黒つぶれを抑えましょう。
コントラスト下げるときはピクチャーコントロール/スタイルの設定を「ポートレート」や「ニュートラル」にすることでバランスを良くすることができます。
彩度が若干下がってしまうため詳細設定で彩度を上げておくと色鮮やかさもそのままで撮影することができます。
三脚が必須になりますがHDRを使うことで見た目以上にの景色を撮影することもできます。HDRについてはこちらで詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
白とびと黒つぶれを抑える合成技術「HDR」を活用しよう!

鮮やかにイメージに近づけるように撮ろう

明るさを最適にするだけでも紅葉の鮮やかさを十分に引き出すことができますが、そこからさらにワンステップ上げるための設定を紹介していきます。

ただし、ここで紹介する設定はやりすぎ注意!でもあるためほどほどにしましょう。

ピクチャーコントロール/スタイルを変更しよう

ピクチャーコントロール/スタイルは鮮やかさやコントラストなどを簡単に調整できる機能です。

「風景」や「ビビッド」を選ぶとコントラストと彩度が上がるため、紅葉の色鮮やかさを強調できます。

コントラストも強調されるため影の部分は黒潰れしてしまい色味を表現できない場合もあるので注意しましょう。

自分で細かく設定することもできるためお好みで変更してみましょう。RAWで撮影することで後からでも自由に変更して現像することもできます。
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ホワイトバランスを変えて印象を変えよう

ホワイトバランスを変えることで写真全体の印象を変えることができます。

「曇天」や「晴天日陰」にすると温かみのある夕焼けのような写真にすることができます。

「蛍光灯」や「白熱電球」にすることで朝のクールな印象にすることができます。
こちらもRAWで撮影することで後で細かく設定することができます。
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偏光フィルターを使ってみよう

偏光フィルターを使うと太陽光などの反射を抑えて、より鮮やかに写すことができます。

現像の際の「鮮やかさ」を変えるよりも自然な鮮やかさを表現することができます。

ただし、反射を抑えすぎてしまうとのっぺりとした不自然な印象になってしまうので注意しましょう。
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構図を考えよう

基本構図を意識しつつ場面によって見せ方を変えてみましょう。今回はほんの一例を紹介しますが、正解なんてないので参考にしつつバシバシ撮って行きましょう。

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広角レンズで見上げるように

広角レンズで見上げて撮った紅葉

赤、黄色、オレンジ、緑と様々な色が溢れる紅葉の季節全体を表現するには広角レンズがオススメです。見上げるように撮ることで木々の彩りを捉えることができます。

明るい部分と影となる暗い部分ができやすいため、コントラストを抑えて白飛びや黒つぶれしないようにしましょう。

山頂からなどの広大な景色を広角レンズで撮ることも、もちろんオススメです。

望遠レンズでピンポイントに

望遠レンズで撮影した紅葉

望遠レンズを使うことで葉っぱ一枚一枚に焦点を当てて色や形を伝えることができます。また、望遠レンズはボケやすいのも特徴の一つです。

ポートレート撮影の場合、背景の紅葉をボケで表現することで鮮やかな紅葉をバックに印象強く写すこともできます。

水面を使って2分割構図に

水面に反射した紅葉

湖の周りに広がる紅葉は、水面に写る景色も非常に美しいです。水面の境を中心にシンメトリーの形にして2分割構図するのもおもしろいです。

風が強かったりして水面に波が立ってしまっているときは長時間露出で撮影することで反射した景色をキレイに写すことができます。

昼間などで長時間露出撮影する場合は、減光フィルター(NDフィルター)を活用しましょう。
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山の斜面は対角線構図で

山のふもとの紅葉

山などの斜面に生える紅葉を撮るときは対角線構図を意識することでバランスよく撮影することができます。

水平をあえて崩すことで写真に動きを与えることができます。

ただし、水平を崩す撮り方を乱用しすぎるとまとまりのない写真ばかりになってしまう可能性があるので注意しましょう。

足もとの落ち葉にフォーカスして

水に浮かぶ紅葉の葉

紅葉も進むと落葉して足もとに色鮮やかな絨毯が敷かれます。足もとの落ち葉にフォーカスしてマクロレンズなどで撮るのもオススメです。

天候に関係なく印象的な写真が撮れることもオススメの理由で、曇りや雨、雪でもそれぞれ味の違う写真を撮ることができます。

露出補正で明るくとったり、シックに暗めに撮ったりと様々な表現が楽しめます。

まとめ

今年の行楽シーズンは紅葉を撮りに観光スポットへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

紅葉を撮るときの主なポイントは以下の3つです。

①明るさと光の当たり方
②コントラスト
③鮮やかさとホワイトバランス

設定を少し意識するだけで誰でも簡単にイメージ通りの写真にすることができるので少しだけ3つのポイントを意識して撮ってみてください。

紅葉シーズンの観光名所では人も多いので三脚の使用や長時間立ち止まって撮影するようなことがないよう、マナーを守りながら紅葉撮影を楽しんでください!

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